Japanese-Military.png
川崎重工業、新明和工業の軍需産業として投資可能性を検討してみよう。まぁ答えは最初からわかっているのだが・・・。
記事上に並ぶ文字をざっと落としてみると
武器輸出三原則
防衛費の削減、輸出の実現で技術レベルの維持を狙う
哨戒機、輸送機、救難飛行艇
ぉぃぉぃ、やる気あんのかよ・・・これ・・・。企業努力を阻む法体系や国家予算。
国際競争にさらされる防衛産業としては、最低の国家の後ろ盾と言える。
では、個別に見てみることとしよう。
川崎重工業
09年3月決算 売上高 1兆3000億円 営業利益 287億円 純利益 117億円
セグメント別業績では、車両、ガスタービン、汎用機、油圧機器、航空宇宙、プラント環境、船舶という事業があり、軍需
系と呼べる航空宇宙事業は、売上高 3000億円 営業利益 42億円の赤字。前年度を振り返ってみると約100
億円程度の黒字で推移してきた。軍需セクターが、売上・営業利益に占める割合は30%程度に留まっている。
新明和工業
09年3月決算 売上高 1300億円 営業利益 9億7千万円 純利益 26百万
ちょっとあまりに悲惨な数値なので前年度を振り返ると、営業利益は約50億円程度、純利益は30億円程度で推移
してきた企業である。
セグメント別業績では、航空機、特装車、産業機器、建設、その他となっており、航空機事業の売上は250億円、
営業利益5億円の赤字、前年度までの推移は、10億円弱となる。特装車事業の売上は440億円、営業利益は
4億円、前年度までの推移は、30億円程度となっている。よって軍需セクターの占める割合は、50%程度である。
私の株式営業 ~Fiat Moneyの裏打ち
で紹介した米系軍需産業と比較してみよう。
面倒なので、大好きなLMT(ロッキードマーチン)を例にとるが、
売上 45,000Mil USD、純利益 3000Mil USD
セグメント別ではAeronautics、Electronic Systems、Information Systems&Global Services、Space Systemとある。
Annual Reportのセグメント別情報の定義のページを抜き出してみたが、普通の産業っぽく聞こえる
Electronic Systemですら、Aegis Weapon Systemである。
LMT-09-Annual-Rep.png
Wikiなどに企業ごとの軍需比率を書いてあるが、私がAnnual Reportから得られる情報で推測するとも~う全部軍需!
LMTを見ているとBOEINGの軍需比率すら低く見え、精々旅客機でも作っててくれやという気持ちなるのが通常の人間だろう。
上記二社には是非日本の国防と発展のために貢献して欲しいと思う愛国心はあるものの、どう考えても軍需株として投資対
象と考えるのは難しいというのが現実である。日本が、真の意味での自衛と国防を手に入れる日を私は願ってやまない。
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