3.医療保険 (非居住者には重要情報)
必要条件 日本国籍・日本の住所。身分証明書(今回は免許証のみで、パスポートの入国記録などは求められていない)
まず、帰国後役所で転入届を出し、住民票を入れ、日本の居住者になる。私が提出したのは免許証のみである。次に国民健康保険の受付に行くと、「海外(国名も記述し)にいつからいつまで住んでいたので日本国内の所得がありません」と一筆書くだけで、特に国内の所得が無いという証明書などは必要ない。
住民登録がデーターベースに反映されるまで20分程度かかるので、しばらく待つ必要があるが、「お役所仕事」との批判を受けないように役所の職員がかなり親切に対応してくれている。「いいんですよォ、私には丁寧に接していただかなくても。何しろ今転入届出したばかりで、昨年の住民税の納税実績ゼロなんで、お客様でも何でもないんですよォ。いやこれマヂで。」と心の中で呟きながら、「ありがとうございます、ありがとうございます」と不気味なほどにペコペコと役所の職員に頭を下げながら、役所内を徘徊する。
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保険料どのくらいになりますかね?
「それは所得や諸条件によりますので、なんとも言えません。」 と冷たい答え。
「あんまり高いと厳しいんですけどねぇ・・・」
「エキゾ様の場合は、去年の国内所得がありませんので、10000円もいかないと思います。」
「へぇ、そうですか・・・」 と言いながらうつむいて、こみ上げてくる笑いを隠した。
7,000円+6,000円で合計13,000円
あれ? 10,000円以下って言ってたけど、この2分類で言うと1万円以下ってことなのかな? と疑問に思っていると
「エキゾ様の場合は、去年の国内所得がありませんので13000円の3割負担で4000円程度ですね。
「一か月4000円ですか、わかりました、では早速お支払いを」 と含み笑いをごまかしながら財布に手をやったが、お支払いも後払い。そして保健証は後日、住民票が入っている住所に郵送されてくるのだが、それまでの間に使える仮保険証まで発行してくれるので、住民票を入れたその日からすぐに病院に行けてしまう。保険証の実物はT+2で届いた。
「私が働かないでここに住み続けたら、国民健康保険料は、ずっと月々4000円で良いんですかねぇ?」
「エキゾ様の場合は、去年の国内所得がありませんので、そういうことになります。住民税の方も会わせて、あっ入国が13日ですので今年の住民税ではなく来年分から納めていただくことになりますね。」
(住民税のことはお前に言われないでもしっとるわ、不測の事態に備えてこっちは12月ではなく1月にわざわざ来とるんじゃ、ボケぃ)と思いながら、含み笑いをごまかしつつウツムキ、「どうもご親切にありがとうございました」と役所内で常に頭を下げながら役所を出た瞬間、一人でニヤニヤしながら歩いてしまいました。
次に4000円で手に入れた健康保険証の威力を見ていこう。
今回の日本旅行のメインイベント、歯医者で銀歯、銀歯1本の治療費は、2570円+1550円+2150円の3回で終了で合計6270円である。これがシンガポールでは700SGD=約49000円+コンサルフィー+X線とかかるので、1回で終わるスピード治療だが、50000円超は確実。健康保険1ヶ月分を含めて考えて、約80%OFFで治療できるのである。所得ゼロの場合の健康保険の安さに加えて、もう一つ安い理由がある。それは日本の医療規定で定められている銀歯の価格が低く定められており、歯医者にとっては最も原価率が高く、最も儲からない治療のひとつなのである。シンガポールの歯医者の記事でも既に書いたが、Filling(詰め物)70SGDに対してMetal Crown(銀歯)700SGDと10倍の開きがあるくらい、メタルは貴重なのである。日本で高額所得者であろう読者諸君は、健康保険を割り引くことはできないが、日本で割安な”銀歯”の治療をせいぜいエンジョイして欲しい。非居住者が一時的に居住者になって歯の治療をする時に注意すべきは、日本の歯医者はわざと回数かけて治療してくるので、3週間くらいかかることが難点である。
日本のマッサはタイと同じ価格。
天下の保険証さえあれば、日本のマッサージは保険が有効な治療と解釈され格安で受けることができる。日本の居住者であった頃から利用していた”接骨医”である。初診料は900円ほど取られたが、次回からは400円。400円で40分程度のマッサージをしてもらえる。250THBで60分のバンコクスクンビットとほぼ同程度の価格でマッサージが受けられる。今回は肩、腰、足など色々と3-4回通いました。東南アジア級に安い保険適用マッサージは、日本居住者諸君も、土日、公園で暴れ過ぎた後などで利用すると良いだろう。
住民票を抜く
歯医者の治療が終わったので、健康保険にはもう用が無い。住民票を抜き、健康保険も脱退する手続きをしにもう一度役所に行く。転出届を書いて、行き先をシンガポールと書けば、それで終わりだ。飛行機のチケットや労働予定先の契約書など証明は一切要らないw
シンガポールと書けばいい。1ヶ月分の健康保険料が発生しているので、それをその場で窓口で支払った。(後払いもできるから、国内住所が無くなる場合、どのように請求が来るのか、追手が来るのか知らないが、逃げることもおそらく可能。) 正確な値段は4440円であるから、このくらいは非居住者諸君は礼儀として払いなさい。役所はカード払いできないので現金払いで。
ここで健康保険証のオリジナルは没収となる。しかし住民票を抜く、出発日まで有効な仮保険証をまた発行してくる。うーん神のように親切だ。ちなみに月またぎしているが、最終月は無料なので、その日までの医療行為にかかる保険料は無料ということになる。笑いが止まらんな。こりゃ。住民票を抜く際に年金について聞かれたので、それについても調べてみた。
年金窓口で支払い実績を調べてもらう
年金手帳は持っていないが、名前を言うだけで、年金受給履歴が得られる。私は約12年分ほどの年金支払い実績がある。受給資格取得まで必要な25年まで後13年となる。海外在住期間は年金受給資格発生期間に加算される。その証明には役所が発行する戸籍附表が良いであろう。戸籍は住民票とは関係ないのだが、戸籍附表とは、戸籍と名が付くが住民票の履歴である。パスポートの出入国の電子記録などから入国期間をばっちり抑えられていたら、私もうろたえたが、私が申告した居住地宣言=住民票を基にした役所内で閉じた範囲で得られる程度情報のサマリーである。
戸籍附表の全部証明と改製原附票の2部合計で600円もの大金を支払ったのは、今回住民票転入転出劇によって、シンガポール、日本滞在時の住所、そしてまたシンガポールに転出という3データが新しく入ることで、今までの6年の海外滞在期間の記録が消えてしまうことを恐れたためである。役所は「5年で記録が消える」と連呼するのだが、なぜか6年前の渡航記録もきっちり残されている。これで無事に年金受給資格期間に加算されることを期待している。今まで払った国民年金・厚生年金は取り返すことができそうだから、残るは所得税・住民税・健康保険・雇用保険、10年取られ続けたこの恨み、はらさでおくものか。日本での敵をオフショアから討つ! 取られた金は何人からも必ず取り返す。
3週間だけの日本居住者という、かなり作為的な住民票のステータスだが、全て合法的で虚偽申請も一切無い。
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