日本にもマドフファンはいらっしゃるようで、金融日記にて、マドフと郵政を絡ませてました。
郵政は史上最大の詐欺事件とのことですが、こちらのニュースは、もう少しスケールが大きいです。
なかなかお洒落な内容なので、いじらずにコピペしますが、関連リンクしまくりました。
お楽しみください。
Oct 14 2009 【経済コラム】今こそマドフ受刑囚を米財務長官に-W・ペセック
【コラムニスト:William Pesek】
10日14日(ブルームバーグ):ドルは限界点にある。これは決して誇張ではない。多くのエコノ
ミストが米国の財政や、各国中央銀行が世界の準備通貨であるドルから離れつつある現状の
分析に基づいて指摘していることだ。これが極めてひどい結果を招き得ることは言うまでもない。
 世界の外貨準備高の減少が原因ではない。バークレイズ・キャピタルによると、外貨準備の内
訳を発表する各国は4-6月に、新規資金の63%をユーロと円に振り向けている。これは、
800億ドル以上の外貨準備高の増加があった四半期の中では最も高い割合となる。
われわれは、長年にわたり投資家が恐れてきた大暴落の瀬戸際に立たされているのかもしれな
い。神経過敏になったアジアを中心とする各国中銀がドルを投げ売りすれば、信用危機よりもはる
かに深刻な金融崩壊につながる可能性がある。今こそ強力で誰も気付かない手段が必要だ。
バーナード・マドフ受刑囚の力が必要な時かもしれない。
 650億ドル(約5兆7900億円)規模の「ねずみ講」詐欺で有罪となったマドフ受刑囚には、
まず時間がたっぷりある。禁固150年の判決を受けたからだ。71歳とかなり高齢だが、これは同
受刑囚の技能にガイトナー米財務長官が目を付けない理由にはならない。2人が極秘に会った
としたら、次のような会話が交わされるのではないか。
手の内は読まれている
ガイトナー長官:「バーニーと呼んでいいかい。わざわざ財務省まで足を運んでもらって感謝する
よ。でもほかに選択肢はなかった。深いフードをかぶって裏口からこっそり入ってもらったのは気の毒
だったが、これも必要だったんだ。ここにいることをマスコミにかぎつけられたら大変だからな」
 マドフ受刑囚:「グアンタナモ収容施設じゃなくてよかった。いったいどんな用かな。そうだ、エスプ
レッソを一杯もらいたいんだが。拘置所のコーヒーはまずくてね」
 長官:「お分かりかもしれないが、われわれの手の内は世界の中央銀行に読まれている。ドルが
やっと生き延びていることを中銀はお見通しだ。データはうそをつかないからな。そこで知りたいのは
君がどのようにやらかしたかだ」
 受刑囚:「やらかしたって、何を?」
 長官:「しらばっくれるなよ。あんなに長いこと、どうやって世間をだましたかということだ。市場の動
向に関係なく、毎年どうやって2けたのプラスの運用成績を挙げたかだ。どのようにして万事うまくい
っていると信じ込ませたかだ。その戦略を米金融システムに応用したいんだ」
           ドルは裸の王様
 受刑囚:「そんなに情勢は悪いのか?ドルは『裸の王様』なのか?」
 長官:「ドルはますます威信を失っている。ドル安は米国にとって問題ないということが明らかにな
るのに伴い、債務国は不安に駆られている。中国と日本がパニックに陥りドルの投げ売りを始めれ
ば、混乱の口火となるだろう。湾岸諸国についても同様だ」
 受刑囚:「目が覚めた。エスプレッソのお代わりはやめておこう。カフェインはもう必要ないようだ」
 長官:「もちろん、中国などは米国債を処分すれば自国の成長を犠牲にすることになるだろう。
ロング・ターム・キャピタル・マネジメント(LTCM、1998年に事実上破たんし、世界的な市場の
混乱を招いた資産運用会社)やリーマン・ブラザーズを覚えているかい?ドル暴落に比べれば、
ささいな事さ」
            米国の「ねずみ講」
 受刑囚:「あなたたちは独自の作り話を広めていなかったかい?アジアからの新たな資金流入に
よって、米国はそれ以前の投資での負債を払うことができる。
それがあなたたちの基本的なねずみ
講だ。見習うべきはわたしの方かもしれないな。火星人が何の予見もなく米国のバランスシートを
見たとしたら、米国を新興国だと見てかかわり合わないようにするだろう」
 長官:「バーニー、君なら米国の債務をなくすことができるかもしれない」
 受刑囚:「マジシャンのデービッド・カッパーフィールドを呼んだ方がいいのでは」
 長官:「重要なのは、中国や日本が事実を知るのを阻止することだ。外貨準備の多様化は警
告のサインだ。われわれはこれに対処する必要がある。さもなければ米経済は破たんする。ドルの
取り付け騒ぎを回避するには、世界の中銀が米国債購入を続けるようにしなければならない
         市場をだますのは簡単じゃない
 受刑囚:「市場をだますのは簡単じゃない。イラク進攻や米金融機関の救済、景気刺激策の
支払いが容易ではないことを市場は承知している。あのサラ・ペイリン(2008年米大統領選の
共和党副大統領候補)
でさえも、ドルに否定的な見解を表明して話題を提供している」
 長官:「わたしの胸中が分かるか?ポールソン前長官の後なら、何をしても評価してもらえると踏
んでいたんだが、まさかドル危機を取り仕切るなんて思ってもみなかった。アジア危機が懐かしいよ。
韓国
とインドネシアの破たんを防げばよかったんだからな。『大き過ぎてつぶせない』問題は、『異常
過ぎて救えない』よりも簡単だ。今、切り札を握っているのはアジアの方だ。われわれはドルが問題
ないことを示す必要がある。たとえそれが錯覚だとしても」
 受刑囚:「それは言うほど簡単な問題じゃない。わたしの所業について書かれた新しい本が出た
としても、本当のところは理解できない。よろしい。わたしに財務省を陰から操れという訳だな。これ
ほど大きい詐欺は初めてだ」
 長官:「バーニー、米国が君を必要としているんだ。どうだ?」
 受刑囚:「やっぱりエスプレッソのお代わりをもらおう。ノートパソコンを出してくれ。説明には時間が
かかるから」
(ウィリアム・ペセック)
(ウィリアム・ペセック氏は、ブルームバーグ・ニュースのコラムニストです。このコラムの内容は同氏自身
の見解です)
原題:Time to Hire Bernard Madoff to Run U.S.Treasury:William Pesek(抜粋)