三田氏を斬るステージ2 1/8~信者が居るほどに偉大な三田氏

デリバティブ業界のことをまったく知らない人のために解説すると、三田氏はミタではなく、サンダと読みます。三田氏は日本のエクイティ・デリバティブ界の大御所です。ちなみに私は面識ないのですw それでも知ってるくらい大御所ってことね。三田氏は、知名度とか経歴だけではなく、おそらく、デリバティブのトレーディング部隊において、三田氏がデリバティブの不理解をツメられたりしたことはないでしょう。「三田君、わかってないね。」「三田君、間違ってるよ。」こういうセリフは、トレーディング・デスクには存在しない“はず”です。(あくまで推測ですけどね、でも誰もそのセリフ聞いたこと無いでしょう? まぁ三田氏本人は「いや、一度だけ言われたことがある」と反論があるかもしれませんが。)
プライスはさておき、バリュエーション、モデリング、金融工学の理論的な側面について、三田さんに楯突ける者はいない。少なくとも私の知人には一人もいない。「三田さんの信者・ファン」が多く、私は、三田さんの過去の遺産を廃するのに手を焼いたのでよくわかる。当の三田さんにとっては「そんな昔に作ったものをまだ使っているの? うん、いいかげん作り直したらどう?」と言うであろう。でも、まだ三田さんの遺産を使っている人が居るかもしれないw
「日本にいるのなら三田さんの本が出ているはずなので買ってきてほしい。ついでに読んで書評書いてくださいよ。」
「普段はお前のブログ読まないんだけど、三田さんを斬っているのは読んだよ。あれは面白かったね。」
これは三田さんにはとても自分では楯突けないプロのトレーダーたちが、私に代弁を期待しているのであるw 彼らは、「三田さんに対して、理論的な側面で異議を唱える」という現実的には見ることが難しいドラマを見たがっているのである。
これが「三田氏を斬る」シリーズの起源、ゆえに一般読者やフィックスドインカム系の諸君にはまったく面白く無い、エクイティ・デリバティブ業界の内輪ネタ・ギャグなのね。今回のネタ元は、「証券会社の儲けの構造」という三田氏が2012年11月に書き終え、2013年4月に出版された本なのだが、証券会社をご退職され、自由な立場でお書きになっているので、斬るのがかなり難しい内容となっている。基本、この本に書いてあることの解説・説明はしないので詳しく知りたい人は、三田さんの本でも買って勉強してくださいw


全6章だてで、前半3章までは、株の話が中心なので、軽く流していこう。

第1章 証券会社の中の人々
第1節 リテール営業部門
外資系証券会社は支店が無いので、リテール営業部門を持っていません。ゆえに、以前までは日系証券会社よりもはるかに学生に人気がありました。優秀な学生が外資系証券会社を選ぶようになったため、日系証券会社は「とりあえず最初は支店で営業」という発想を捨てなければならなくなりました。最近では日系証券会社でも、異動の無い専門職採用と、リテール営業でも何でもありの総合職採用と分けているところが多いようです。”リテール営業以外に異動させることはありません”と保証されたリテール営業部門がありません。やはり、リテール営業は学生に人気がないと言うことでしょうか。

まず、リテール営業について。確かにキツイ仕事だとは思います(念のため、私自身は経験がありませんが、横で見ていたことはあります)。でもリテール営業が相手にするのは、1ショット億単位で取引なさる日本の中小企業の勝ち組中の勝ち組のような、エネルギッシュな経営者たちばかりです。税制や立場の都合上、会社は赤字だったり、本人の年収は異様に低く抑えられたりしているんですが、自分で自分の給与を決めているようなお立場の経営者ですから。年収500万円の個人のはずなのに、会社名義やその他色々な名義でw 1億単位でお取引なさる立派なお方です。もちろん、たたき上げの厳しい経営者ですから、1億単位の取引するような方なのに10万円単位の細かい損にもこだわり、お説教されることもあると思います。
私も何件か同伴営業をさせてもらったことがありますが、勝ち組社長に、ブラック・ショールズ、確率微分方程式なんか必要ないですよ。条件だけ聞けば、社長さんは、「買いか・無視か」を即断即決できる理解力と判断力をもっています。営業マンと関係の良い社長の場合は、「せっかく本社から来たんだろう? 意見があれば言ってみろ。間違っていても良い、それを聞いてみたい。」といかにも経営者の器、人の上に立つべく男気溢れる発言もありました。EBの営業で、ある社長さんが「三井住友(銀行)がそんな値段になるわけねぇじゃん。それで5%ももらえるの? そんな株価になったら(三井住友)買ってもいいと思ってるよ。」どうですか? この社長に関しては一瞬でデリバティブの条件を理解していたように思っています。この点については、後の三田さんの発言においても、百戦錬磨の”たたき上げの中小企業の社長の実力をわかってない”ように感じられるので、後で厳しく追求します。
一方、機関投資家営業はどうですか? 取引金額は10億か100億か知りませんが、組織としては大・機関投資家なのですが、対峙する担当者はただのサラリーマンですよw せいぜい喜び組連れて行く、くだらない訪問と、やってることは旅行代理店じゃないですか。はっきり言って泣けてくる仕事ですw 損した時の言い訳だけ一緒に考えてくれれば良い、などというくだらない雇わればかり相手にしていると、こっちまでセコい人間になってしまいますよ。まぁ、プロ・機関投資家は所詮は人の金で自分の懐は痛みませんから、損失には寛容で楽ではありましょうが。
リテール営業部門で働いている方々に告ぐ
リテールの場合、他人の金ではなく、自分の金でやっている叩き上げの経営者たちを相手にしてますから厳しいのはよくわかります。でもそうでない機関投資家・プロってセッコい人間性ですよ。喜び組営業とかホント、泣けてくる、ゴミです。日本経済を支える中小企業の経営者達と、お話させていただけるだけでも光栄なことだと私は思います。実際の業務は、かっこよいものではなく、非常に厳しいとは思いますが、その誇りだけは失うことなく、日々の業務に邁進していただきたく思います。
さて、話は変わってお花畑、外資系についてw
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高給だし、キツイリテールは無い。いい事ずくめに思える外資系wだが、実は仕事は日系以上にドメである。ニューヨーク本社に転勤? 無い!ww ここは海外労働者諸君は詳しいだろう、特にシンガポールのように現地企業が腐っている国の場合、シンガポール・ドメ企業よりは「非シンガポール企業」=「シンガポールにとっての外資系」で働いていることが多いだろう。駐在、本国から派遣されている社員は本国に戻るものだが、現地採用、例えば日系企業のシンガポール支社で雇われた日本人であっても、日本への切符が用意されることはまず無い(ゼロではないが)。なぜならばシンガポールでビジネスするために雇われた傭兵部隊であり、HQのマネジメントを期待されていないからだ。それと同じことが、日本・東京の外資系企業で雇われた日本人に言えるので、仕事は永遠に日本・日本市場で、ニューヨーク本社で働くことなどありえないのである。(反論対策で、一応ゼロじゃないけどね、それ期待して外資系行ったら失敗するよって話ね)
しかし、ここ最近のグローバリゼーションと、リーマンショック以降のコスト削減的意義で、高い東京からアジア部門をシンガポール・香港に移す流れに乗ったラッキーな男もいる。これはフロント部門だけでなく、バックオフィスあるいは金融に限らずP&Gなどにも起きている現象だが、失礼ながら普通の人は単にちょっと額面給与が下がる程度の異動となる。しかし、私の友人のラッキー男は、フロント部門の仕事も変わらず、当初は弱冠額面が下がったものの、タックスベネフィットを享受し、可処分所得は上がり、アベノミクスによる円安によって、円建て給与に引きなおすと、あら不思議。泣く子も黙る外資系金融に勤める三高男が、さらにグレードアップしてしまったというケースもあるが、これは数でいうとレアケースね。人の成功体験は気分悪いよな? じゃー良い事教えてるやるよ。彼の会社も終わってるのよ…、だってS&P500が1900超えて、史上最高値更新中に、インベストメント・バンキング部門、4人に1人はクビの大規模リストラ発表してるのよ。もう、ダメだよ、この業界。後、数十年浮かばれないね。この大リストラをかわした彼はとっても優秀だ。優秀とは言っても、ロングオンリー・デリバティブ取引も許されない環境下で、2008年リターンがプラスという俺ほどの天才では無いんだがな。

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