続いて、相談者の不安
 モデルが完全理論世界の前提でやっているから、そこも疑問がある。
 例えば、中国政府が株価半分に絶対しないというのがあったら、幾何ブラウンの前提は崩れる。

どうやら、相談者は株式市場の振る舞いについて気になっているようだ。
一番単純に幾何ブラウンと想定した時、実際とどのようにずれてくるのか?順をおって説明しよう。
中国は実際1/4になったからねぇ。そういう噂はあんま気にしなくて良いんじゃないの?
でも、そういうのがある方が幾何ブラウンに近づくってのが俺の考え。
下方硬直性の高いマーケット、つまり日本のことだけども、Skewはどうしても弱くなる傾向があった。
かつ、いつも言っているようにエマージングほど、マーケットコンセンサスが無いから株価のJumpが起こりにくい
Chartの形を見てもアジア市場はアメリカ市場に比べて明らかに幾何ブラウンに近い形をしている
AIG US Equity GPL W 見てみてよ。これは明らかに幾何ブランじゃないよ。
aig_us_gplw.gif
3988 HKと比べてみて。3988が幾何ブラウンに見えてくる。
3988hk-gplw.gif
C US Equity GPL Wでも良い。 Skew!って感じがするChartでしょう?
c-us-gplw.gif
GPLがLog ChartだからLog Chartが幾何ブラウン近似な見方となる。
8411 JP Equity GPL W程度だとちょっとSkewあるかな?
8411gplw.gif
3988 HKだと幾何ブラウンと近似してよいとなるでしょう?
政府保証、下方硬直性は実は幾何ブラウンに近づくという実証例です。
ちょっと話が飛躍してしまったけど、株価が幾何ブラウンで振舞うと近似できる場合であっても
RealizedとTrading levelの差が問題
となる。
一番簡単なのは金利で、Forwardを取引しないで株とSWAPでHedgeする場合、配当リスクは無視する
としても金利だけでも十分に問題がある。色々な条件、例えば株価が上がったら金利エクスポージャーが変わる。
その時、金利が変動していたらその分が損益要因になる。
金利というのは、Underlying通貨(UnderlyingのGrow Rate)とPayment通貨(Discount Rate)両方
を指す。例を簡単にするためにForward取引しないと書いたが、本来ならばUnderlying通貨の金利
はForwardでHedgeしてしまえばいい。
今は短いオプションを議論しているから、金利と配当のリスクは小さいとしてもVegaは問題になる。
BSでPricingする場合、Pricing Volaで、そのオプションを一本でVega Neutralを作るわけだが
当然Vanna Volgaを筆頭にVega Neutralを保つことはできないのでその差と市場変動が損益となる。
Local Vol ModelでPricingにしてもそれは同様のことが言える。
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