光線空間法 プレゼンテーションの仕方

シンガポールに遊びに来た理由の一つに、「光線空間法」の講義を聞きたいというのがありました。なんだか難しそうに聞こえますが、端的に言えば、「次世代テレビのテクノロジー、たくさんの光を解析するとより現実に近い画像が作れるようになりますよ」という話です。

最新のテクノロジーというとグーグル、という印象ですが、このコンピューターグラフィックスやホログラムの世界は、マイクロソフトとディズニーが強いらしいです。

先生らしいなwと思ったのが、人間の反応について。脳神経の視点から刺激に対してどう人間が反応するかという演繹的手法ではなく、人間の反応を、コンピューター的に細かく分析し、帰納的に求めた原因で、人間の反応をかなり精巧に説明できる。というものです。これは前に紹介した「統計学は最強の学問である」という本の骨子で、コンピューターの計算速度が飛躍的に伸びたことで、統計分析をより簡易に、精度高いものになったのと同じ。そして、金融業界における、ブラックショールズを解析的に解くことが美しいw(ほんと(笑)だw)と思っていた、若かりし頃の私が、最も多用したプライシングメソッドは、皮肉なことに、乱数をたくさん発生させて平均をとるという「数学的美学w」に反する、「モンテカルロシュミレーション」であったことも、偶然ではなく、すべて、コンピューターの計算速度の向上が原因です。

先生が私に転送してくれた衝撃的な論文はすでに記事になっていて

アメリカ・フロリダに行ってきました 1/4~アナ雪と微分方程式

前回書いたことは、プレゼンテーションとしての完成度。いかにして素人の学生に興味を持ってもらって研究人口を増やすか、あるいは、いかにして素人の金主にファイナンスさせるか、ということが主眼で、私が学生時代に受けていた、教授が念仏を唱えているような講義とは全く違うことが衝撃であった。

ちなみにダーマン&カニのLocal Volatilityとかは読んだけど、それほど衝撃受けなかったんだけどな。しかし、話も論文も古いな、もう10年以上も前の論文だし、ジャンル違うしなw

さらに、私は大学不要論者になってしまった。投資一族を引き連れて、東大見学ツアーを実行したのは3年位前だったが、今はもう考えが違う。この論文、無料だぜ。有名な大学であればあるほど、ネット上の無料のオープンキャンパス充実してるし、講義の英語がどうしてもつらければ、最初は論文にしてグーグル翻訳にぶちこんで読めばいい。(講義の英語も音声認識でさらに自動翻訳すれば日本語で聞けちゃう時代かな?) 中学生なり高校生なりの時点でこれをやっていないというならば、大学に行っても意味なし。どうせ得られるものは何もない。学位など通じないし、学位が通じるような大学であるならば、学位は取れなくとも、授業は、無料でネットで自宅で受けられる。それをやってない奴の大学の学費❓出すわけねーわ。
僭越ながら、先生の講義に一言申し上げると、「気を使いすぎてて説明がぼけている」気がしました。そして、それは偶然にも、このブログの書き始めと同じ問題を孕んでおり、私が主張したのは「数学を使わないデリバティブ理論」で、先生も同様に、数式を一回も使うことなく、光線空間法を1時間話し続けていたのである。私自身も「話を無理やりこじつけている」「説明を飛ばしすぎている」「プロ向けなのか素人向けなのかが不明確」「数式を使ってはいないが『数学』を使っている」などと言われたことがありますし、自分でもそう認識しています。

この問題について、先生はよくご存じで、私が感動したSiggraphのMPM論文は実際には、「共著」である。数学やる人、プログラミングする人(計算部分やグラフィック部分など)、このあたりまでは想像つくが、論文のデザインや構図を考える人やファイナンス(お金の割り振り・資金集めのスキーム)の専門家までついているという。Siggraphの論文と趣味でやってる日本語のブログを同一視してはいけないが、さすがに、ブログの一つ一つの記事のデザインと構図w まったく考えてねー。このあたりが一人でやってる限界か。

ブログの更新が滞ったのは、結局、この問題でね。デリバティブの理論はさておき、アジア一国一愛人構想も、いくら言っても、俺一人のプレゼンテーション能力では、「アジアで夜遊びしている」という印象しか与えることができず、不特定多数に対する情報発信には限界があるのではないか? この後、先生と話し合って得た結論は、多数の聴衆を相手にする場合、相手の理解度や伝えられることに差があるのは当然のこと。もっと自分中心に、自分の言いたいことを、「こんなに楽しいんだ」とアピールすることで、理解できない人でもなんとなく感覚を共有できるのではないか、ということだった。ブログもそういうもんだな。