2015年のオプション市場と私の戦略

オプションの損益とリスク認識の主観性について、前回述べたので、今回はもう少し具体的な取引、取引戦略にまで踏み込んで行こうと思う。
ではまず、結果から。
DDvsSP500-2015.jpg
オプション戦略であるDancing Dragon(以降DD)はオレンジ、S&P500が水色だが、DDはS&P500のオプション取引を開始した2013年9月の開始時を10,000として、資金の出し入れを控除したパフォーマンスベースで指数化した左軸、S&P500は単純な現値を右軸に取っている。
年初を100と基準化して比較しても良いのだが、S&P500の絶対水準、DDの2014年からの継続性を重視して、縮尺が多少違う軸を使用しつつの比較である。DDは10500~12500だから19%の範囲、S&P500は16%の範囲なので、実際のボラティリティはグラフ上の見かけよりDDが高い。
でも縮尺がどうあれ、DDはプラスで終わり、S&P500はマイナスなので、1年を通してじりじりと逆転している様がわかるであろう
このグラフで私が言っているまま、すなわち、デルタロング、ガンマショート、ベガロングのポジションを保持していることがわかった諸君は、うん、プロだなw


8月末までの煮え切らない相場展開では、やる気があるんだかないんだかわからないような感じでS&P500に「なーんとなく似たような」動きでありながらも、8ヶ月でみれば、ガンマショートによる時間価値を味方にして、S&Pを追従している。
8月末の下落中、DDも一気に下落している。これはガンマショートの影響である。下落と供にデルタが拡大し、ドンドン損が広がっている。私が指咥えて見ていたのは、ボトム近傍では、ガンマはすでに0になっていたこと。またベガロングが激増していたので、デルタはまだロングなので下がればデルタでやられるが、ベガとのバランス次第ではさらなる下落で、プラ転することがわかっていたからだ。
その後、最後の4ヶ月はS&Pの値動きの荒い戻しと供にDDも戻しているが、ガンマショートの時間価値に加えて、IVの高止まりが、ガンマショートの効果を強調させている。ガンマショートで儲かる時=煮え切らない相場展開なので、IVは往々にして下がることが多く、ガンマショートであっても、ベガロングだとIVの低下に抗えず損することもありうる。(非常によくある)
S&P500は2013年、2014年もほぼ一本調子で上げ続けていたので、せっかくロングしているデルタが、ガンマショートで消えてしまうので、カレンダーや追加投資でデルタを補い続けなければならなかった。2015年は、一度付けたピーク、2134.72から100ポイント=5%程度下げて終わったことに象徴されるように、上げ続けたという相場展開ではなかった。
私が買い集めようと思っていたDEC17のIVは、1月20%、6月18%、7月17%と堅調に下がっていたのだが、8月の中国ショックでまた20%に戻ってしまった。なので、あまり大きく買い集められずに一年を終わってしまった。
8月末の下落時、ガンマショートなので、デルタが膨れまくるのだが、Vannaもショートなのでベガロングも激増する。デルタで負けて、下落で上がったIVがそれを緩和する。ここでカレンダーショートで、IVを売って利益を確定しつつ、ガンマを積む予定だったのだが、下落=S&P500が1900以下の水準はそれほど長続きせず、どんどん回復してしまったため、回復の過程で、プットをNakedで売ることで、IVの利確を行った。
2014.09.11 新オプション取引戦略の考案 3/3~時間と供に変化する損益曲線
Dancing-Dragon-01.jpg
2013~2014年の単調な上昇相場で、カレンダー・プットスプレッドを組みまくったので、今年、組んだポジションというよりは数年前に組んだポジションが満期を迎えることによって、Dragonは右に進んだ。カレンダーのショートで大きなベガ取引をしたわけではないので、DragonのRising部分は微小だったがw
わかるかねぇ?? 満期の違うカレンダー・スプレッドの短いものがドンドン満期を迎えていくと、ドラゴンの尾が高くなる。長いものも満期を迎えていくと消えるのだが、異なる水準で組みまくったカレンダー・スプレッドの行使価格の水準は、2013~2014年の上昇相場とともにどんどん上がっていたから、損益曲線が時間とともに右側にシフトしていく。これは1~2年前から、こうなることを意図してオプションポジション組んでいたのよ。短期的な相場観とか、戦略じゃないの。年単位の取引戦略であるDancing Dragon、伝わったかなぁ?
【投資方針】
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2010.09.08: 株メール Q6.株価を買わず会社を買う
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2008.10.17: 最近数ヶ月の投資総括 
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2008.05.14: 自分自身の財務諸表