あけましておめでとうございます。数値が出揃ったところで2013年の世界の株式市場を振り返ってみます。年末にも少し触れたようにエマージングが壊滅、特にエマージング通貨がほとんどドルを下回り、ドルを上回った通貨は、EUR、CHF、CNY、GBP、KRWとなっています。円はインドネシアルピア並みに下落しています。日本居住の皆さん、いいですか? あなたの円建て資産は18%も下落しているのです。「円安で外貨預金が儲かった」などと言っている閉鎖的な見方をしている諸君はこのグラフをよく見て世界で何が起きているかを認識すべきです。アベノミクスなど起きていない。米国主導の世界景気に引っ張られているだけの結果であり、日本株はS&P500を下回っているのが現状なのである。
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我が投資一族ファンドの2013年リターンは、円建てで +44% ドル建てで +19%と両国の主要インデックスを下回っているが、供に過去最高の年間リターンとなった。一応成績はプラスであるものの、2013年の上昇相場で損をしているのはむしろ希少な天才負け組だけなので、厳しくインデックスとの相対パフォーマンスで計ろう。敗因は日本における株式運用の失敗で、日本株の年間リターンはわずかに+36%(円建てPL)、米国株で+99%(ドル建てPL)となっており、事実上、米国に助けられた形となった。
各通貨における預金・債券・通貨先物取引などを ※1:合わせた収益 は+33%(円建てPL)、デリバティブズによる収益が日本市場で-4%(円建てPL)、米国市場で+2%(ドル建てPL)となっている。俺はデリバティブで下手こいてる?? ww 良いです良いです、笑いものにしてください。”日本株で日経平均を20%も下回るリターン”しかあげられず、日本市場のデリバティブで”損”をした、一族エキゾです。2013年の結果だけ見ると、日本の”デリバティブで損した”アメ株の人? プッ という感じですが、私はめげずに、「デリバティブの人」であることを主張し続けます。
2013年の自分自身のアクションを見つめなおすために、現預金・債券・デリバティブズの証拠金・通貨先物取引(ドル円先物で円を売れば、通貨先物のNotional分の円のショート、ドルのロングが発生したとみなす)を円・ドル・それ以外の通貨のキャッシュエクスポージャーとして3つに分類、それから各市場株式の出資比率で昨年末から2013年度末にかけてどのように推移したかを見れば、大まかな動きとして捉えることができるだろう。

2012年	2013年
円キャッシュ 	: -6%	 7%
ドルキャッシュ	: 20%	28%
他キャッシュ	: 29%	15%
日本株		: 45%	37%
米国株		: 13%	13%

(※1:こういう勘定だと、特に合計値がマイナスの円キャッシュがそうだが、通貨ごとの損益計算が意味をなさない場合があるので、全通貨・為替系取引をあわせて収益を計上した)
通貨・為替の動きとしては、安くなった円の買い戻しが最も象徴的だが、さらに、その他通貨の変動要因は、主として中国元の売り、そしてシンガポールドル預金を将来の生活費を根拠に減価償却したw ことによる。振るわない新興国通貨を損切りしたのではなく、下がっている通貨を消費しながら生活するというまさに測度変換を地で行く生活スタイルなのだ。
株式市場については、私なりの株式売買レーティングで表現しよう。弱気から強気の順序で7段階に分けると、
1.空売り
2.売り 持っていたら0にする
3.売り 保有率を下げる ←日本株
4.売り 量を保って株数減らす ←アメ株
5.ホールド 株数固定
6.買い 量を保って株数増やす
7.買い 保有率上げる
ということになる。ただ出資比率は下がっているものの、保有株式の時価総額そのものは2012年から2013年にかけて上昇している。2012年はほとんど何もしていない から転じて 2013年は弱い弱気、株を売り始めた ということです。(2010年~2012年までは通貨で遊んでいただけで株をほとんど動かしていない) 
2013年、株を売ってしまったので、多額の現金が浮いてくる。まったく同じ状況で余剰資金に困っている株式のみを売買している先輩は、苦し紛れで出遅れ銘柄を買っているという。失礼ながら、これは最悪の選択と言えよう。永久保有銘柄では無いような自信の無い銘柄を、絶好の買い場とは言えない2013年に買うと儲けが少なく、既に保有している含み益銘柄に対して売り遅れる傾向になり、次の暴落まで持ってしまえば、永久保有銘柄ではないような銘柄をワンサイクル保有し続けることになるからである。
ロングオンリーのバリュー投資家の上昇相場における取引の選択肢
1.とにかく我慢してホールド:いつ売るのか? 次の暴落と危機より前に売れるのか?
2.売ってローベータ:暴落前までにコンサバ銘柄にシフト。
3.売って社債:暴落まで持ってしまうと、クレジットスプレッドも拡大してしまうが株式よりはマシ。
4.売って米国債:短めの期間から始めて、株・金利の上昇に合わせて、長期債に少しずつシフト。危機の時の質への逃避期待。
5.売って日本国債:基本は米国債と同じだが、次の危機の時、例の如く円高になれば儲かる一方、上昇相場と円安が続くとエントリー時期にリスク。
6.売って現金・円のまま:このまま株価がどんどん上がっちゃって=円安、大丈夫?
買い増し、ハイベータシフトなどは、強気・ブル派の意見として、除外しよう。そしてバリュー投資銘柄は、元々、ローベータ気味なので、保有銘柄を売って新たにローベータというのも単なる銘柄入れ替えであって戦略シフトとは言い難い。弱気・ニュートラル派は、3~6の4つになり、下に行けば行くほどによりベアな戦略となり、08年リーマンショック前には現金を債券シフト(米ドル社債、米国債、人民元預金、円買いなど)にすることで乗り切ったというのはかつて書いてきたことである。いずれの方法にも長短あり、選択が難しいところではあるが、私は今回の相場(暴落までの)、暴落で儲けたいあるいはトントンで終わらせたいという崇高な目的があるため、職業上の制約が無い以上6つの中から選ぶのではなく
7.番外編 オプションを使う。(←詳細は左記のリンクで)
を選択しているのだ。
【投資方針】
2013.09.19 初フィリピン・マニラ編 2/14 ~炸裂したアジア一国一愛人構想の説明
2013.09.04 ジャカルタ・リラクゼーション・アワー 10/16 ~人生初のプロポーズ
2012.03.13 株メール Q12.PERとPBRのリスト
2011.05.27: 株メール Q10.PBRの計算 ~LYNAS編
2010.09.30: 株メール Q9.俺が言ってるのはStrategyではなくTacticsだ
2010.09.08: 株メール Q6.株価を買わず会社を買う
2010.08.04: 無駄遣いを止める方法
2009.12.28: よくある素人の資産運用=老後の心配 
2009.05.14: 2009年度予算案 
2009.04.15: 貯蓄率にみる人々の自信度合い 
2008.10.17: 最近数ヶ月の投資総括 
2008.07.04: 投資人生の必要条件
2008.05.14: 自分自身の財務諸表