マクドナルドの繁栄の秘密? 研修不要、損益計算書から読むよ

今の時代、マックと言えば、AAPLかもしれないが、オールドエコノミー代表格のMCDだって負けていない
優良企業だ。しかし、アメさん、中国でこんなことやっていいのか?
MCD US マクドナルド本体(US上場)とマクドナルドジャパンの収益構造の違いをここに載せてみよう。
まずは、わかりやすく想像しやすいであろうマクドナルドジャパンから。営業利益率10%以下。そりゃそうだ。
200円のハンバーガーでそんなに儲かるわけないよな。
mcd-jp-pl.gif
一方、マクドナルド本体はどうか? 営業利益率30%。何ですか?? これ本当に食品会社?? と思うの
が通常の感覚だろう。
mcd-us-pl.gif
その理由は、私の口から説明するより、わかりやすいのが10-Kに売上の定義が書いてある。
The Company’s revenues consist of sales by Company-operated restaurants and fees
from restaurants operated by franchisees. Revenues from conventional franchised
restaurants include rent and royalties based on a percent of sales along with
minimum rent payments, and initial fees
. Revenues from restaurants licensed to
affiliates and developmental licensees include a royalty based on a percent of
sales, and may include initial fees.
このようになっており、マクドナルド本体では、ハンバーガーを200円で売って、その原材料費がいくらで、従業員
と家賃と・・・という計算ではないのである。名前貸してやるよ、やり方教えたるよってのがRoyalitiesのうち
の初期とミニマムに含まれ、売上からパーセンテージで抜く方が、原材料のコスト含みの販売店の営業利益の搾
モデルと考えてよく、販売の経営責任、つまり、財務諸表上の原価計算は各店にあるということになる。
一目瞭然なのが、マクドナルドジャパンが、言ってみれば将来のマクドナルドチャイナなのであるからして、こんな低
収益企業に暴れて欲しいと思うかね? いくら売り上げても本体にロイヤリティで没収されるだけの奴隷企業だぞ。
俺が思う、マクドナルドの繁栄の3つの要因。
アメリカ人の悪食、安いレーバーコスト、アホでも作れるオペレーションの完全マニュアル化。
その繁栄は、肥満しまくりのアメリカの民の上、英語も喋れないのにアメリカに居る低賃金外国人労働者の上に立
脚している。これを世界規模でやって、中国に侵略しようという・・・。中国には、日本と同様に長い歴史と食文化
というガードがあるから、アメリカほどの惨劇にはならないだろうが、政府としてあまり良い気分はしないと思うなぁ・・・。
上海のソンさん? あんた有価証券報告書見てるかね? 誰でもインターネットですぐ取れる。
Number of employees
The Company’s number of employees worldwide, including Company-operated
restaurant employees, was approximately 385,000 as of year-end 2009.
コストが、12,651 milだ。これが全部従業員給料として配分されるとして、平均でいくらになると思うね?
33,000 USDだ
。これはマクドナルド アメリカ本体での数値だ! マクドナルドの上級職になれば高い給料を
もらえる? 本当だろうよ。でも平均33kから突出した給料の人間が居れば居るほど、最頻値は平均よりさらに下
がり、競争に敗れたら最頻値に落ち着く確率が極めて高い分布になることは、ちょっと数値見れば想像付くよな?
だから、彼らは夢を売る。顧客にじゃねーぞ。顧客に売ってるのは夢も希望もないただの量産型ハンバーガー。
夢は従業員に売ってるんだ! 夢は高いんだ。夢を見るのもいいが、その前に、ニュースになるほどのダテじゃない宗
教的研修がなぜあるのか?その意味をもう一度考えることからはじめてみることを薦める。

Jan 24 2011 ハーバードより難関、「ハンバーガー大学」はマクドナルドの中国戦略
【Bloomberg News】
 1月24日(ブルームバーグ):ズー・シャオブさんはテーブルの端から端へと走り回りながらパズルの
かけらを集める。チームの皆とともにパズルを完成させるのは、マクドナルドの管理職研修の一環だ。
 「早く早く早く」と、台湾人の先生が叫んでいる。マクドナルドのロゴの黄色いMを最も早く完成させ
たチームは賞品としてデンマークのバタークッキー1缶がもらえる。研修生たちの頭上には「今日学んで
明日のリーダーになろう」の文字。31人の研修生たちの机には分厚い教材が載っていて、この後の
研修が楽しいばかりではなさそうなことがうかがわれる。
この中国のマクドナルド・ハンバーガー大学は、米名門校のハーバード大学よりも入学が難しい。
 マクドナルドの中国本社がある上海郊外の28階建てビルの20階には、灰色の壁とカーペットに
囲まれた教室が7つある。研修所はマクドナルドの商品の絵や1950年代のミルクセーキメーカー
などの機器で飾られている。
 施設の中にはプールもスポーツジムもない。図書室には「None Of Us Is As Good As All Of Us:
How McDonald’s Prospers By Embracing Inclusion and Diversity
(全員は1人をしのぐ、マクドナルドの繁栄の秘密)」などのタイトルが並んでいる。廊下にコーヒーメ
ーカーはあるが、カフェテリアはない。
            狭き門
 「ハンバーガー大学に入れてとてもうれしい。誇りに思う」とズーさんは話す。同氏は中国の中部、
湖南省の長沙で、2007年にマクドナルドの管理職研修生になった。他の7人とともに、1000人
の応募者の中から選ばれた。合格率は1%未満。ハーバード大学の合格率は過去最低だった昨
年で7%程度だったと、同校の大学新聞が報じている。
 上海の研修に参加するためにはさらに、同じ店舗で働く43人の同僚と競争して副支店長になら
なければならなかった。研修生の授業料は無料。5日間でほぼ1万元(約13万円)の費用は会社
が負担する。
 ファストフード最大手のマクドナルドは昨年、研修施設を香港から上海に移した。中国本土での事
業拡大に対応する。2010年は中国本土で過去最大となる165店舗を開設した。2013年末
までの4年間で1000店開設という目標を達成するために、今年はさらにペースを上げる予定だ。
            同時通訳
 オークブルック・インベストメンツの共同投資責任者、ピーター・ジャンコブスキス氏は、マクドナルドは
「拡大ペースを加速できるように基盤を整備している」と指摘する。
 中国本土のマクドナルド従業員は約7万人。昨年はそのうち1000人が上海で研修を受けた。
2014年末までにさらに4000人の研修を予定していると、研修センターのスザンナ・リー所長は
述べた。センターの教室には英語と北京語、広東語の同時通訳の設備が整っている。香港からの
研修生や海外からの講師を受け入れるためだ。
 「十分な人材が準備できるようにする。中国で研修を行えば、香港に人を送るよりも迅速に育成
できる」とリー氏は述べた。
 ロンドンの調査会社ユーロモニター・インターナショナルによると、中国でのファストフード・チェーンの
売り上げは2010年に12%増え600億元に達した。ピザ・ハットとKFCを展開するヤム・ブランズ
の市場シェアは40%、マクドナルドは16%だという。ヤムの店舗数は3700。現在1300店舗の
マクドナルドは13年末までに2000店舗に拡大する計画だ。
            幹部育成
 マクドナルドの先月の発表によると、同社は今年の中国への投資を40%増やす方針。昨年は25
%増やした。
 マクドナルドの研修所は世界に7カ所あるが、上海のセンターは幹部育成コースも提供している点で
他の6カ所と異なるとリー氏は言う。7人の指導者を抱えた同センターの運営コストは14年までの5
年間で1億5000万元に上る見込みだという。
 マクドナルドは1961年に、管理職のほかフランチャイズ加盟者の研修のために最初の「ハンバーガ
ー大学」を米イリノイ州に作った。
 オークブルックのジャンコブスキス氏は、「ファストフード店に勤めるのは将来性がないと多くの人が考え
ているが、マクドナルドの場合は違う」と話す。マクドナルドのウェブサイトによれば、ジム・スキナー最高
経営責任者(CEO)は1971年に管理職研修生として同社に入った。
          大学は出たけれど
 中国では昨年7月1日時点で630万人の大学卒業生の26%以上に職がなく、これもハンバーガ
ー大学の厳しい競争率の理由だ。
 現在25歳のソン・インさんは大学1年生だった05年にマクドナルドでアルバイトを始めた。08年に卒
業すると、銀行への就職を勧める父の助言に反してマクドナルドに入った。昨年4月に上海の中心、淮
海中路にある新華聯店の店長になった。マクドナルドには「キャリア面でさまざまな機会がある」と同氏は
話した。
 香港の外食産業コンサルタント会社、イースト・ウエスト・ホスピタリティ・グループのジョエル・シルバースタ
イン社長は、マクドナルド・ハンバーガー大学の目的は「最大の課題」である優れた人材の確保だと言う。
「フードサービス業界での人材確保はますます難しくなっている。ハンバーガー大学の第一の目的は業界
を専門職化して、良い人材の採用を容易にすることだ」と同氏は説明した。
         「次」を目指して
 上海で店長を務めるソンさんは、来月さらに研修を受ける。1週間の「ビジネス・リーダーシップ」コースだ。
次の目標は、複数の店舗を統括する「オペレーション・コンサルタント」になることだという。
  「父も今では銀行に勤めろと言わなくなった」と同氏は明かした。
原題:Getting Into Harvard Easier Than McDonald’s
University in China

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