Local Vol Model(LV)の問題点=LVで理論通りの収益になるためには何が必要か?
LVの理論値の要請はStatic-Hedgeの実現だよ。直訳すると静的ヘッジだけど、要は完全ヘッジのこと。
つまり、Exoticをトレードすると同時に、完全なるDuplicationをVanillaで構築し、
Vega・Gamma Exposureがいかなる時点・株価でも0になるようなPortfolio。
そうすればVanillaのリバランスは不要になる。これがうまくいけば、オプションプレミアムが実現する。
Static Portfolioはバリア直前で無限枚のLong、直後で無限枚のShortみたいな形になるので、
実際には実現は不可能だ。詳しくはDerman and Kaniの論文でも見れば載ってたはずだ。
だが、ほぼ誤差の範囲と思えるレベルのStatic-HedgeをSemi-Static-Hedgeと言うが
S-S-Hができていれば、LV通りに振舞う。
LVってそういう意味なのよ。Static Hedge想定なわけ。
リバランスが必要(Dynamic Hedge)になるマーケット環境・StructureではWorkしないの。
全体のVegaだけ見て、VannaもVolgaも考えずに場当たり的にVanillaでVega Neutralだけ
作ってるだけの場合もWorkしない
。おっと言いすぎたかな?
動的にVegaのTradingするという宣言だからね。
LVを使っちゃいけないのよ。そういうTradingするってことは。
LVを使って、どうもこのままの値を信用できないなという時は、Hedged Portfolioのリバランスを
想像すること。それはLVに含まれていない。
そして、最初の問に戻る。相談者が持ちかけたKnock-Inは12年のIndexのBarrier Optionで
あったのでVegaだけでなくて、金利変動が問題になる。
dSdr(株価変動による金利リスク変動)が小さくないので金利に対しても大きなDynamic Hedge
が発生する。ここをどうPriceするか
だね。
これは金利のVolatilityそして株価と金利のCorrelationに対する相場観だよ。こういうのが
デリバティブの相場観
であり、Volaが25%->26.5%に上がると思う というのとは本質的に異なる。
株と金利だと出ないけど、日経平均と金利だと相関出ると思うよ。Indexと言っていたからその
Corを実際に計算してみるといい。その計算の仕方も何考えずにDailyでやってはいけない
株と金利のVolatilityとdSdrの大きさを見てリバランスがどのくらいの頻度で必要そうか見積もり
その頻度で二つがどのような相関を持つかを考える。それが一番合理的な”想像”だと思うね。
パラメーターの計算、Greeksの計算、モデルの選定も含めて、全てが実際のHedgeに基づいて
いないとあんまり意味のある計算にならない。
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