Category: 読書

お釈迦さまの脳科学 2/4~最先端の物理学、数学では神は否定された

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1980年代以降、科学の世界では大きなパラダイム転換を迎えます。不完全性定理は、クルト・ゲーデルによって1931年に発表された定理ですが、簡単に説明すると不完全性定理とは「一つの系が完全であることを、その系において証明することはできない」ということです。これが数学全般にわたって証明されたのは1980年代に入ってからです。また、同じ時期に物理学の世界でも「すべての物理現象に不確実性がある」という量子論が証明されました。神を「それだけで完全なもの」もしくは「すべてを決定するもの」と定義するなら、神は1980年代に科学によって完全に否定されたのです。世界の知のトップレベルでは「この世に完全性はない」ことは、当たり前です。今、唯一絶対の神を信じる科学者がいるとすれば、数学や物理学を知らないということになります。ところで、この現代の科学者が何十年もかけて証明した結論を、2500年前に語っている人がいました。それが釈迦です。釈迦は数学も物理学も用いず、瞑想という思考実験でそれを解明してみせました。宗教で量子論と同じ結論に至ったのは、仏教しかありません。
インドに墓はない
実際に行ってみるとわかりますが、インドには日本にあるような墓や霊園はありません。キリスト教の墓はありますが、ヒンドゥー教や仏教の墓は存在しないのです。ちなみに、世界遺産として知られるタージ・マハルは、王妃の墓として建てられましたが、イスラム文化の時代に作られたものです。現在でもインドでは人が亡くなると、その遺体をそのままガンジス川に流す風習が残っています。インドでも儀式としての葬儀は行われています。釈迦はそれも弟子に禁じました。なぜならば、宗教は生きている人間のためにあるべきであり、死んだらただの物質である、というのが仏教の考え方だからです。ただし、釈迦は一般の人が死者を弔うことまでを禁じたわけではありません。

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フェイスブック若き天才の野望 4/4~ライバルと協力者

ザッカーバーグの長期的枠組みと確実に議論の余地なく一致するビジネス戦略をまとめるために、サンドバーグ会議の参加者たちは、ただ広告が重要だという議論にとどまらなかった。彼らは、フェイスブックの持つ機会を明確化し、差別化するための重要な特質にたどり着いた。グーグル-サンドバーグの古巣であり、紛れもなくインターネット広告の王者-は、ユーザーが欲しいかを決めているものを探す手助けをする。これに対してフェイスブックはユーザーが何が欲しいかを決める手助けをする。グーグルで何かを探すと、検索ボックスに打ち込んだ単語に応じた広告が表示される。その広告がユーザーにとって的を得ていることが非常に多いため、このプロセスはグーグルに何十億ドルという金をもたらす。しかし、ふつうユーザーがそこでクリックするのは、自分が探しているとわかっているものに応じた広告だ。広告用語で言えば、グーグルのアドワーズ検索広告は「要求を満たす」。対照的に、フェイスブックは要求を生み出す。グループはそう結論を出した。それが長年テレビを支配してきたブランド広告のしていることであり、広告宣伝費の大半が費やされている場面でもある。ブランド広告は人の脳に新しいアイデアを注入する-ほら、あなたはこれにお金を使いたいはずですよ。しかし、その種の広告がグーグルで上手く働いたためしはない。ユーザーが検索フィールドに「デジタルカメラ」というキーワードを打ち込めば、グーグルの検索を通じてキャノンのカメラが見つかるかもしれない。しかし、ユーザーにデジタルカメラが欲しくなるよう説得する上手い方法をグーグルを見つけたことがない。そのような方法を探究するグーグルの取り組みの結果、同社はソフトウェアがメール中の単語を監視して、ユーザーが反応すると思われる広告を表示するというGメールサービスに力を入れている。グーグルがあれだけ成功していても、その事業のほぼすべてが、広告業界全体から見て比較的小さな領域内で展開されている。全世界で年間6000億ドル使われる広告宣伝費のうち、わずか20%がすでに何が欲しいかわかっている人たちに向けた広告に費やされていることを、サンドバーグの調査員たちは発見した。残りの80%、すなわち年間4800億ドルは、今後の広告出費が次々とインターネットにシフトするにつれ、容易にフェイスブックの手の届くところに来る。インターネットは、テレビ、新聞、さらには雑誌からも消費者をもぎ取っていく。そして、そのインターネットの利用時間のうち、不釣合いな量をフェイスブックが取っている。いまやフェイスブックは、米国内およびほとんどの国で、ネットユーザーの費やす時間が圧倒的に多い場所である。

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解任 マイケル・ウッドフォード オリンパス元CEO 4/4~改革失敗

結局のところ、ジャイラスおよび国内3社買収に関する巨額の支払いは、以前の経営陣から引き継がれてきたバブル期前後の財テクの損失を隠蔽するために使われていたのです。
アメリカ時間の11月30日(日本では12月1日)、私はニューヨークで会見を開きオリンパスの取締役からの辞任を発表しました。事前に宮田に電話した際に「オリンパスを見捨てるのか?」と言われましたが、もちろんそんなつもりはありません。その逆です。結局、先日の取締役会を経て、私が会社に残っていても、内部からオリンパスを改革するのは不可能だと確信したのです。社内の一取締役として私はいまだ完全に孤立していましたし、今の立場では外部の投資家、株主などと連携して再建の道を模索することも許されません。その前日に会社が発表した「経営体制の刷新と将来ビジョンの提示の検討体制の構築について」という声明に危機感を覚えたのも辞任のきっかけになりました。新たなコーポレート・ガバナンスの仕組みを作り、経営陣を一新するというその発表の方向性の評価できましたが、その検討チームの責任者を社長の高山が務めるというのです。旧経営陣を擁護してきた彼が、ガバナンス強化の責任者になるなど悪い冗談にしか思えませんでした。責任を問われ一新される経営陣が次の経営陣を選ぶ、などということが許されるのでしょうか?
オリンパスに真に必要なのは、現経営陣から完全に独立した新しい経営陣です。新しい経営陣なくしては傷ついた会社の評判を回復することはできません。そこで私は仲間たちと相談のうえ、取締役を辞任してプロキシーファイトに持ち込むことにしたのです。つまり、私を含んだ新経営陣案を提案し、株主による多数の賛同を得て、臨時株主総会で可決させようと言うプランです。私はそれがオリンパスにとってベストの選択だと考えました。会社の重要な意思決定は株主によってなされるべきです
> 日本人の世界は、会社の重要な意思決定は取締役会という密室で決められるべきってのが、日本の常識だから、それは違うんだわ。

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お釈迦さまの脳科学 1/4 ~日本には仏教は伝わっていない

実は歴史を振り返ってみると、控えめに言っても、日本に「本当の仏教」が伝えられたことはなかったのです。ご存知のように、日本の仏教は中国を経由して伝えられました。仏教を日本に持ち込んだ人物として有名なのは、遣唐使船で中国に渡った最澄や空海です。空海は密教を日本に伝え真言仏教を完成させ、最澄は日本天台宗を開くことで後の日本仏教の礎を築きました。しかし、彼らが中国にいった時代には、すでに中国の仏教は道教から強い影響を受けていました。空海の場合はインド人の高僧(般若三蔵)から直接にサンスクリット語や密教を学んでいますし、最澄の学んだ天台教学は、天才・天台智顗(ちぎ)により一つの完成された仏教でありましたが、それでも釈迦の時代の仏教とはだいぶ異なっているのです。
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いずれにせよ、日本の仏教は道教・儒教と習合した中国仏教をベースに発展しています。その証拠は、あらゆるところで見ることができます。例えば、葬儀です。仏教式のお葬式は、中国の先祖崇拝の文化とともに作られました。戒名が書かれる位牌は、儒教の葬式に用いられていた「神主」(しんしゅ)が元になっています。死者の官位を書くための札なので、位牌と呼ばれているのです。また、日本でありがたがられているお経の中にも、インドではなく中国で作られたと推測されるものがあります。釈迦にもっとも近いとされる禅宗も、その起源は中国にあります。また、インドにおいても仏教は釈迦の死後、バラモン教や後のヒンドゥー教の影響を受けてかなり内容は変わっています。
仏教がバラモン教などの宗教と信徒を奪い合うことになり、呪文(マントラ)や法具、護摩焚きなどバラモン教の要素を取り入れるのです。それらは現世利益を与えるので、信者の獲得に有利でした。これが中期密教と呼ばれるもので、中国でも広まり、日本に伝えられます。これまで日本人が仏教として学んだものは、バラモン教や中国文化の影響を強く受けたもので、仏説つまり釈迦の教えからだいぶ変化しています。誤解して欲しくないのですが、私は日本仏教が劣った宗教だといっているわけではありません。空海は全く新しい宗教を作った大天才でしたし、浄土真宗の親鸞もキリスト教に匹敵する、世界宗教になりえる思想を生み出したと考えています。しかし優れた宗教ではあっても、それをそのまま釈迦の教えということはできないのです。
釈迦のオリジナルの教えに日本人が触れられるようになったのは、仏教学者でも昭和に入ってから、一般の人たちには21世紀に入ってからです。近年、より釈迦のオリジナルな教えに近い、スリランカなどで伝えられる上座部仏教(テーラワーダ仏教)が日本でも紹介されるようになり、興味を持つ人が増えてきました。日本で積極的に著作活動や瞑想指導をおこなっているアルボムッレ・スマナサーラ長老がその代表でしょう。大乗仏教の国とされる日本では、彼らの上座部は長い間「小乗仏教」と貶められてきましたが、上座部仏教では、釈迦の原型に近い教えや修行方法が伝統として受け継がれています。
また、ダライ・ラマ法王の世界的な活動によって、インドの後期密教の姿を色濃く残しているチベット仏教も注目を集めています。チベット仏教は、インドの後期密教がベースになっています。中期密教ではバラモン教は現世利益の思想が導入されましたが、さらに時間が経ち、後期密教になるともう1度、瞑想を中心とした修行に戻っていきます。チベット仏教にもマントラや法具は残っていますが、その数は少なく、しかも瞑想のために使われる道具にすぎません。後期密教では、釈迦の教えに立ち返っているのです。
オウム事件以降の約10年間、オカルトを題材にした番組が全く放映されなかったことで、オカルトに免疫のない人がたくさん育ちました。そして皮肉なことに、再びテレビがスピリチュアルなど、オカルト的な番組を流すと、免疫のない世代、またオウムの記憶が薄まってしまった人は、これらを批判なく受け入れるようになってしまいます。特に若い世代には、それ以前にオカルトについて知識を得る経験がなかったために、簡単にバカな論理にはまってしまったのです。こうして2005年から2007年にかけて、細木数子氏の占いブーム、江原氏によるスピリチュアルブームが起こりました。スピリチュアルと言うと、ソフトなイメージがありますが、魂や生まれ変わりを認める心霊主義でありオカルトの一種に違いありません。かつてのオウム真理教の信者なら、簡単にスピリチュアルブームにはまることはなかったでしょう。彼らの中には、天理教や阿含宗、場合によっては統一教会といった新宗教を一通り経験して、最後の行き先がオウムというような信者が珍しくありませんでした。彼らは、宗教やオカルトについてに知識をそれなりに得てはいたので、そこの浅いスピリチュアルブームなど歯牙にもかけなかったことでしょう。
「あの世」を説く宗教の論理は、ときとして「この世」に様々な問題を引き起こします。日本ではオウム事件であり、海外ではイスラム原理主義者によるテロです。もちろん、イスラム教自体が悪いのではなく、信仰心を利用して人を殺すように仕向けている一部のイスラム原理主義の勢力に問題があるのは言うまでもありません。経典が絶対の存在であるという原理主義は戦争やテロに利用されやすいです。前アメリカ大統領のジョージ・ブッシュがイラク戦争を始めたときもそうだったように、いまだに戦争には神の名が使われているのです。実はアメリカはキリスト教原理主義の影響力がきわめて強い国です
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これには歴史的な理由があります。アメリカの建国神話は、「1620年、イギリスで迫害されていた清教徒(ピューリタン)たちがメイフラワー1号で新天地を求めて新大陸に渡ってきた」というものです。清教徒はプロテスタンティズムの中でも、カルヴァン派の思想を受け継いでいるといわれています。プロテスタンティズムは16世紀の宗教改革によって生まれて宗教思想ですが、特にカルヴァン派は、当時世俗化し堕落したカトリック教会に対して、聖書を唯一のよりどころにすべきだ、という一種の原理主義運動なのです。正教徒によってアメリカが建国されたという歴史的根拠は実は怪しいのですが、こうした建国神話があるために、アメリカではプロテスタントの力が強く、様々な政策に影響を与えています。神の為なら自爆テロもいとわない一部のイスラム原理主義と、キリスト教原理主義が政治を動かすアメリカ、どちらも自分が信じる神こそが唯一絶対の神であるという考えを捨てない限り、今後も戦争がなくなることはないでしょう。





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フェイスブック若き天才の野望 3/4~開放と公平性

自分自身をどこまで世間に見せるべきか。これはフェイスブックが我々に突きつけた重要な課題である。私はフォーチュン誌でテクノロジーを担当するベテラン記者で、、フェイスブックについて本を書いていることを、あなたに知ってほしいだろうか。それとも、57歳で、画家の夫で、ティーンエイジャーの娘を持つ父で、時折詩を書く、元組合活動家だったことを伝えるべきだろうか。これまでは社会的状況に応じて、たいていこの二つのうちどちらかの自分を見せてきた。私のフェイスブックで唯一のプロフィールには、およそ何もかもが暴露されている。
これは偶然ではない。ザッカーバーグがフェイスブックをそのようにデザインしたのだ。「アイデンティティーはひとつだけ」。ザッカーバーグが2009年に行ったインタビューで、1分間にこれを3回強調した。フェイスブックを始めた頃、大人のユーザーには仕事用のプロフィールと「楽しめるソーシャル用プロフィール」の両方を用意すべきだという声があった。ザッカーバーグは常に反対した。「仕事上の友達や同僚と、それ以外の知り合いとで異なるイメージを見せる時代はもうすぐ終わる」と彼は言う。「2種類のアイデンティティーを持つことは不誠実さの見本だ」「現代社会の透明性はひとりがふたつのアイデンティティーを持つことを許さない」
> すいません。FBアカウント2つも作っちゃってw

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解任 マイケル・ウッドフォード オリンパス元CEO 3/4~報道

23日には「ニューヨーク・タイムズ」が佐川とアクシーズ・ジャパン証券の中川昭夫のジャイラス買収への深い関与を報じて、2人の行方を追っていました。同紙は翌日にも、オリンパス子会社のベンチャーキャピタルITX元社長の横尾昭信とその弟で投資顧問会社グローバル・カンパニー社長の横尾宣政の国内3社買収への関与を続報しました。『ニューヨーク・タイムズ』はグローバル・カンパニーの東京のオフィスを取材しましたが、すでにもぬけの殻でした。興味深いことに、佐川、中川、横尾宣政は全員野村證券の出身でした。
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> www、いいね。嫌味っぽくてw
私は可能な限り取材を受けていました。「日経ビジネス」、「週刊ダイヤモンド」、「産経新聞」のインタビューに答え、事件の経緯を繰り返し説明しました。CNNにも生出演しました。オリンパスや菊川のことは忘れて新しい人生に踏み出すこともできたはずです。ですが、30年勤めた会社を簡単に頭から追いやることはできません。宮田もオリンパスのために私が会社に残ることを強く望んでいました。彼は私の復帰が社員と世界中の株主のためになると信じてくれていました。

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世界最大級プライベートエクイティ投資会社の日本戦略 カーライル 2/2

クオリカプスのどこに企業価値を上げる余地があったのか。旧株主の塩野義は日本企業の目線でクオリカプスをとらえていた。日本の製薬市場ではカプセルは脇役である。日本の製薬会社はまず錠剤化を目指す。と言うのも日本の患者は粒の小さな錠剤のほうが飲みやすいと考えているからだ。できないものだけがカプセルに格納される。だからカプセルの市場はそれほど伸びないと日本目線の株主は考えるのである。ところが医薬品市場で日本の割合は市場の10%に過ぎない。世界の製薬市場、言い代えればカプセル市場の50%は米国、35%は欧州、残る5%が新興国つまりインドと中国、南米が占める。米国や欧州の目線ではカプセル市場は伸びない市場とは見られていない。消費者も医者も製薬会社もカプセルを脇役と考えていない。しかも医薬品用カプセル市場の目線で眺める者にとってクオリカプスの市場は成長市場であった。
では競争はどうか。意外なことに医薬品のカプセルの製造は、高い技術力が必要とされる参入障壁の高い事業である。実際にグローバル市場は、ファイザーの子会社で世界一位ののカプスジェルと2位のクオリカプスの2社で寡占されている。少なくとも欧米の巨大製薬メーカーの生産にあわせてグローバル供給のできるサプライヤーはこの2社以外にはいない。日米欧いずれかの市場で強いローカル企業を入れても、競争企業は5~6社といったところである。なぜカプセルを作るのがそれほど難しいのか。溶解したゼラチンが時間とともに固まってくるプロセスにおいて気温、湿度、圧力、ゼラチンの残量そして時間といったさまざまな変数の中で、均質なカプセルを製造するプロセスコントロールが難しいのである。上下2つのカプセルはぴたりとはまって外れないぎりぎりの精度で大きさが仕上がることが必要であり、割れたりへこんだりした不良品が混じっていないことが要求され、均質な厚みで高速充填に耐え、かつ胃の中では一定の時間で消化されることが大切である。

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臆病者のための株入門

橘玲好きなんだけどなぁ。この本はかなり酷い、本当に本人が書いたのかな? 株式市場に対して、素人が中途半端にモノ言うことに対して私が厳しすぎるのだろうか?

私が株に興味を持ったのはかれこれ10年くらい前(2006年発行だから1996年)、「ビル・ゲイツ未来を語る」を読んですっかり感化された私は、この革命児が経営する会社に投資することを思いつき、その頃勤めていた会社の近くの日本一大きな証券会社の支店に生まれてはじめて株を買いにいった。応対してくれたのはちょっと世を拗ねたかんじのおじさんで「マイクロソフト?そんな会社、きいたことありませんねえ」と慇懃な笑いを浮かべ、「株をおやりになるのなら、すこし勉強なさったほうがよろしいんじゃありませんか」と、カウンター脇に置いてあったパンフレットをくれた。

うん、でも買わなかったんですよね。いるんですよ、後出しじゃんけんトーク。「あの時、アップル買おうと思ってた」聞き飽きるほど聞いている敗者の戯言ですよw

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フェイスブック若き天才の野望 2/4~女は写真好き

「ぼくらが写真を見る時、何をまず一番気にするだろうって考えた。それは誰が写っているかじゃないかって思いついた」 フェイスブックの写真には、そのなかに写っている人間の名前をタグ付けできることになった。写真チームはさらに二つの重要な機能追加を決めた。次の写真を見るには、単に現在表示されている写真のどこかをクリックするだけでよい。他のサービスのように「次へ」ボタンを押さなくともいいようにした。もう一つの決定は一種の賭けだったが、フェイスブックに保存される写真の圧縮度を思い切ってあげたので、表示される写真の解像度がはっきりわかるほど落ちた。これは写真のアップロード速度を上げるためだった。ユーザーは数分で大量の写真をアップロードできた。問題はユーザーが低い解像度を受け入れるかだった。それに写真へのタグ付けはどのくらい利用されるだろうか?10月の末、チームは不安を抱きながら写真機能を公開した。巨大なモニターにはユーザーがアップロードしてくる写真がリアルタイムで表示されるようになっていた。最初の画像はネコの漫画だった。チームは顔を見合わせた。と、1分ほどで写真が現れ始めた。女子学生の写真だった。女子学生のグループ写真、パーティー写真、他の女子学生を撮っている女子学生の写真。そして写真にはタグが付けられていた!女子学生の写真が奔流のように流れ込んだ。女性の写真がモニターいっぱいに並ぶ中に、男性が写っている写真は数えるほどだった。女性たちはお互いの写真をアップロードすることで友情を確かめ合っているらしかった。
> ネコと女。僕のアカウントでもそんな感じです。

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解任 マイケル・ウッドフォード オリンパス元CEO 2/4~火種

解任された10月13日の2ヶ月前のこと・・・
記事の見出しは、「オリンパス-『無謀M&A』巨額損失の怪」とかなり挑発的でした。悪魔のように見える菊川の写真が使われています。記事によればオリンパスが売上高がそれぞれ2億円にも満たないベンチャー企業3社(産業廃棄物処理会社アルティス、電子レンジ容器の企画/販売を行うNews Chef、化粧品や健康食品を通販するヒューマラボ)を08年3月期にあわせて700億円近くで買収、子会社し、翌年にはほぼその全額を秘密裏に減損処理したというのです。また500億円、総資産が1000億円程度のイギリスの医療機器メーカー、ジャイラスを2700億円もの高額で買収したことについても触れていました。さらに記事は、この不明朗なM&Aによる損失と怪しげな投資顧問会社グローバル・カンパニーとの関係を指摘して会長の菊皮の経営責任を激しく追及していました(『FACTA』2011年8月号、7月20日発売)
菊川剛
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世界最大級プライベートエクイティ投資会社の日本戦略 カーライル 1/2

米国では大企業の株主が非常に短期間、つまり1年か2年で企業を売却してしまう。極端なことを言えば、株主が所有者ではなくトレーダーになってしまっている。一方で日本の問題は正反対だとガースナーは言う。日本の株主は、非常に長期に会社の株を保有する。しかも非常に目立たない株主として保有する。この正反対の状況は、どちらの場合も共通の不健全な状況を引き起こす。つまりマネジメントを適正にガバナンスする者が不在になるのである。米国のように1年で交代する株主には長期の視点で経営者を統治するインセンティブはない。一方で、長期にわたって株式を保有する日本の機関投資家の場合は、物言わぬ株主であり続けてきた結果、企業ガバナンスからは遠い存在となっている。皮肉なことに過去数年において、株主が経営陣に対して一番強い要求をつきつけてきたのは中国だったという。「中国では政府が株主だったわけです。だからそれなりに企業に対して政府がこういったことをやれと命令するアジェンダを持っていた」 それは経済的な競争力と言うよりは社会的な目的、つまり雇用に重点が置かれていた。

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フェイスブック若き天才の野望 1/4~大学内SNSとして

フェイスブックは75種類の言語で運営されており、活動中のメンバーの75%はアメリカ以外の国民だ。フェイスブックのユーザー人口では依然アメリカが最大だが、2位が英国、トルコ、インドネシア、フランス、カナダ、イタリア、フィリピン、スペイン、オーストラリア、コロンビアと続く。
> あれ?日本は?ミキシー?高学歴諸君はFB利用率高そうだが、メールアドレスがドコモとかの人って使ってなさそうねw
フェイスブックが最終的に成功を収めることができた重要な理由の一つは、大学で始まったことだ。大学では人間関係が濃密だ。多くの人々は一生のうちで大学時代に最も活発に友達と交流する。この事実をモスコヴィッツは彼らの運命を大きく変えた春学期に学んだ。モスコヴィッツは、ザ・フェイスブックのトラフィックから得られたデータを用いて統計学のレポートを書いた。そこで彼は次のような法則を発見したと述べている。
あらゆる大学において、すべての学生は2次以内のつながりで知り合いであった
つまり学生たちは平均するとたかだかひとりの媒介者を通じて知り合いであるということだ。
> ってことは、任意の二人選ぶと、共通の友達がいるということになる。そこまで狭くないよなぁ・・・。大学時代の友人のほうがFBでつながりやすいという傾向はあるが・・・。

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解任 マイケル・ウッドフォード オリンパス元CEO 1/4~生え抜き社長

私は21歳でオリンパス傘下のキーメッド社に入社して以来、オリンパスに30年の歳月を捧げ、思いがけなくもその社長となりました。当時、日本の有名企業では、日産のカルロス・ゴーン、ソニーのハワード・ストリンガー、日本板硝子のクレイグ・ネイラーらの外国人トップが活躍していましたが、私とこの3人には明確な違いがあります。彼らがそれぞれの事情で外部から社長になったのに対して、私は「生え抜き」の「サラリーマン」社長でした。私は会社に長年の忠誠を尽くし、世界の同僚たちと協力して身を粉にして働き、海外の販売会社、地域統括法人で利益を上げ、そして、2011年4月、オリンパス・グループを率いる社長になったのです。妻子をイギリスに残し、代々木公園近くの渋谷のマンションに単身赴任して、日本の優秀な「ものづくり」企業であるオリンパスの改革を前進させる使命を全うするつもりでした。
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ハイエク マルクス主義を殺した哲人 3/3~平和的商業主義

お金の自由こそが幸福の源 貨幣はこれまで発明されてきた自由の道具のうち最も偉大なものだ
計画経済は独裁的な方法を必要とするから、責任と権力を一人の統制者の手に委ねるべきであり、統制者の行動は民主主義的手続きから解放されなければならない、という計画主義の主張があります。そういう議論が出てくるとき、統制経済は生活の心配がないようにするものであり、ただ経済問題にだけ適用して他のことには関与しないとか、生活の不安がなくなりもっとレベルの高い価値を追求する自由を得るだろう、というようなことが、計画主義者の口から発せられるとハイエクはいいます。これは計画経済、統制経済の悪魔のささやきなのです。
「経済的動機」と呼ばれるものは「チャンス全般への希望」であり、お金は色々な目的を達成するための力への欲望を意味するに過ぎないとハイエクは説明しています。お金があったら外国に行こう、温泉に行こう、別荘を構えよう、子供を大学にやろう等々、そういう目的のためにお金が必要だということはいうまでもないことでしょう。もし、お金だけを純粋な目的とする人が居るとすれば、それは病的な守銭奴以外にないとハイエクに言います。また、世の中にお金があるから貧乏があるとか、お金を憎むというのは、手段と目的を取り違えています。そして、お金は最も広い選択の幅を与えてくれるものであり、自由の道具であり、自由の元だといっています。その裏づけとして「金銭的動機」のほとんどを「非経済的誘因」へ改めたらどうなるかを考えてみることを、ハイエクは勧めています。労働報酬がお金でなく表彰や特権、地位、食べ物、家、旅行、教育の特典といった具体的な形、つまり現物給付でしかもらえなかったらどうなるか。受け取る者に選択の余地がなくなってしまうのは明らかなことです。
> 僕もそうでした。高いマンション、ビジネスクラス、海外での日経新聞や携帯。「それ要らないんで金ください。」と思うと辞めるしかないよね。

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武富士対山口組 3/3~株式上場へ

彼が大蔵省銀行局長時代はサラ金地獄が社会問題化していた。サラ金など百害あって一利なしとたたかれた時代に、サラ金を消費者金融に脱皮させ、存続させることを説いて回ったのが徳田である。サラ金規正法と呼ばれる貸金業規正法が成立したのは彼が退官後の昭和58年だが、その路線を敷いたのは徳田だといわれる。彼は昭和61年4月から金融制度調査会の委員になる。前後して59年からは同調査会のサラ金業界などをあつかう消費者信用専門委員会の委員長を務めた。同委員会が昭和62年7月に発表した報告には「与信業者が株式上場を行い、良質な資金調達をはかっていくことも今後の方向」とうたった。サラ金は利息制限法の上限金利を上回る金利で貸付を行っている。しかし、同委員会の提言を持った「報告」は、株式公開の前提として利息制限法の遵守を位置づけていない。サラ金大手は、サラ金地獄のイメージを払拭すると共に、有利な資金調達を狙って昭和50年代後半から株式上場を企図していた。各社はサラ金地獄を背景に大手銀行がサラ金への融資を引き上げた苦い経験を持つ。だから、直接資金調達のできる株式公開を目指し、平成5年のプロミス、三洋信販、アコムを皮切りに店頭公開、上場にこぎつけた。

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ハイエク マルクス主義を殺した哲人 2/3~民主主義下の独裁

民主主義と社会主義にはたった1つ共通しているものがあるという指摘も紹介されています。ド・トクヴィルのいう共通点は「平等」という言葉のことです。ただし、言葉としては同じでもその中身は違っています。民主主義は自由において平等を求めようとするのに対し、社会主義は統制と隷属において平等を達成しようとしていると、それぞれの意味の違いを上手に説明しています。別の言葉で言えば、民主主義の自由は機会を平等にする自由で、社会主義は結果の平等だということになるでしょう。ところが平等と言う言葉が出たときに、社会主義こそが「新しい自由」をもたらす約束になったとハイエクは言います。自由と平等がいつの間にか一緒になってしまったのです。このことを「自由」という言葉の意味を社会主義者たちがたくみに変えてしまったとハイエクは非難します。
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武富士対山口組 2/3~ファミリー企業群

武富士の暗部を最もよく知る男が元同社渉外部長の藤川忠政である。藤川は昭和50年3月、国士舘大学経済学部を卒業した。当時の武富士は東京都、千葉県、神奈川県内に10支店を持つ小規模な金融会社で、社員数も100人前後だった。武井は大学を卒業したばかりの若者を相手に「武富士を日本一の金融会社にしてみたい」と熱い思いを語った。
顧客情報漏洩事件の黒幕は、東京・新宿区内にある金融会社「オーエムエフ」の経営者である岡村誠と武富士では見ていた。彼は埼玉大学を卒業後、二つの会社を経て武富士に入社。主に営業、財務畑を歩き常務、専務を務め退社。昭和63年に現在の会社を設立した。岡村の経営するオーエムエフ社は、中小のサラ金、消費者金融会社に資金を融資する、いわゆる「卸」の業者なのである。商売上、信用できる小規模貸金業者が増えれば増えるほど、それも息のかかった業者であればあるほど、安全な資金の貸出先が膨らむわけだから、岡村には願ってもない状況といえる。中小業者の経営にとっての難題は客集めである。そこで彼らは大手金融業者が抱える顧客リストを、ノドから手の出るほど欲しがる。名簿があればDM商法で顧客獲得が容易になるからである。岡村が顧客リストとワンセットにして武富士から大量の社員を引き抜き、系列の金融会社を20社近く作らせていると語る金融関係者は多い。逮捕者を出した前出のアーバンライフなどは、その一部である。
武井保雄の指示を受けた藤川忠政は顧問の福田勝一をともなって、顧客情報の窃取をそそのかしたという、いわゆる横領教唆の罪で岡村誠を警視庁に告訴した。貸し金の卸をしている岡村に資金提供していたのは、東京ドームの子会社である後楽園ファイナンスである。野球や遊園地を通じて子供たちに夢を売る東京ドームが、子会社を通じて、消費者金融会社にせっせと資金を貸し付けている事実はあまり知られていない。後楽園ファイナスの貸付額は、大手信用調査会社によると、ピーク時には約3200億円にもなっている。2003年現在は約2600億円程度と見られている。その代表的な貸付先は、アイフル、千代田トラスト(旧・本田ちよ)、アエル、三和ファイナンス、ナイスなどだる。岡村誠が経営するオーエムエフは後楽園ファイナンスから約400億円の融資を受けていると業界では言われている。オーエムエフの本社は新宿区四谷4丁目に立つ3階建ての豪華なビル内にある。岡村社長の息のかかった消費者金融会社もいくつか入居している。かつて、このビルの所有者は、金融会社「アイチ」だった。”マムシ”と暴力団からも恐れられた森下安道が一代で築き上げた街金最大手の居城である。あくどい商法で一世を風靡したアイチもバブルの崩壊が命取りとなって、平成8年には特別生産に追い込まれ、負債総額1820億円を残して事実上倒産した。

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虚構のアベノミクス

実質賃金の低下こそが、「アベノミクス」の本質だ。円安の負の側面のうち、とりわけ問題なのは電気料金の引き上げだ。

問題? 民は生かさず殺さず、民に無駄に金を渡しても何もならない。民は測度変換できないので円安は歓迎だし、名目しか見ない。良い政策だと思うよ。

国際収支で長期的に見れば、経常収支と資本収支の黒字の和はゼロになる。したがって、経常収支が赤字になれば、資本収支は黒字になる。つまり、海外からネットの資本流入になる。このことから、「経常収支が赤字になっている状態では、国内の資金が足りなくなっているので、国債の国内消化が困難になっているに違いない」と結論されるのだろう。しかし、それは、国債の国内消化が困難になっていることを意味するものではない。
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日本銀行は2013年4月に公表した「金融システムレポート」で、金利が一律に1%上昇すると、国際統一基準行の損失率は3.2兆円であるとした。なお、同レポートは、貸付などで得られる資金利益の変化も算出し、長期金利のみが上がる場合は、金利上昇幅に依らず、評価損を上回って資金利益が改善するとした。また金利が一律に上がる場合は、評価損が資金利益の改善幅よりも大きくなり、銀行の自己資本比率が低下するが「自己資本基盤が大きく損なわれることはない」とした。
日銀は一方において将来の金利が下がるというメッセージを送り、他方において金利が上昇するというメッセージを送っていることになる。

いやいや、物価上昇目標を掲げ、本来それに伴って上がるべき金利は、同時に国債を買って作為的に下げますと言っているのだよ。

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ハイエク マルクス主義を殺した哲人 1/3~全体主義とナチス

これ、日本人読んだほうがいいかも。
『隷属への道』の読み方 19世紀の後半からのおよそ100年間、世界で最も社会的影響力が大きかった本はマルクスの『資本論』であり、20世紀の中ごろから後半にかけて最大の影響力を及ぼしたのはハイエクの「隷属への道」だったのではないかと思います。別の言葉で言えば、世界に対して100年間に及ぶ大マインド・コントロールをかけたのがマルクスであり、そのマインド・コントロールを解くのに最も大きな貢献をしたのがハイエクである、といえるのではないでしょうか。
今日において社会主義とは、もっぱら課税という手段を通じて広範囲な所得の再配分を行うこと
「隷属への道」を執筆した時期、つまり戦争中においては、社会主義は生産手段の国有化と中央集権的経済計画化を意味していた。しかし、1976年の時点では生産手段、つまり産業の国有化の非効率はすでに広く認められるようになって、その方向へ進む危険はなくなったが、今度は課税という手段によって広範な所得の再配分を行うことを意味し、また福祉国家の制度を意味するようになってきている、とハイエクは言います。そして、社会主義的な政策の原理を改めないかぎり、その政策が良かれとやっている人が望みもしなかったような不愉快な現実がやってくるだろうと警告を発しています。
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イギリスが15年、20年の時差をおいて、ドイツの社会主義化のあとを追っている。第一次大戦に先立つ約30年の間のドイツの思想と実践が、そのころのイギリスの思想や政策に深い影響を与えたと、ハイエクは指摘します。ドイツにおける社会主義政策は非常に早く、19世紀後半のビスマルクの時代から始まっています。それが第一次大戦の敗戦後、いっそう強くなりました。そのドイツを考えればイギリスの未来がわかる。これは、学問・思想の面でドイツがイギリスやアメリカのアングロ・サクソン文化圏より圧倒的に進んでいたということです。19世紀の終わりごろから20世紀の第一次大戦ごろまでの間、ほとんどあらゆる分野においてドイツの学問が傑出していたと言ってもいいでしょう。英語学にしてもまともな英語学の8割くらいはドイツで研究されていました。極端なことをいえばシェークスピア研究までドイツが先んじていました。ドイツ人は昔「ウンザー・シェークスピア(われらがシェークスピア)」といっていたくらいです。
全体主義体制を樹立させた思想上の傾向は全体主義に屈したドイツのような国だけにあるのではなく、イギリスも着実にそちらのほうに向かっており、戦争に連合軍が勝ったときには、この基本的な問題に直面しなければならなくなる、とハイエクは予言しました。そしてこの予言は的中し、まさにハイエクがここで指摘したことが戦後のイギリスで起こりました。すなわち、労働党が勝って政権を握り、私有財産廃止のほうにば驀進したのです。「マクミラン報告」とは1931年に出たもので「人々の生活に対する管理を政府の第一の任務とみなすようになっている」「議会はコミュニティの日常的な事柄に対する統制を、その意図的な目的としてますます立法するようになってきており、以前には議会の検眼が及ぶ範囲内には、全く属していないと考えられていた様々な事柄にも介入するようになってきている」といった内容が記されています。この報告が出た1931年後半から39年にかけての8年間に、イギリス経済体制は全く異なったものへと変化したと、ハイエクはいいます。このイギリスに起きた変化を徹底的に追及すれば、ヒトラーやムッソリーニやスターリンになるわけですが、イギリスで1931年の段階でその変化が起こっていることに、我々は注目すべきでしょう。
ナチスの指導者が「国家社会主義は反ルネサンスだ」といったのは的確で、ナチスはルネサンス時代以来、西欧が営々として築いてきた個人主義文明というべき西ヨーロッパの文明を崩壊へ導く決定的な一歩だったとハイエクはいいます。個人主義は西欧近代文明の基盤だというのがハイエクの立場です。個人主義がエゴイズムだとかエゴセントリズムと混同されることで間違ったイメージが付加され、「皆でやりましょう」という集産主義-コレクティビズム-のほうがいいという方向に流れているところに、ハイエクは最も危険を感じました。
また、自由主義社会を発展させる重要な課題として、「貨幣制度」と「独占」をハイエクはあげています。これは依然として最大の問題であり続けていると思います。私が直接お話を伺ったとき、どの国でもどんなお金を使ってもいいという条約を作ったらどうかと、ハイエクは言っていました。そうするとどうなるか。戦後、ヨーロッパでは社会主義的な政策が強く、どこの国もインフレに悩んでいました。そういう無茶な政策をやっている国の通貨は暴落しますから、誰もそれを持ちたがらない。どこの国でも自国の通貨を持って欲しいから通貨の価値が下がらないように慎重な配慮をしなければならなくなる。通貨の価値が下がらないようにするにはどうするかというと、インフレ政策をとらない、そういう国が勝つわけです。つまり、社会主義的政策をしない国が勝つと言うことです。どこの国でも自由にどこの国の通貨を使ってもいいという話が、今、ヨーロッパでは現実にそうなりつつあります。
> ユーロの出現の予言というより、良貨とは何であるかを先んじて考えていたのだな。
2015.03.16 仮想通貨革命 ビットコインは始まりにすぎない 7/7~貨幣の非国有化
で野口悠紀雄さんの抜粋を読むかぎりでは、ハイエクの言っていることがおかしいように思えたのだが、予想通り、この本で読むかぎり、ハイエクの言っていることはうなずけることばかりだ。
【民族主義・闘争】
2014.06.19 実録ラスプーチン 2/8~怪物が登場した時代背景
2013.10.24 残虐の民族史 2/3 ~ジンギス汗
2013.03.11 藤原氏の正体 2/4 ~中臣鎌足とは? その出自
2012.12.07|殺戮と絶望の大地
2013.04.03 わが闘争 上 民族主義的世界観 2/7 ~ドイツ民族とユダヤ
2012.10.05|宋と中央ユーラシア 4/4 ~ウイグル問題
2011.08.17: 実録アヘン戦争 1/4 ~時代的背景
2011.05.10: 日本改造計画2/5 ~権力の分散と集中
2011.03.25: ガンダム1年戦争 ~戦後処理 4/4
2009.08.21: インド独立史 ~ナショナリズムの確立
2009.05.04: 民族浄化を裁く 旧ユーゴ戦犯法廷の現場から
2009.01.05: ユーゴスラヴィア現代史
2008.12.08: アラブとイスラエル―パレスチナ問題の構図
2009.08.14: インド独立史 ~東インド会社時代




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武富士対山口組 1/3~警察との癒着

武井保雄会長は広域暴力団山口組系後藤組の後藤忠政組長との交流と、彼に金銭を贈っていた事実を認める発言をしている。後藤忠政組長は、暴力装置と経済力を兼ね備えた山口組内でも実力派の組長である。彼は平成14年7月、山口組若頭補佐に昇進した。この役職は文字通り同組ナンバー2を補佐する最高幹部の一人で、山口組を運営する執行部の中でも組織の中枢に位置する。さらに平成4年5月、「ミンボーの女」の伊丹十三監督を襲撃したのは後藤組である。
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京都戦争の火種 昭和61年2月、武井会長と崇仁協議会藤井委員長との会談をきっかけに、武井の親族が100%出資するファミリー企業の徳式(中森修社長)とサンセイハウス、崇仁協議会の3者の間で不動産売買立ち退き(地上げ)に関する契約が締結された。当時、武富士の事業開発部長の職にあった藤川忠政は、京都府警に録取された供述調書の中で次のように説明している。「昭和62年12月22日付で地上げに関する契約の一部追加変更書を締結し、地上げ資金も280億5000万円に増額し、崇仁地区、約3300坪の地上げを進めました。」崇仁協議会の役員には会津小鉄会の元組員が名を連ねていることでもわかるように、非常に同会の色合いが強い団体だったが、山口組系中野会(当時)の勢力拡大に伴って同会にも急接近して行ったそうである。こうした崇仁協議会側の対応が、数年後、中野会の中野太郎会長襲撃事件を頂点とする、いわゆる”京都戦争”と呼ばれる中野会と会津小鉄会の流血抗争に発展していった。

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ハイデガー 存在の謎について考える

シリーズ・哲学のエッセンス という副題を見るべきでした。著者の方はハイデガーを理解しているのかもしれませんが、あまりにも平易に大衆迎合した書き方をしているので、逆に全然わからないという。
哲学と人生論はどう結びつくか
「存在そのもの」は、長く哲学研究の対象でした。実体、つまり、真に存在するものは何か。ただ偶然に存在するものと、必然的に存在するものとはどのように区別されるだろうか。絶対的な存在とはなんだろうか。神のような絶対的な存在と、存在するもの全体との関係とはどのようであろうか、といった問題が様々な形で考えられ、様々な可能性が議論されてきました。そこでアリストテレス「形而上学」を端緒として、これまでの存在論的な哲学理論を研究することで存在論を論じることが可能です。「存在」についてどのように考えられてきたか比較考察することで、「存在そのもの」がについてどのような解明が行われてきたか見ることができます。哲学とは別にもうひとつ、「存在そのもの」が非常に具体的で切実な問題となる場面があります。たとえば、自分が深刻な病にかかった場合や、身近に死を体験した場合などです。このように哲学理論と人生論という二つの側面があります。存在論とはそのどちらでもある、そのどちらでもなければならない、つまり、哲学と人生論という二つの側面を必然的に結びつけたところに、存在論の意味があるのです。

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溶ける 大王製紙前会長 井川意高の懺悔録 4/4~お金の作り方

ウィンホテルのロレックスショップでド派手な時計(1個300万円もした)を10個一気に購入した。お代は締めて3000万円也。ロレックス10個を質屋にもっていけば3000万円弱の現金になるかと思いきやなんと引取りの歩合は商品価格の45%だという。つまり1350万円だ。おそらくジャンケットがいくらか中抜きしているに違いないと思いつつ、バクチに狂っていた私は「最終的に全部取り返せばいいのだ」と深く追求はしなかった。
ブラックカードでこしらえた1350万円の種銭をもとに、私はバカラの大勝負に出た。借金3000万円をすべて取り返した上に、大幅な黒字に持っていくことができたのだ。そこで困ったのが質屋に持っていった時価3000万円のロレックスだ。こちらは勝負に勝って気をよくしているし、ギラギラのド派手なロレックスなど何の興味もない。ジャンケットのK氏には質流れにしてもらってかまわないと伝えた。買値が3000万円なのに私は1350万円しか受け取っていないわけだ。いくら何でも差額の1650万円がもったいなさすぎるということで、K氏から質流れに猛反対された。質屋からロレックスを10個回収してきてくれたK氏は、その中のピンクゴールドの時計に興味を惹かれたようだ。もともと質流れにしようとしていた時計の代金をいちいち徴収するのもせせこましい。彼にピンクゴールドのロレックスをポンとプレゼントした。残ったロレックスの時計はどうしたかと言うと、仕方が無いので日本に持ち帰ってきた。当然のことながらこれは税関で引っかかる。だが意外なことに2000万以上もの時計にかかった関税は10万円程度だった。このロレックスはマカオと日本を行ったり来たりしながら最終的に質屋へと還流していった。
無用の長物となったアメックスのチタンカード ブラックカードと言うとVIPや大金持ちの象徴としてあこがれの対象とされる。世の中にはブラックカードを超えるさらにVIPなカードがある。あるとき私はアメックスからチタンでできたクレジットカードを支給された。チタンでできているだけに金づちで叩いたくらいではこのカードはびくともしない。必要なくなったとしても、ハサミを入れることもできない。カードの後ろには磁気テープがついているのだが、なにしろチタンだけにATMで使うことすらできないのだ。「これは何のためにあるカードですか。キャッシングや買い物の枠が増えるとか、グレードアップされるのでしょうか?」と尋ねてみたところブラックカードと機能は変わりないという。カード会社の担当者が少々困った口調で、「お客様の中にはウォレットをズボンのお尻のポケットに入れているときにカードが折れてしまうという方もいるものですから…」と答えたのには笑ってしまった。本当はステイタスとしてこういうものをありがたがる者がいるため、カネ持ちの権威付けとして存在するのだと思う。
11年9月7日、大王製紙の連結子会社7社から資金を借り続けていた事実が社内メールの告発によって発覚してしまったのだ。就任からわずか数ヵ月後の9月16日、私は大王製紙会長を引責辞任した。大王製紙の連結子会社は海外に2社、国内には全部で37社ある。これら連結子会社のうち、7社から資金借り入れを行った(大王製紙本体からは資金は借り入れていない)。これらの7社ではいずれも私が代表取締役を務めていた。国内の連結子会社37社のうち、31社までは井川家、ならびに井川家の個人会社が過半数の株を所有している。その中でも特に私や井川家の持ち株比率が高い会社を選び、以下の1~7から借り入れを進めていった。合計106億8000万円。巨額の資金は「LVSインターナショナルジャパン」というカジノ会社に直接送金した8億5000万円を除き、すべて私個人名義の預金口座に振り込まれ続けた。

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エンロン内部告発者 6/6~最後

エンロンが様々な会社への株式投資をヘッジするために作ったラプター(ファストウによる出資による)は、エンロンから数億ドルも借り入れていた。ラプターはコンティンジェントなエンロン株(特定の事実が発生したときに効力を持つ株)で出資されていた。7月には株価は40ドル台後半と前年には考えられない水準まで下げていた。ラプター株も連れて下げると、エンロンはラプターを支えるためにどんどん株を注ぎ込まなければならない。このためすでに数億ドルを投入していた。ファストウがそんなにリスクの大きいハイテク株のヘッジを、自分のファンドで提供したことが意外だった。しかし今や事態が理解できた。ファストウはたった3%しかリスク・マネーを投じていないのだ。残りのリスクはエンロンの責任なのである。
アーサー・アンダーセンの会計士たちは、大きな会計上のミスに気づいていた。2001年の第1四半期にラプターを再編成したときに誤りを含む決算を承認していた。エンロンはラプターに12億の預り証と引き換えに12億ドルコンティンジェント普通株を投入していた。アンダーセンはこの額を誤って費用ではなく受取手形(資産)に計上してしまった。この誤りは2回の四半期の間見過ごされていたが、第3四半期になってこの12億ドルを減資しなければならなくなった。すでにスキリングの退任で会社に疑念の目が集まっている。どうすればうまくやれるだろう?まして株価が36ドルから30ドル近辺まで下げているというのに。レイのたゆまぬ売込み努力によって株価が持ち直すかと思われた矢先の9月11日の朝、オサマ・ビン・ラディンの手先にハイジャックされた二機の民間航空機が世界貿易センタービルに突っ込んだ。ニューヨーク証券取引所は翌週まであかなかった。再開した市場では全銘柄がまっさかさまに落ち、エンロン株も25ドルになった。
2001年11月8日、エンロンは8KレポートをSECに提出した。「この裁縫国は2001年9月までの9ヶ月間の開示済み決算報告には影響しません」文書はそう述べていた。しかし、ビジネスマスコミは鵜呑みにしなかった。ザ・ストリート・ドット・コムは「エンロンの再報告は不十分」と見出しを立てて、修正報告にはLJM1のみが反映され、LJM2について、特に厄介なラプターのビークル類については反映されてない、と暴いた。その日、エンロン株は8.41ドルまで下げた。
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エンロンは今や投資不適格と格付けされる危機に直面していた。もしそうなれば様々な簿外ビークルの負債即時返還条項が働くことは経営陣の誰もが知っていた。ワーレイ、マクマホンはオマハに飛んで、バフェットがもう一つの救済劇に興味があるかと打診した。返事は連れなかった。エンロンがどうやって金を儲けているのか、バフェットにはついぞ理解できなかったし、ヒューストンの投資家フェイズ・サロフィム同様、彼は自分が理解できるビジネスにだけ投資するのだった。

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ハイデガーの思想 4/4~現存在の時間化

存在了解にせよ世界内存在にせよ、現存在において現在・過去・未来といった時間の場(ホリツオント)が開かれることによってはじめて可能になる。つまり、現存在において存在という視点の設定が行われるのも生物学的環境を超越して世界が構成され、現存在がそれに開かれるのも、現存在がおのれを時間として展開すること、おのれを時間化することによってはじめて可能になるのである。というよりも、もともと現存在が現存在として存在するということ、つまり人間が人間になるということは、そこに現在・過去・未来という時間の場が開かれるということなのである。ハイデガーが「現存在の存在は時間性である」というのは、この意味に他ならない。「存在了解は時間性を場にして行われる」というのも同じ意味である。存在了解こそが現存在を現存在たらしめるものであるし、その存在了解、つまり存在という視点の設定は現存在が己を時間化することによって可能になる。
「存在と時間」の第一部、ことにその第一、二篇は準備作業だといったが、そもそもそれは何をどのように準備するものだったのであろうか。まず一方で、現存在が存在了解の場だということ、つまり存在という視点の設定が行われる場だということを論証し、他方で、現存在の存在が「時間性」だということ、つまり現時のうちに差異化が起こり、未来と過去という次元が開かれてくる時間化の働きこそが現存在の存在を成り立たせていることを明らかにする。その上で、存在了解と時間性のあいだに密接な連関のあること、つまり存在了解が時間性を場(ホリツオント)にして行われることを示す-これが第一部第一、第二篇の仕事である。時間化の働き(ツアイテイグング)という概念は動詞にすると「おのれを時間化する(ジッヒ・ツアイテイゲン)」であり、いわば「おのれを時間として展開する」あるいは「時間として生起する」といったほどの意味である。ところで先にも述べたように、ハイデガーは現存在がこのようにおのれを時間化し、時間として展開する仕方は決して一通りではなく、そこに本来性・非本来性が区別されると考えている。この本来性・非本来性は何か道徳的ないし宗教的基準で計られるわけではなく、あくまで構造的な違いなのである。つまり、現存在がおのれを時間化するに際して、おのれに与えられた構造をどの程度満たしているか、ことにおのれの可能性とどのように関わり合い、どのくらいの射程で未来の次元を開くかによって、それは計られる。ハイデガーによれば、本来的時間性においては、その時間化はまず未来への先駆として生起し、そこから過去が反復され、そして現在は瞬間として生きられる。ここでは未来が優越し、3つの時間契機が緊密に結びついている。

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溶ける 大王製紙前会長 井川意高の懺悔録 3/4~カジノの仕組み

最近の麻雀はデータの統計もしっかり取られていて、一発ツモの確率まで計算されている。一発ツモの確率とはある統計では約10%だそうだ。ところがツイている者は半荘の間にリーチを4回かけた際、4回中3回も一発ツモしてしまったりする。そのプレイヤーが一発ツモを仮に3回連続で引いたとすれば、0.1の3乗、つまり1/1000の確率を引いている計算になる

いや、ならないんですってw
4回リーチをかけて3回連続一発を出す確率は、仮に一発ツモが10%だとしたら、1/1000×2-1/10000だから約1/500だ。さらに参加者が4人居て、4人が同様に4回リーチをかけているとすれば、一発ツモを引く奴が現れる確率はさらに約4倍。一晩で5半荘やるとしたらまた約5倍。すると約1/25まで確率は高まる。これが数学的に計算される「必然の偶然性」である。井川さん、もしよろしれけば、私、特別講師として一度お伺いいたしますよ。

ザラ場で何百万円、何千万円をかけて大勝負する客はそう多くは無い。1香港ドルから遊べるスロットマシンもあるため、そこで粘れば数千円で何時間も遊ぶこともできる。そうした観光客を目当てにしていてはカジノの収益はさして上がらない。ではどこでカネ儲けをしているのか。それはVIPルームに乗客を呼び込み、高待遇をしながらドンドン金を投入させるのだ。VIPルームとは、ホテルの上階にあるスイートルームのような場所だとイメージしてもらえばいい。VIP客の場合、入り口も駐車場もほかの客とは別の場所に設置されている。専用エレベーターで人目につかないように部屋に直行できる。賭け金が小さいザラ場はいわばブティックにおけるショーウィンドウのようなものだ。芸能人や有名実業家であればなおのこと人目につかないところで勝負したがるものだ。

Wynnだけでなく、どこのカジノでも“カジノの売上”(=純カジノ収益=客の負け分の総和)は大半がハイローラーによるものであることは10K(米国の有価証券報告書)から読み取ることができる。数学的に必ずプラスになるように担保された”カジノの売上”と異なり、カジノの収益は、売上からいかに人件費などの運用コスト、ホテルの建設費用などの金利負担を減らせるかという厳しいもので、「カジノの収益=カジノ産業の純利益」は数学的にまったく担保されていない。クレジット(債券)に詳しい者は、米国カジノ産業は永遠のハイイールド債の供給者であることからもカジノビジネスが如何に厳しいか推測することができるだろう。

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エンロン内部告発者 5/6~電力自由化の下の悪意ある供給者《超重要、読め》

カリフォルニア州の市民の生活はダボール発電所があるインド・マハラシュトラ州のそれに似始めていた。停電は頻発し、電力価格はうなぎ上りだった。カリフォルニア・エジソンは5億ドルの債務が履行できなかった。カリフォルニアは経済的、社会的混沌に陥っていた。しかしテキサスの電力トレーディング大手であるエンロン、エル・パソ、リライアント、ダイナジーなどは有卦に入っていた。各社の利益は前年比100~400%増で彼らはこれを努力の賜物と主張した。テキサス人は利己的で緩みきったカリフォルニアの市民の因果がめぐったとおもっていた。エンロンはワシントンに根回しをしていた。最も心強かったのは、エコノミストの上院議員夫妻フィル・グラムとウェンディだった。エンロンの取締役会に参加する前の1992年、ウェンディはエネルギー先物契約を政府監視の対象から外した。夫は今や、2000年12月のコモディティ先物現代化法案によってエネルギー・トレーディングを規制緩和すべく活動中だった。この法案には強い反対があった。その主勢力は大統領の経済市場諮問グループでそこには財務長官ローレンス・サマーズ、連邦準備局のアラン・グリーンスパン、SECの会長アーサー・レビットらが名を連ねていた。エンロンはこの法案のために200万ドル近いロビイング費用を払い、一方グラムはクリントン政権の末期に不利だった法案をいったん引っ込めあたためていた。ブッシュが政権につくとグラムは同法案を新たな名前で再提出し、首尾よく成立させた。エンロンはトレーディングについて大きな自由を得た。エンロンがどれだけの電力を持っており、どこからどこへ、なぜ、どのように電気を動かしているかは、もはや誰に知られる必要も無かったし、そうする手段も無くなった。2000年のハイテク株失速にもかかわらず、エンロンは90年代の最後の3年間に22ドルから72ドルへと挙げた。
> 電力自由化の先駆けだぞ。安易な電力自由化賛成論者はよく読んどけ。
> しかもその時、私はちょうどカリフォルニアに居た。オイル価格が高騰しているから電気代が上がったと聞いていたが、背後にはエンロンの悪さも要因の一つであったとは…。
90年代半ば、カリフォルニアは電力の規制緩和に踏み切った最初の州となった。きっかけは企業が群れをなして州から去っていき、壊滅的な不況をもたらしたことだった。法外な収税に加え、高いエネルギーコストも原因のひとつだった。規制緩和は、旧弊で甘やかされて、搾取的だった電力会社を懲らしめ、1998年には電力のユーザー単価を10%下げるはずだった。問題はどこにも無いように思われた。しかしこの解決法は、結局、事態をより悪化させた。カリフォルニアはエネルギーの卸売りを規制緩和し、小売面では価格キャップ性を維持した。同時に電力会社に長期固定価格(したがって割安)で電力を購入することを禁じ、不安定なスポット市場への依存度を高めさせた。失敗の舞台装置は揃っていた。電力会社は発電会社に大金を払いながら、その費用を利用者に転嫁できなかった。エンロンは電力をもっと効率よく供給するためによりクリーンで安い燃料を使う発電所を建設する、と約束した。この市場でエンロンが必ずしも善玉ではない証拠はいくつかあった。その一つは1999年五月、同社の会計部門が収益計上に苦しんでいた頃に起きた。それはのちにシルバー・ピーク事件と呼ばれる。
1999年5月24日の事件が起こった。ベルデンは莫大な電力を古い送電網を使って送ろうとした。15メガワットの送電線に、1900メガワットの電力を通そうとしたのである。そんなことをすれば送電網に負担がかかるのは当然だった。カリフォルニアは過負荷への自動反応システムを備えていた。州内の全サプライヤーに電気信号が発信された。この電線を使うつもりですか?それを中止して線をあけることはできますか?そうしてくれたらお金を払います。この日、カリフォルニア・インディペンデント・システム・オペレーターのある人物がたまたま電線を監視していた。彼女はなぜこんなに細い電線越しに大電力を送り込んでいるのかと訝しがった。「本当にこんな送電をしたいのですか?」彼女はこれは事故ではないのかと思い、確認の電話をした。ベルデンが意識的な行動だと認めたとき-「ええ、当社がやったことですよ」-彼女はいっそう不審に思った。「どうしてですか?」「ええと、まあ、そうしたかったからです。別に隠すわけじゃないけれど…」 オペレーターは「ずいぶんおかしな配電スケジュールですね」と言った。ベルデンは同意した。それだけに送電網の規制当局に報告しなければならないと思った。この送電は「無意味」に思えたからだ。
しかし、エンロンにとってこの送電は無意味ではなかった。ベルデンの行為によって送電網には負担がかかり、その日の午後には電力価格が70%も跳ね上がったからである。州の電力交換当局の調査委員会はこの事件を調べ、1年後、ベルデンに25000ドルの罰金を課した。無意味な罰金だった。その日エンロンは1000万ドルを精算し、州の電力ユーザーは約500万ドル余計に支払わされたからである。カリフォルニアの無人自動システムは、完全に電力供給会社の善意のもとに成り立っていた。しかし彼らは善意の人々ではなかった。ベルデンのようなシステムの悪用者は、これを新手のゲーム、つまり常に「当たり」になったままのスロットマシンにした。彼やその同類は、州の規制当局から不正を見つられた時はいそいそと罰金を支払った。
規制当局が気づいていなかったのは、ベルデンが単独犯ではなかったことだった。2000年6月、規制緩和によって安価で良質なサービスを得ているはずだったカリフォルニア州の市民は、そのどちらも得られなかった。州内の電力卸売価格は30%も跳ね上がり、これは電力を供給するテキサスのエネルギー会社-リライアント、エル・パソ、ダイナジーそしてエンロン-らを狂喜させた。エンロンやその競争相手は口では規制緩和について安い価格、選択の自由そのほかを約束していたが、金を儲けるためには安定供給ではなく安定不安が必要であることを知っていた。安定した市場では誰も電力供給を気にしない。電灯はいつもつくし、エアコンが働かないことも無いからだ。しかし電力供給に不安があると顧客は気をもみ始め、供給が細るにつれて家庭生活や事業運営に支障が無いよう、いくらでも喜んで払うようになる。一方顧客の怯えにつけ込んでより多くの、そしてより長期の電力購入契約を取る企業は、安定的な電力の供給者よりもずっと儲けられる。
2000年秋、カリフォルニアの主な電力会社は問題を抱えていた。電力不足なのに規制緩和のために依存を深めていたスポット市場は価格が高すぎて手が出なかった。電力会社は高コストを顧客に転化させてほしいと主張し始めた。立法府に拒まれるともはや残る手段は供給制限のみだった。カリフォルニアは、その後、連邦エネルギー規制委員会(FERC)に電力卸売価格にキャップをするよう請願した。FERCがこれを認めると売り惜しみをしていた州外の電力供給会社は姿を消した。2000年12月、状況は危機的だった。この月、同州は初めての第三段階「ローリング・ブラックアウト」を経験した。つまり予備電力がそこを尽きかけたのである。州の規制当局は慌て、州外の電力供給会社を呼び戻すために、FERCの価格キャップを外すよう要請した。供給会社は以前にも増して高い請求書を手に戻ってきた
しかしヒューストン本社の弁護士スティーブン・ホールは心配し始めていた。彼は10月に社の電力トレーディング事業を調べ始めた。カリフォルニア公益委員会の調査を受けたからである。調べれば調べるほど、不安は増した。エンロンは電力線にわざと過負荷をかけたり、価格キャップを逃れるために電力を州の内外に移したり、履行していないサービスの料金を請求していた。これらの手法はISO規約違反であるばかりか刑事犯罪であるという警告だった。
カリフォルニアの状況は価格キャップ制の廃止とエンロンの行動のために、改善しなかった。それどころか事態は悪化の一途をたどった。2001年1月中旬、カリフォルニア・エジソンは5億9600ドルの電力会社への支払いと債券の償還ができなくなり、ローリングブラックアウトは北カリフォルニアにも広がった。すなわちシリコンバレーとその周辺地域である。グレイ・デイビス州知事は緊急法案を起草して、州が電力を買い上げられるようにした。これによって恩恵を受けたのはテキサスの電力会社だけだった。今や彼らは、憐れな州職員を相手に高値で長期契約を交渉できた。電力料金は1月と3月に延べ40%値上げされた。4月にはパシフィック・ガス&エレクトリックが会社更生法適用を申請した。

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2015.02.10 仮想通貨革命 ビットコインは始まりにすぎない 2/7~通貨の信認
2014.08.18 グーグル秘録 完全なる破壊 1/7~君達は魔法をぶち壊しているんだ
2013.08.08 ジャカルタ・リラクゼーション・アワー 6/16 ~優秀な日本政府、真・国家予算の無駄遣い
2012.10.12 知られざる通信戦争の真実 NTT、ソフトバンクの暗闘
2012.06.18|ウォールストリートの歴史 1/8 ~独立戦争直後
2011.12.19: 日本取引所の独占者利益はあるか?
2011.12.06: 東証と大証が経営統合 大証は48万円でTOB
2011.08.12: 8/11 かば子決定 天才がデザインしたかば子
2011.08.02: プロ向け市場「TOKYO AIM」一号案件 上場後値段つかず
2011.05.06: 先物・オプションのブローカレッジリスクはトレーダブル
2010.05.12: 中国株先物が取引が開始
2010.05.07: 二代目、カジノに新風狙う マカオ ローレンス・ホー
2010.04.22: 東証アローヘッド導入のインパクト
2009.09.01: バイナリーオプションの性質から読む市場拡張性
2009.07.14: Globalizationの悪
2008.12.15: 年末ジャンボ ~富くじにおける分散の値段
2008.08.01: Gambler心得
2008.03.14: 上海旅行 最終日 ~株式投資の原点 地場証券にて






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ハイデガーの思想 3/4~本質存在と事実存在

存在了解 存在とは何か。
ハイデガーは少なくともこの時点で、この問いへの-たとえ後に修正せざるを得ないものである-明確な答えを出していたはずである。ただそれを述べるはずだった下巻が書かれないでしまったので、その答えもついに表に出されずに終わってしまった。謎めいた、あるいは思わせぶりなヒントが散在するだけである。しかし、これが分からなければ彼の言うことはほとんど理解できないことになろうから、なんとかその散在するヒントから無理にでも引き出してくる必要がある。一つの手がかりは、「存在は存在者ではない」ということである。存在とは、いわば存在者を存在者たらしめるものであるから、それ自体は一個の存在者ではありえない
「現存在が存在を了解するときにのみ存在は『ある(エス・ギプト)』」
「存在は了解のうちに『ある(エス・ギプト)』」
「現存在が存在するかぎりでのみ、存在は『ある(エス・ギプト)』」
『ある(エス・ギプト)』とルビをふったのは、これが『存在する(ザイン)』という意味での『ある』ではないということを示そうとしてのことがある。もしこれが『存在する』という意味での『ある』だとすると『存在』がふたたび『存在するもの』『存在者』になってしまい、『存在は存在者ではない』という原則に抵触することになる。それを避けようとしてハイデガーは存在に関しては『ある(エス・ギプト)』を『与えられる』と読み替えてくださっても良い。これらの命題は『存在』は現存在の行う『存在了解』の働きのうちにあるのだ、ということを言おうとしているのである。
第二部の第一篇ではカントの「純粋理性批判」の図式機能論と時間論が次いで第二篇ではデカルトと中世スコラ哲学の「存在概念」がさらに第三篇ではアリストテレスの「時間論」が検討されるはずであった。しかしこの題材の選び方はどう見ても適当ではない。第二部全体の主題からすれば、ここではあくまで伝統的存在論の存在概念の検討が行われるべきなのであるから、カントの時間論やアリストテレスの時間論を話題にするのはおかしいのである。ハイデガーもそれには気づいていたのだろう。第一篇のカント解釈、つまりカントの「純粋理性批判」は存在と時間という問題設定の間際まで迫りながらそこに至りつけなかったと見るカント解釈は2年後にそれだけ切り離して「カントと形而上学の問題」(1929年)という独立の著作に仕立て上げられている。これは妥当な措置であった。西洋哲学氏の展開についてすでにかなり明確な見通しを持っていたはずのハイデガーがなぜこんなに不適切な題材の選び方をしたのか、これが私には長い間不思議だったが、最近少しそのわけが分かってきた。この時点ではいわばまだ無名だったハイデガーは、自分の持ち出そうとするあまりにも大胆不敵な考えにためらいを感じて、逃げをうったのではあるまいか。後年ある講義の中で彼は、下巻に当たる部分も当時すでに印刷されてはいたのだが、それをヤスパースに読ませたらさっぱり分かってもらえなかったので出版を断念したと言っている。ヤスパースが理解できなかったのも、おそらくためらいからひどく曖昧な書き方をしていたせいではないかと思う。私も、この時点でハイデガーが下巻にあたる部分、ことにアリストテレスの存在概念の分析を同時に発表していたら、果たして学会に受け入れられたかどうか疑問に思う。「存在と時間」上巻があれほどの成功を見た後とは話が違うのである。

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溶ける 大王製紙前会長 井川意高の懺悔録 2/4~経営者として

経営者として心がけたことの一面を抜粋すると、きわめて真っ当なことをおっしゃっており、非論理性=感情が支配する日本のビジネスの現場で苦労なさっているのが分かるw
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「大王製紙は過重労働がひどすぎる」 業界の中にはそう揶揄する人もいるが、確かに大王製紙従業員の物理的な労働時間はそれなりに長かった。そのためか新卒採用者のうち、3年のうちに辞めてしまう者がずいぶんいた。だが、花王だろうがユニ・チャームだろうが、優良な企業は適当に働いて利益を出しているわけではない。現在で言えば、好調といわれるユニクロにしてもDeNAにしても、社員はみな必死になって働いていることだろう。労働時間が長かったり、仕事内容がハードだからといって、単純に「ブラック企業」と言う一部の論調には違和感を覚える。ラクをして利益を出せるほど、ビジネスは甘くない。
長時間会社にいたからといって、労働時間に見合った成果を挙げているとは限らない。現に就業時間内に仕事をピシッと終わらせた上で、人よりも高い成果を上げている社員はいる。ビジネスは根性論で語っていても仕方ない。数字を冷静に分析し、正しい戦略と方法論を実行できれば収益を上げられるのだ。
大王製紙の経営者として、私は空虚な言葉だけの議論を徹底的に排除することにこだわった。会議の席上、こんなことを言う人間がたまにいる。
「コストを徹底的に削減し、営業部員との意思疎通、コミュニケーションを密にします」
こういう抽象的な言葉が飛び出したときには、私はすかさず具体性を問うようにしていた。「『コストを徹底的に削減』ってどこのコストをいつまでにいくら削減するの? 『営業部員との意思疎通、コミュニケーションを密にする』ってメールを毎日1通は必ず送ると言う意味?それとも週に1回は必ず直接あって話をする?」 美麗な言葉を口にしてその場をごまかそうとする人間は、このような指摘をされると、とたんに言葉が詰まってしまう。「コミュニケーションを密にする」など、何も言ってないに等しい。「テレビ会議でもかまわないから、週に2回は必ず開発部と営業部の会議を開く」といったように具体論を述べなければ仕事は先へは進まないのだ。日本人が使いがちな「徹底的に」「とことん」といった情緒的な言葉も要注意だった。

井川さんの言ってることはまともなんだけど、日本人は感情の生き物だから「コイツ嫌い」とか思うと言うこと聞かなくなっちゃうんだよねw 俺も「えっ仕事でしょ?嫌いって何?」と思うんだけど、その民族性は変えられないね。都構想がどうのじゃないの。橋下なんか嫌だで民は反応するものなのだ。

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エンロン内部告発者 4/6~電力トレーディング

1998年第一四半期、トレーダーらは試行錯誤の果てに、トレーディングの規模を拡大すればもっと金が稼げるという感触を得ていた。スキリングは同意し、トレーダーらのポジション制限を引き上げ、より大きなリスク投資ができるようにした。トレーダーたちは契約によって十分な電力を手当てし、送電網の要衝も支配して大きな儲けのチャンスを待ち続けた。それが訪れたのは1998年6月だった。中西部の発電所のいくつかが、7,8月の需要期を控えて、改修のために操業を停止した。しかしこの年はちょっと勝手が違った。猛烈な熱波が例年より早く襲来したのである。同時にバックアップ電力を供給するはずだった発電所の操業が台風で停止した。電力供給は瞬く間に逼迫し、価格は急騰した。小規模な電力会社は資産ショートに陥った。つまり相場が上昇する中で電力が購入できず、供給契約を履行できなくなったのである。通常なら長期契約の下でメガワット・アワー当たり20ドルから40ドルほどで販売される電力がいきなり500ドルにもなった。中小電力会社が供給義務履行不能に陥ると、本物のパニックが起きた。ブラックアウト(大停電)の恐怖の下で、電力価格はものの数分間で7500ドルにも急騰した。かつてならこうした地域的な供給不安が発生すると電力会社同士は常識的な価格で電力売買して融通した。しかし98年の夏には、紳士協定もマナーも遠い昔に姿を消していた。
しかしエンロンにとってはこれは7月のクリスマスだった。安価な電力を持つべき場所で持っていたのだから。あるトレーダーは、一日で6000万ドルを売り上げた。中西部の電力危機はわずか数日で終わったが、エンロンはそれからも長い間、利ザヤを取れた。小さな電力会社は破産した。ケンタッキー州最大の電力会社LG&Eはこの一週間の電力危機のために2億2500万ドルの損失を計上し、電力トレーディング事業から手を引いた。オスカー・ワイアットの会社コースタル・コーポレーションは1460万ドルの損失を出した。ダイナジーそのほかの会社は規制当局に価格統制を懇願した。市場操作の噂も報道された。しかしエンロンはそんな泣き言は言わなかった。中途半端な規制緩和がこの価格高騰の原因のひとつだと主張し、この電力危機を更なる規制緩和を求める材料に使ったのである。
エンロンは米国で4つの発電所を運営していたが、これらは規制電力事業ではなく、様々な州法や連邦法によって運営を任されていた。例えばテキサスの発電所は「認定施設」扱いだった。これは別の規制電力会社の事業地域で、地元の規制当局から特別許可を受けて発電所を運営するという立場である。しかしエンロンが電力会社になってしまうと-ポートランド・ジェネラルを買収すればそうなる運命だった-こうした発電所は認定施設の扱いを取り消されてしまう。そうなれば負債契約条項違反になり、それぞれの発電所に残る膨大な負債-数百万ドル規模だった-は、すぐに返さなければならなくなる。したがってファストウの使命は、エンロンをこれら発電所の所有者ではなくす道を見つけることだった。

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ハイデガーの思想 2/4~書かれなかった下巻

アメリカの文学批評家ジョージ・スタイナーは1918年から1927年までの10年間にドイツ語圏出された一群のほんの織りなす星座のうちに「存在と時間」を据え、それらの本に共通する性格を捕らえることによってこの時代の独特の気分を見事に浮かび上がらせている。その一群の本とは、エルンスト・ブロッホの「ユートピアの精神」(1918年)、オズワルト・シュペングラーの「西洋の没落」第一巻(1918年)、カール・バルトの「ロマ書」注解所版(1919年)、フランツ・ローゼンツヴァイク「救済の星」三巻(1921年)、アドルフ・ヒットラーの「わが闘争」2巻(1925,1927年)、それに「存在と時間」上巻(1927年)である。ルートウィッヒ・ウィトゲンシュタインの「論理哲学論考」(1922年)、ジェルジ・ルカーチの「歴史と階級意識」(1923年)を付け加えても良いと思っている。
シュペングラー
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スタイナーはこれらの本に共通するいくつかの特徴を挙げる。これらの本が利用可能なあらゆる洞察を総動員して、世界史の全体について何か統一的な見方を提示しようとしていると言うことを意味する。次にこれらの本はすべて何らかの意味で予言的・ユートピア的著作だと言うこと、そしてそこから帰結するのはこれらの本がいずれもある意味で黙示録的だということである。ユダヤ教やキリスト教において「黙示録(アポカリプス)」と呼ばれるのは、現世の終末と来るべき世界についての神の秘密の教えを告知する文書のことである。第一次大戦の敗戦は、ドイツ人にとって単にドイツ帝国の崩壊を意味するだけではなく、2000年来の西洋文明の終焉、つまりまさしくシュペングラーの言うような「西洋の没落」として受け取られた。スタイナーはこれらの本には一様にそうした終末論的・黙示録的雰囲気がみなぎっている、と見るのである。ところでこうした性質は暴力的性格と結びつく傾向がある。それは徹底した否定を目指す暴力であり、弁証法的に肯定を生み出すようなヘーゲル的否定ではない。「神は世界に永遠の拒否を告げる」というバルトの暴力的な宣言、人間の心や社会のうちに現存する一切の秩序の転覆を図るブロッホの「ユートピアの精神」、シュペングラーの「西洋の没落」にひそむバロック的暴力、「わが闘争」に見られる絶滅することによる悪魔祓いの戦略、ハイデガーの思索に核心に潜む「無化(ニヒデン)」の働き、これらは人類の歴史と希望に向けられた徹底した否定の多様な現れである。「論理哲学論考」こそ-「語りうるもの」を明確に語るための理想言語の提唱だけではなく、「語りえぬもの」については沈黙すべきだと言うその厳しい禁令を含めて考えるなら-もっとも過激な言語革命の企てであるし、「歴史と階級意識」は、ルカーチ自身が後年その「黙示録的」な性格を指摘し、そのゆえの失敗を認めているからである。

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溶ける 大王製紙前会長 井川意高の懺悔録 1/4~疑惑の数学的センス

マリーナ・ベイ・サンズは単なるリゾートホテルではない。このホテルの中にあるカジノでは、ギャンブラーたちが大金を手にするべく、日夜しのぎを削っていた。なぜ私がこのゴージャスなホテルで20億円分ものチップを積んで勝負に挑まなければならなかったのか、それには理由がある。10年5月以来、私は大王製紙社長としてグループ企業から巨額の資金を借り入れる裏技を常態化させていた。その大半は、すでにマカオのカジノ「ギャラクシー」や「ウィン・マカオ」で失ってしまっている。11年5月の時点で、グループ企業から借り入れたカネの総額は実に50億円を超えていた
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バカラで5時間かけて勝負した結果、500万円が1000万円に膨らんだ。ならば10時間かければ1000万円を2000万円にまで増やせるはずだ。運とツキさえ回ってくれば、500万円を5億円に増やすことだってできる。現に150万円を4時間半で22億円にしたことだってあるじゃないか。目の前にある20億円を30億円、40億円にまで増やし、今までの借金をすべて取り返すことだってできるはずだ-」
運と偶然性のみが支配するバカラの勝負に、私は全生命をかけて挑んだ。目の前に積まれた20億円によって、カジノ史上誰も成功させたことがない奇跡を呼び起こすのだ。そして私は伝説を作る。目の前で開きかけた地獄の釜を、わが強運によって轟音高らかに閉じてみせる。だがひとたび開いてしまった地獄の釜の蓋は、二度と閉じることはなかった。48時間の死闘が終わったとき、私は煮えたぎる溶鉱炉のごとき奈落で溶解していた。

確かに伝説の男にはなりましたけどね…。カジノ史上誰も成功させたことがない奇跡は来ないんですwだってご自身で書いている通り、20億円の勝ちを手に入れるまで100億円かかったでしょ?

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エンロン内部告発者 3/6~会計士と評価方法

アーサー・アンダーセンは1913年「真っ当に考え、率直に話す」をモットーに、監査法人を設立した。大恐慌の間、同社は企業幹部のためではなく、株主のための監査で名を上げていった。アーサー・アンダーセンの監査と言えば、非の打ち所のない財務諸表の代名詞になった。しかしやがてその評判は大きく変質していった。例えば1950年代に、同社のあるエンジニアは重要な発見をした。コンピュータを使って簿記を自動化したのである。同社はこの方法を顧客にも教えるようになった。この結果、同社はコンサルティング業に傾倒した。80年代の競争激化のなか、監査料金は下がっていき、アンダーセンは新たな収益源を探していた。同社のパートナーたちは、コンサルティング業務を監査業務に接木する必要に迫られていた。1990年代、これは非常に素晴らしいアイデアに思われた。実際、監査の売上は横這いだったが、コンサルティングは急発展していた。問題は、コンサルティング部門が売上の大半を担うにつれて、分け前を監査部門に分配するのをしぶり始めたことだった。かつて業界のトップだったアンダーセンは、この頃には5位にまで低落していた。コンサルティングが発展するにつれて、監査員には仕事を取ってくることや、なりふり構わず顧客を維持する重圧が強まった。これ以上業界での地位を落とすわけには行かなかった。経費節約のため、56歳での早期退職も実施した。これは若手の勇み立った、しかし実質的な仕事の技量には欠ける若手監査員が増えていくことを意味していた。1990年代初頭、スティーブ・サメックという世間ずれした叩き上げの監査員が担当していたクライアントのボストン・チキンが倒産したにもかかわらず社内で権勢を誇るようになった。彼は社内公演でマーケティングの力を力説した。マーケティングは古めかしい監査などよりもずっと楽しくて儲かる。監査など退屈だし、いずれにせよ、これでは食っていけない。今やアンダーセンの暗黙の新たなモットーは、「やっちまえ」、つまり顧客の望みどおりにしろ、だった。
アンダーセンはもともとインターノースの監査法人だったが、大手好みのケン・レイは、合併に当たってこれを変える必要を感じなかった。生まれたての会社にとって、アンダーセンの監査を受けることは箔付けになった。アンダーセンは80年代はヒューストンで最大の監査法人であり、ベンゾイルやテネコなどの一流クライアントを抱える石油業界の御用達監査法人だった。その監査は、一応は厳格と言われていたが、その実、不況時に必要に迫られると、創造性を発揮してクライアントを延命させていた。エンロンの規模とプレステージが成長するにしたがって、両者の力関係は変わり、より共生的になっていった。例えば、アウトソースされたエンロンの社内監査チームはアンダーセンが引き取った。エンロンのヒューストン本社に開いたアンダーセン分室は、他の支社並みの規模になった。両者間のキャリアルートはすっかり確立し、プレッシャーがきつく給料の安いアンダーセンから、プレッシャーはさらにきついが自由と高給の得られるエンロンへと、人は続々と移っていった(リック・コージーやシェロン・ワトキンスは、このルートをたどた数百人のごく一例に過ぎない)

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ハイデガーの思想 1/4~理解するために

「存在と時間」でハイデガーが何を言おうとしていたのか、未だ理解できずw まぁ予想通りだが、何冊か買ったので、何度か読んで理解を深めていこう。
噛み合わない論争
ハイデガーの著作や講義を丹念に読んでいる人たちは、一様にその思想によって震撼され、その崇拝者ないしは信者になり、ハイデガーの言うことを一言一句ありがたがって、それを口まねすることしかしない。こうした人たちにとっては、ハイデガーのナチス加担もそれなりに考えのあってのことか、少なくとも時局のしからしめる不本意な出来事で、その思想の本質には関わりない、免責されてしかるべきだ、ということになる。一方、ハイデガーの批判者は、ほとんどその著作を読んでいない。多少は読んだというかもしれないが、おそらくそれは、読まないで済ます理由を探すために読むといった読み方であろう。当然この人たちにとっては、ハイデガーのナチス加担は、その著作がいかに読むに値しないかを示す絶好の材料でしかない。ほら、やっぱり、というわけで、事実の摘発だけに奔走することになる。どちらもどちらなのである。信奉者たちのようにあからさまな事実に目を閉ざすのも問題だが、その思想を無視して事実の暴露だけに専念する批判も、それでは有名人のスキャンダルの暴露と変わりはない。
> ハイデガーの批判者ではないが、俺の読み方はまさに「読まないで済ます理由を探すために読むといった読み方」だw

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グッドウィルで380億円を稼いだ男 3/3~ソチ人工島計画

クリスタルは昭和49年に林純一が設立した株式会社綜合サービスを前身とする会社で平成15年には主に人材派遣や業務請負等を行っていた200社の純粋持ち株会社だった。林は一代でクリスタルを売上高5000億円を超える企業へ発展させた。この売上高は平成18年時点で上場していた主要人材派遣会社と比べても圧倒的に大きなもので、株式会社パソナ、テンプスタッフ、そしてグッドウィルグループもすべて売上高は2000億円クラスでクリスタルの半分でしかなかった。しかし、一方で上場もしていなく、日本人材派遣協会や日本生産技能労務協会というような業界団体に加盟すらしていないという謎めいた部分も多かったため、周囲からは疑惑の目で見られていた。一代でここまで事業を拡大した林がクリスタルの売却を決意したのは、健康上の理由からだった。三和銀行を平成11年に退職した茶床信輝は、同行の先輩から相談を受けて、クリスタルの林純一オーナーから事業再構築の依頼を受けていた。茶床は当初人材派遣というクリスタルの本業に関係の無い子会社の売却を進めようとしたが、思うように進まなかった。
その後、クリスタルの子会社の株式会社コラボレートが偽装請負で行政処分を受けてしまった。大阪労働局はコラボレートが偽装請負を行ったことを理由に平成18年10月3日に労働者派遣事業停止命令および労働者派遣事業改善命令を出した。偽装請負とは契約上こそ請負という形をとっているが、その実態は労働者派遣であり、労働基準法に抵触する行為のことを言う。特に当時は製造業で多用されていた。そのため林は平成18年10月上旬に茶床を滋賀の自宅に呼んで「クリスタルを売ってしまおうと思うんや。ただしデューデリはなしや」と言った。林は一代で築いたクリスタルという会社に人一倍思いいれも強く、求心力を持って会社を引っ張っていた自分が、クリスタル株を売却することを役員や社員に知られてしまったら、彼らがクリスタルを辞めてしまって、会社が空中分解してしまうことになるのではないかと恐れていた。
クリスタルは当時連結で1000億円前後の純資産があり、売却金額もそれに見合ったものになる。デューデリができない、ということは本来ありえないことだ。そのような中で、茶床が頼ったのが中澤だった。売上高3000億円以上のみ上場の人材関連の会社といえば、クリスタルくらいしかないと思ったが、社会的評判が悪すぎる上に、デューデリできないとなれば無理だろうと思っていた。それでも、社名を伏せて知人の新生銀行の行員に検討可能か聞いてみたが、やはりデューデリなしでは不可能ということだった。中澤は私以外にも必死に出資者を探していたが、デューデリできないということでかなり難航しているようだった。
投資家が決まらない中で、中澤が頼ったのが緋田将士だった。中澤は知人の海老根淳司を介して、平成18年5月ごろに知り合っていた。その当時、緋田は国際空手道連盟極真会館松井派の館長である松井章圭と一緒にM・A・コーポレーションと言う会社を経営していた。
「グッドウィル・グループとかに買い取りを持ちかけられませんか」
「松井館長は折口会長と親しいですから、松井館長から話をしてもらいましょう」
「緋田さんにも分け前を渡しますから」
「当然、松井館長にも分け前を差し上げることになると思いますが、いいですか」
「ええ、それで結構です」
松井と緋田とグッドウィル・グループとの会議の際、グッドウィル・グループサイドらは、折口の他には、常務取締役管理本部長の金崎明、執行役員広報IR部長の大迫一生、法務部長で弁護士の資格を保有していた鎌田智が同席した。この場でグッドウィル・グループへ伝えられた内容は、クリスタルの発行済株式総数の約9割を中澤が取得することで話を進めていて、その約半数を600億円でグッドウィル・グループが取得しないか、というようなものだった。出席していた全てのグッドウィル関係者にとって、顔にこそ出さなかったが、この提案は非常に衝撃的なものだった。グッドウィルにとってクリスタル買収は悲願であった。折口会長はクリスタル子会社のシーテックの買収を試みたが林オーナーに会うことすらかなわなかった。しかも45%で600億円ということは、逆算した企業価値は100%で1330億円ということになり、この金額は想定していたクリスタルの時価総額4500億円の1/3にも満たない好条件だった。グッドウィルグループはクリスタルの価値を当期純利益200億円の30倍の6000億円からコラボレートの偽装請負によるディスカウント分を1500億円と社内的に見積もって差し引き約4500億円と見込んでいた。そのため折口は勢い取引への熱意を露にしながら、「最低でもクリスタル株の51%、できたら67%を取得したい」と松井に伝えた。
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そしてその日のうちに中澤がグッドウィル・グループへ行って具体的なミーティングをすることになった。中澤はその席でクリスタル株の構成と林の希望を伝え、折口と次のように交渉した。
「林さんは、同業他社へは売却したくないという意向を持っていますので、御社が表に出ないスキームが必要になります。そのために、コリンシアンパートナーズが出資しているコリンシアン弐号というファンドが、林さんから買い取ります。御社はもう一つ別のファンドに出資して、その別のファンドがコリンシアン弐号に出資して、コリンシアン弐号から組合財産の分配としてクリスタル株とバンテクノ株を取得すると言うスキームでいかがですか
「弊社としてはスキームにこだわるつもりはありません」
中澤はグッドウィル・グループからの出資金883億円の中から500億円を使ってクリスタルの株式51,825株を取得した。グッドウィルグループは883億円を出資し、クリスタル株38,190株を取得した。残った現金383億円とクリスタル株13,635株は、この取引を仲介した中澤と松井、そして緋田の3人で山分けされた。しかし中澤の怖いもの知らずの本領は、この松井と緋田との利益分配に発揮された。グッドウィル・グループからの出資が871億円で、林からのクリスタル株の購入代金が600億円で、差し引き271億円の現金と13,635株のクリスタル株がコリンシアン弐号には残っていると説明した。ここで林が600億円と言ったのは当初グッドウィル・グループへの仲介を依頼したときの金額が600億円だったからだ。また、クリスタルとバンテクノ株の67%で計算したため、その計算による合計金額が871億円となっていた。そのためグッドウィル・グループがみずほ銀行へ依頼していた融資金額も871億円だった。しかし、グッドウィルグループがバンテクノが保有していたクリスタル株5500株を取得するためには、バンテクノ株の全株を取得する必要があり、それを前提に出資金額を計算しなおすと、合計金額が883億円となった。
中澤が配分を受ける予定を指定分から7.5%分、松井と緋田は7.25%分を合計した22%分を271億円でグッドウィル・グループに売却したことを前提に、中澤分92億4000万円、松井及び緋田の分は89億3000万円とした。海老根淳司に対する手数料を18億2000万円とし、10億円を中澤が負担し、8億2000万円を緋田が負担することとしたため、中澤の取り分が82億4000万円で、緋田81億1000万円となった。
「(中澤)先生、分配はいつになりますか」
「コリンシアン弐号の決算期までは組合財産を分配することはできません。そこで松井さんには89億3000万円を、緋田さんには81億1000万円をコリンシアン弐号から貸付、コリンシアン弐号の決算期に貸付金を分配金と相殺することにしたいと思いますが、それでよろしいですか。それからコリンシアン弐号から松井さんと緋田さんに貸し付ける方法ですが、松井さんと緋田さんにそれぞれファンドを準備してもらって、それらのファンドにコリンシアン弐号から送金すると言うことにしたいと思うのですが、よろしいですか」
決算期まで分配することができないと言うことは無く、また貸付先をファンド名義にすると組合に出資していることになっている松井と緋田の名義と異なってしまうために相殺の手続きも面倒になる。私の見立てでは中澤がいたずらにスキームをややこしくしたものと思われる。これらは実際にコリンシアン弐号に残っていた現金383億円との差額112億円について、松井や緋田に悟られないようにするためのものだったに違いない。しかし緋田はこのことに感づき中澤と交渉し、分配される現金を33億7000万円増額させており、クリスタル株も720株増加させている。また、このころには中澤と緋田の間で海老根に対する手数料は無しとすることの合意ができていた。
澤田が中澤に持ち込んだのは、2014年ソチ冬季オリンピックに合わせてロシアのソチ市に人工島を作るというものだった。この計画に合わせるように平成19年中は低迷し、平成20年1月17日に最安値19円をつけた東邦グローバルアソシエイツ(当時の商号:千年の杜)の株価は、その後同月21日以降、急騰し始め、最高500円を超え、約25倍にまでなってしまった。ロシア内の登記簿謄本によれば東邦グローバルアソシエイツはホマル社の授権資本における持分の80%を取得している。東邦グローバルアソシエイツにホマル社を紹介したのは、レオニード・モストボイと山本丈夫という人物だった。一方、中澤にこの件を持ち込んだのは澤田であり、澤田に話を持ち込んだのは駒栄と紙屋だったと私は効いていた。平成19年、2014年ソチオリンピック協力委員会が設立され、久間章生元防衛大臣が委員長に就任し、ホテルニューオータニで団結式が行われた。ソチ人工島計画事件に関し、風説の流布の疑いがあり、これに久間元防衛大臣が関与していたのではないかというものだったが、そもそもソチ人工島計画は詳しく記載したように実際に進めていたのだから、風説の流布になるようなものではなかった。
> なんかこのプレスリリース読んだことあるような気がするわw
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エンロン内部告発者 2/6~集まるスタッフたち

マークレベッカは、1982年にファースト・シティを退社、その破綻を予期していた。同行が潰れたときには、彼女はすでにコンチネンタル・リソーシズの経理副部長になっており、この会社がヒューストン天然ガスに買収された。彼女はここでウィングと出会った。二人の間に何があったのかはともかく-二人は関係を否定していたが信じる者は少なかった。マークはすべてから教訓を学び取り、自己防衛の術も身につけ、時間を見つけて社費でハーバードのMBAを取った。ウィングが勢いを失うと、それに代わってレイや他の幹部とのパイプを強化した。彼女は人の話を熱心に聞き、社交に努め、矯正した歯、話し方教室、ブロンドのタテガミの威力を行使した。「驚いたわ」と彼女はのちに語っている。「ちょっと同情を示しただけで、男たちがどんなに簡単に自分をさらけ出して大きな秘密を話してくれるかは
マーク・レベッカ
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ジェフ・スキリングはガスバンクというシンプルなアイデアをエンロンに持ち込んだ。天然ガスの採掘や売買は、規制緩和がもたらした価格の不安定さのお陰で信用を失っており、これがまた業界を脅かす理由の一つだった。スキリングはこれを逆転する方法を考え出した。ちょうど銀行が預金者を束ねるように、エンロンがガスのサプライヤーである採掘会社を束ねる。そしてエンロンは、預金者に融資する銀行のように、ガスの買い手に売るのである。エンロンは売買の両方からサヤを取る。これは良いアイデアだったがリスクを伴っていた。しっかりした商売をするにはエンロンは単なるブローカーでいるわけにはいかなかった。ガスを供給するにはまず所有しなければならなかったし、買い手には一定の安定価格を保証しなければならなかった。つまりエンロンの市場に関する知識と支配力は絶対的なものでなければならないのである。エンロンはすでにガスの供給源となる石油やガスの事業部門を持っていた。そして競争相手もいなかった。ガスは石油のように魅力的な事業ではなかったからである。
1989年には、ルイジアナのアルミ精錬業者が、エンロンのガス運搬料金が高すぎると交渉を蹴った。しかしこの商談は、結局は実った。顧客はエンロンに固定価格を支払い、エンロンは顧客の近くのガス採掘会社から変動価格でガスを買い付けて、供給することにしたのである。これによってルイジアナの会社は望みどおりの料金でガスを手に入れることができ、エンロンは相反するニーズを持つ顧客を組み合わせることで商談をまとめた。これはのちに、最初の天然ガスのスワップ契約として知られるようになった。そしてエンロンはガスのトレーディング・ビジネスへの進出を急ぎ、大手の一社になった。1990年、ガスのトレーディング人気に目をつけて、ニューヨーク・マーカンタイル取引所(ナイメックス)はガスの先物市場を開いた。つまり将来のある時点にある価格でガスを売買する権利を取引できるようになったのである。エンロンは市場を牛耳っていたので、価格の決定権も握っていた。ナイメックスの先物は当初18ヶ月物が最長だったが、エンロンはもっと長期の先物を売ることができた。そして先物取引に参加するためにガスの現物を売買する必要はなかった。業界内外の金融トレーダーが目をつけて、ちょっとした先物の値動きに乗じてサヤ取りをするようになったからである。

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クオ・ワディス(下) 6/6~リギイ族の巨人

果たしてもう長く待つことはなかった。突然真鍮のラッパの鋭い音が響くと、それを合図に皇帝のポディウムの正面に格子が開いて、ベスティアリウス(猛獣使)の叫びの中をアレナに向って怪物のようなゲルマニアの水牛が頭の上に女の裸体を乗せて現れた。「リギア。リギア。」とヴィニキウスは叫んだ。そうしてその瞬間にペトロニウスが頭にトガを被せてくれたことさえ感じなかった。死か痛みに眼が覆われたような気がしたのである。見ようともしないし見えなくもあった。口はただ気が違ったように「信じています。信じています。信じています。」と繰り返した。
ふと円形競技場は静まった。アウグスタニが一人の人のように席から立ち上がったのは、アレナに何か並外れたことが起こったからである。というのは慎ましやかに死を覚悟していたこのリギイ族の男は、荒々しい獣の角にかかっている自分の王女を見ると激しい火で燃えるように奮い立ち、背を曲げたと思うと荒れ狂う野獣のほうへ斜めになったまま走り出した。みんなの胸から短い驚きの叫びが発し、やがて重々しい静けさが続いた。すると瞬く間にリギイ族の男は荒れ狂う牛に飛びかかってその角を掴んだ。「御覧」とペトロニウスは叫んで、ヴィニキウスの頭からトガをひったくった。ヴィニキウスは立ち上がり、麻布のように青い顔を後ろに反らせて、ガラスのような意識のない眼でアレナを眺め始めた。全ての人の胸は息を止めた。人々は自分の眼を信じようとしなかった。ローマがローマになって以来これに似たものを見たことが無い。
リギイ族の男が荒々しい野獣の角を捉まえていた。その足は踝の上まで砂の中に沈み、背中は張り切った弓のように曲がり、頭は肩の間に隠れ、腕の筋肉は盛り上がって、その厭力のために皮がほとんどはじけそうになったが、牛をその場所に押し付けていた。人も獣もそのまま動かずいたので、見ている人々にはヘルクレスやテセウスの働きを現す書か、石に刻んだ群像を見ている気がした。しかしその一見平静な中に、互いに戦っている2つの力の恐ろしい緊張を知る事ができた。水牛も人間も同様に足を砂の中に没し、その黒い毛のふさふさした体は曲がって巨大な球に似ていた。どっちが早く力が尽き、どっちが先に倒れるか、これこそ、格闘を愛好する見物人にとってはこの瞬間に、自分自身の運命よりもローマ全体よりもローマの世界支配よりも重大な意義を持つ問いであった。皇帝自身もやはり立ち上がった。「このクロトン殺しには我々が選んでやった水牛を殺させたいものだ」

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グッドウィルで380億円を稼いだ男 2/3~香港での監禁、強盗

2008年9月5日
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「チャカ出せ、チャカ」中澤の盟友である澤田三帆子が、男4人を引き連れて香港にあった中澤所有の高級マンション「ザ・アーチ」31階の、私が住んでいた部屋に突然入ってきた。私と中澤の10年以上の友好関係が終わった瞬間だった。思い返せばその日から遡ること1週間前ごろから異変はあった。8月下旬頃からそのマンションで暮らしていたが、中澤と連絡しようと思っても連絡が取れなかったのである。そのころ電話をしてきたのは、黒木正博だった。慶應義塾大学での私の先輩で、中澤が経営権を取得した東邦グローバルアソシエイツ株式会社の元オーナーで、ベンチャーの旗手として注目された。その黒木とは電話で
「鬼頭ちゃん、いまどこにいるの」「香港ですよ」「それならいいんだけど、キョクシンが鬼頭ちゃんをさらうって言ってるんだよ」 キョクシンと言われて空手の極真かと思ったが山口組の極心連合会のことだった。
比嘉と電話で「ちょっとおかしいんですよ。秋月(幸治)さんが5人も連れてきたんですけど弁護士の先生と四方啓二さんという人しか名刺出さないんですよ。なんか見るからに怪しいんですよ、ビジネスマンという感じではないですよ
帰国することになっていたその日に急襲された。
澤田「鬼頭さん、あんたもワルだね、どこに金隠しんてんの」
鬼頭「どこにも隠してないです」
山本丈夫「じゃ、どうしてコリンシアンの金がなくなっちゃってるの」
山本は、背はそれほど高くはないが、筋肉質でオールバックの見た目はいかつい感じの人だった。中澤からの依頼で来たと言っていた四方は、私が不正を働いていると言う先入観を持ってきたようだが、私の説明に不自然な点が無く、肩透かしを食ったかのようだった。四方は空手をやっているとのことで、背も高くがっしりしたタイプだった。四方の説明によると他の2名は香港人で1人は弁護士、もう1人はセキュリティだと言っていた。香港人の1人はどうみてもヒットマンのような人間で、黒を基調とした身なりで全身を固め、大きな黒いサングラスをかけ、まるで映画に出てきそうな格好をしていた。
「あんた状況が分かっているの? 中澤に東邦を返しなさいよ」澤田が威勢よく声をあげた。とても女とは思えない。いつでも「極道の妻たち」に出演できそうだ。
> リアル「極道の妻たち」、妻では済まないです。「女極道」、おっかない女性も数多くいらっしゃるようですねw
マルサの関心ごとは約180億円の金の流れとグッドウィル・プレミア株の扱いだった。コリンシアンパートナーズは、この約180億円を原資に様々な投資事業を行った。コリンシアンパートナーズが行った投資は、大きく分けると、上場会社への投資と、未上場会社への投資の2つがあった。まず、上場企業への投資は単純に大口投資家からまとめて株式を購入し、その株を即日ヘッジファンドへ売却して利鞘を取る取引や、黒木正博案件のトランスデジタルやオックスホールディングスへの投融資のように3ヶ月くらいで1割の利益を確保する純投資と、東邦グローバルアソシエイツやビービーネットのように経営権を取得する2通りの形態で行われていた。経営権を取得するといっても明確な出口戦略があるわけでもなかったので、多額の資金を得た中澤が、自分の知人や私が紹介した知人を取締役に据えて、オーナーとして振舞うことを楽しむために投資したようなものだった。
だから、経営権を取得した会社の商号も、中澤が経営してきた会計事務所や監査法人にちなんだ名称に変更しようとした。千年の杜は東邦会計事務所にちなんで、東邦グローバルアソシエイツに、ビービーネットはユニバーサル監査法人にちなんで、ユニバーサル○○に変更予定だったがその前に資金が枯渇してしまった。未上場企業への投資は元シティバンクのプライベートバンカーだった竹山(仮名)という中澤の知人から持ち込まれたサイバーブレッドへの投資が起点となり、その子会社への投融資を中心に、その投融資の合計金額は20億円弱となったが、これもことごとく失敗した。サイバーブレッドは平成16年3月に設立させ、インターネット上でのファンクラブ運営などのWebエンタテインメントコンテンツ供給サービス、口コミマーケティング、フリーペーパー作成など総合的なプロモーション事業を手掛けていた会社だった。ベンチャーキャピタルの出資を受けるなどして資金基盤の充実を図りながら業容を短期間で急速に拡大させ、22億円の売上高の計上するまでになっていたが、オーナーの伊藤和訓に問題があり、上場できずにいるとの事だった。竹山は、この伊藤の株式の購入を斡旋しにきたのだった。中澤は興味を示したようで、手付金3億円を支払ったがすぐに循環取引が発覚し、サイバーブレッドは平成19年7月に破産となった。
「澤田三帆子がすごい話持ってきたで」と中澤が言った。表紙には山田洋行と日本ミライズの対立の記事が載っていた。この対立は軍需専門商社の山田洋行元専務の宮崎元伸が部下40数人を引き抜いて同業の日本ミライズを設立し、航空自衛隊時期輸送機(CX)のエンジン製造会社であったゼネラルエレクトリック(GE)と代理店契約を結んでしまったために起こったものだった。
「澤田が駒栄さんという人を紹介してくれたんや。駒栄さんは衆議院の久間先生の私設秘書をしているからこの話はカタいで」 翌日中澤と会談場所のグルジア大使館が入っているビルの1階に行くとすでに横田(東邦グローバルアソシエイツ)が来ていた。その後、澤田と駒栄博志と紙屋道雄が入ってきた。グルジア大使館の中には大沢という50代後半の紳士風の風貌だが話す内容は頗る大きかった人物がいた。
「グルジア(georgia)を英語読みするとジョージアって言うんですよ。ユダヤ人と非常に関係が深いんですよ。そして、私の古くからの友人にプライベートジェットで世界中を飛び回って投資しているジョージというユダヤ人がいるんですが、ジョージは1兆円くらいのファンドを持っていて、ユダヤ人つながりでGEとも非常に仲良くしているから代理店の件もジョージに頼めば簡単ですよ」
この件は、結局、「ジョージに契約成立前に1億円支払って欲しい」と澤田が中澤に依頼したものの、そのことを聞いた私が「千年は上場会社だから契約が成立したら、仲介手数料として支払うことはできると思いますが、ただGEと仲良しだと言っているジョージに、1億円も支払うことができるわけないじゃないですか」と言ったことで、中澤も思いとどまって、そのまま立ち消えとなった。駒栄は、平成15年の福岡県の若宮町長汚職事件で、公共工事受注の賄賂を渡した容疑で逮捕され、実刑判決を受けていた。紙屋も丸石自転車を巡る架空増資事件で、電磁的公正証書原本不実記録、同共用容疑での逮捕歴があった。
> 紙屋さん、有名ですねw で、大澤さんって誰? 笑っちゃうくらい詐欺のレベルが低いw プライベートジェットと1兆円のファンドとユダヤって何だ? この次元の詐欺師は、俺には近寄ってこないよ。
【メンヘラ・破壊的な女】
2014.06.06 別海から来た女 木嶋佳苗悪魔祓いの百日裁判
2013.11.22 バンファイパヤナーク観測計画 3/11 ~水上マーケットとハーレムナイトinバンコク
2013.08.19 ハプスブルク家の悲劇 4/8 ~正妻ステファニーvs愛人マリー
2013.07.08 春のタイ 後編 ソンクランのはしご 4/8 ~水をかけられない女inパタヤ
2013.05.15 春のタイ 前編 ソンクラン前 5/9 ~シラチャのネーさんの謀略
2013.02.21 タイ全土落下傘計画 9/17 ~シラチャのアツい夜
2012.07.19 この前の土日、プールサイドで超アグレッシブな女の子とイチャイチャしちゃった
2012.02.09|東電OL殺人事件 1/2 ~その人
2011.08.09: 金賢姫全告白 いま、女として4/6 ~軍事訓練
2011.06.08: 歴史を騒がせた悪女たち5/7 ~ロシアより愛を込めて
2011.03.11: 永田洋子追悼記念 実録・連合赤軍 あさま山荘への道程
2010.10.28: 破壊工作 金賢姫Forcus
2010.03.18: 海外のヤンデレ ヤンデレの研究 
2009.08.31: Madoff’s Other Secret 愛、金、バーニー そして わ・た・し
2009.07.06: 職業Investment Banker? 男と女のM&Aで100mil
2009.05.08: 私はカネ目当てじゃない ~怒りの代償
2008.05.08: サロメ




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エンロン内部告発者 1/6~ガスビジネス

エキゾ予想。日本における電力自由化、電力の市場化は、日本に第二のエンロンを生むきっかけになるだろう。というわけで、今は亡きエンロンを振り返ることにしましょう。
ガス事業はかつてはかつては石油事業の継子だった。オイルマンたちは当初、天然ガスは石油を得るために廃棄しなければならない厄介者と見なしていた。天然ガスが急にもてはやされるようになったのは、二度の大戦の間だった。連邦政府は天然ガス業界の発展を公益を考えた。クリーンな燃料であり、増大する輸入石油への依存を低下させるからだ。当初、ガス市場は他の規制公益事業と変わるところがなかった。採掘業者は州間パイプライン業者に天然ガスを適正価格で販売し、それをパイプライン会社が各地域の配ガス会社に適正価格で転売する。パイプライン会社にとってはうまみのある安定した事業で、年間収入は確定的だった
ガス輸送を値付けするのは簡単だが、しかしガス田を見つけるのは簡単ではなかった。試掘は今も昔も酷く金がかかり、成功率も低かったので採掘業者のその損失をついぞ適切に埋められなかった。やがて採掘業者はガス田の開発をやめてしまい、すると市場は停滞し、学校や病院などではガス不足をきたすようになった。1970年代には、政策決定者達はガス市場の分割に躍起になった。競争原理による市場の活性化を図るためである。これは基本的に、ガス開発と売買の方法を一から作り直すことを意味していた。ここにケン・レイがいた。政府ではなく市場がガスの値段を決定すれば機会が開け、誰にとっても大きなメリットがあると、彼は信じていた。
ケン・レイ
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1984年には、規制緩和されたガス市場は乱戦に陥っていた。当時コースタル・コーポレーションという名の石油とガスのコングロマリットを率いていたオスカー・ワイアットは、人望の厚かったロバート・へリングを亡くして混乱に陥っていたヒューストン天然ガス(HNG)に13億ドルの買収攻勢をかけた。HNGはワイアットに4200万ドル払って買収を退けたが、取締役会は危うく会社を失いかけた老社長に不満を持った。規制緩和がもたらした新たな経営環境では、またぞろ買収攻勢をかけられる恐れがあった。それだけに彼らは若くてアグレッシブな、会社を守れるリーダーシップを求めていた。そこでケン・レイに白羽の矢が立った。トランスコ社がワイアットの買収を交わす際に、八面六臂の活躍を見せたからである。

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クオ・ワディス(下) 5/6~囚われのリギア

> クリスト教徒が幽閉されていた「臭い窟」
エスクィリヌスの牢獄は、火災を阻止するために家々の穴蔵を利用して急に作ったもので、なるほどカピトリウムの横にある古いトゥリアヌム程恐ろしくは無かったが、その代わり百倍も厳重に警備されていた。ヴィニキウスもはやはりリギアを救い出せるかどうかという希望を失っていた。今となってはクリストにしかそれができない。若いトリブヌスは既にただ、牢獄で一目会いたいということしか考えていなかった。「臭い窟」の監督の声が聞こえた。「今日は死体はいくつある。」牢番は答えた「123人だな。しかし朝までにはもっと出る。あすこの陰では何人か死にかけて咽喉を鳴らしている。」そういって牢番は、女どもが少しでも長く死んだ子供を手元においてできるだけ「臭い窟」にやるまいと隠すことに苦情を言い始めた。このままでもやりきれないここの空気が一層臭くなるから、まず臭いで死体を嗅ぎ分けなければならない。「死体をすぐに運び出さなければいけない。疫病は一番死体から染つる。さもないと死んじまうよ、お前達も囚人も。」
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ヴィニキウスにも現実感が戻ってきて、地下坑の中を見回し始めたが、いくら眼で探してもリギアが見つからず、その生きている間にあの人を見ることは全くできないのではないかと考えた。突然身震いをしたのは、格子の挟まった壁の穴の下にウルススの巨大な姿を見たような気がしたからである。そこでその瞬間にカンテラを吹き消してこれに近づき、こう訊いた。「ウルスス、お前か」巨人は顔を向けて、「誰です。」「私がわからないか。」と若者は訊いた。「カンテラをお消しになったのですもの、どうしてわかりましょう。」しかしヴィニキウスはその時、壁の傍らに外套を敷いて臥せているリギアを見定めたのでもう一言も言わずその傍らに跪いた。ヴィニキウスは跪きながら涙越しにリギアを見詰めた。暗かったけれども見分けることのできたリギアの顔はアラパステルのように青く思われ、腕は痩せ細っていた。「マルクス、私は病気です。アレナの丘かこの牢獄か、私は死ななければなりません。けれどもその前に一度お会いできるように祈っていました。こうして来てくだすった。クリストが届けてくだすった。私はあなたの妻です。」

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グッドウィルで380億円を稼いだ男 1/3~国税局強制捜査

中澤秀夫の所得税法違反で一斉査察なんですが、いまどちらですか?」 まずい、私がいたマンションはマルサが狙っている中澤が経営するコリンシアンパートナーズ株式会社が事務所を構えていたマンションと同じマンションだった。コリンシアンパートナーズの事務所は1801号室。私の部屋は1601号室で、部屋の作りも同じだった。
「いまマカオに来ているんですよ」口から嘘が突いて出た。「それは困りましたね、いつ戻られますか」
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ほっとしたのもつかの間、落ち着くまもなくピンポンと呼び鈴が鳴る。マルサだと思い、確認のため覗き窓から覗いてみる。やはりマルサと思われる見知らぬ男の人が2,3人通路をウロウロしている。早く立ち去ってくれることを願うばかりだった。幸い3,4回呼び鈴が鳴るがその後は止まった。ガサの場合、マルサがいきなり踏み込んでいく強制捜査を行うためには捜索する場所および押収するものを明示した裁判官による捜査差押許可状が必要となる。1601号室にまさか私が住んでいるとも思っていなかったので事前準備がなされていなかったらしい。
マルサは当然コリンシアンパートナーズの元代表取締役であった私の海外渡航に関しても事前に調査済みだったが、東京国税局を管轄している財務省とパスポートを管轄している外務省では担当が違うため、マルサがリアルタイムに出入国を知る事ができるわけも無く、私がマカオにいることを前提に交渉を進めなければならなかった。ただ、その後私が初めて東京国税局へ行った時には、東京国税局は海外渡航の最新履歴を照会済みで、この日、私が日本にいたことは判明していた
> 国税は最高権力を持っていますから、縦割り行政の縄張りすらも乗り越えてしまうのですね。くわばらくわばら。

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クオ・ワディス(下) 4/6~十字架にかけられるクリスト教徒

> 宙釣りの刑
観物はクリスト教徒同士の格闘から始まるはずとなり、その目的でクリスト教徒は格闘士の装をして、職業的な格闘士が攻撃及び防御に使うあらゆる武器を与えられた。ところがここに失望が起こった。クリスト教徒は砂の上に鎌や刺叉や槍や剣を投げ捨てるとただちに互いに抱き合い、苦悩としに対して忍耐するように励ましあった。あるものはクリスト教徒の卑屈と怯懦を非難し、或るものはクリスト教徒がわざと打ち合いを欲しないのは民衆に対する憎しみのためで雄々しい光景が普段与える喜びを自分達から奪うためだと断言した。到頭皇帝の命令によって本物の格闘士をこれに放ち、跪いている武器の無い人々を瞬く間に切り倒させた。
さて死体を片付け観物は闘技を止めて、皇帝自身の考案による成る神話的な場面の展開に変じた。そこに人々はヘラクレスがオイテの山で生き生きとした火で焼け死ぬところを見た。ヴィニキウスはそのヘラクレス役にウルススが回されるかもしれないと考えて身震いしたが、見たところ順番はまだこのリギアの忠実な僕に来てないで、薪の山では誰か別のヴィニキウスが全く知らないクリスト教徒が焼かれていた。その代わり次の場面では皇帝の命令でその上演に列席するのを逃げられなかったキロンは自分の知っている人々を見ることになった。上演されたのはダイダロスとイカロスの死であった。ダイダロスの役を勤めたのはエウリキウス即ち前にキロンに魚のしるしを教えたあの老人だった。イカロスの役を勤めたのはクァルトゥスであった。二人とも巧妙な機械仕掛けによって上に釣り上げられ、非常な高さから突然アレナに突き落とされたが、その際若いクァルトゥスは皇帝のポディウムのすぐ傍らに落ちたので、その血が外側の装飾ばかりでなく赤い布をかけた欄干にもしぶきかかった。キロンは眼を瞑っていたのでその墜落は見ず、ただ体の重々しい音を聞いただけであるが、やがて自分のすぐ傍らの血を見るともう少しで再び気絶しそうになった。

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徹底抗戦 4/4~ガバナンス体制

宮内氏らによる「お金の横領」が発覚したのである。
そもそも私は宮内氏を全面的に信頼していた。宮内氏を信頼していたからこそ「ライブドアの配当比率を上げると堀江が一番配当金を受け取ってしまうことになるから、配当をしてはいけない」という彼の意見に従ったわけだし、増資をして私の持ち株比率を下げたり、株式交換による企業買収を進めて私のオーナーとしての権利をドンドン縮小することにも従ったのである。たしかに2004年頃、宮内氏と中村氏は、フェラーリを現金で買っていた。「中村さんすごいね!」と私が言うと「ストックオプションを行使して買ったんですよ」と言っていたし、宮内氏も、彼が中心になって設立した「ゼネラルコンサルティングファーム」という税理・会計事務所からの収入や、元々彼が持っていた税理士事務所からの収入でフェラーリを買ったのだと思っていた。
でもそれは違ったようだ。ライブドアが人材派遣会社トラインを株式交換で買収した際、ライブドアの新株が45000株発行されたのだが、この新株は投資ファンドを通じて野口氏が香港に作ったペーパーカンパニー「パシフィック・スマート。インベストメント(PSI)」の口座に移された。PSIは、後に新株を市場で売却し、2億6000万円以上の売却益を得ていたのだが、この売却益の何割かが宮内氏らが香港に作った「パイオニア・トップ・インベストメント(PTI)」という会社に振り込まれていたのである。その振り込まれたお金がフェラーリの費用になっていた。野口氏への報酬数千万円も現金でデリバリーされたと言う。似たようなお金の流れは他にもあった。ライブドアによるバリュークリックジャパン(後のライブドアマーケティング)の買収発表の直前、バリュークリックジャパン株が野口氏の会社で大量購入され、株価が高騰した直後に売却されていた。これ以外にも不自然なことは山ほどあった。彼らがこのようなことをした理由が私には未だに分からない。ライブドアの上場によって私の保有資産が大幅に増えた(私の保有株の価値が高騰したから。当たり前だが、株価が上がってもそれを売却しなければお金を得られないのに)ことを彼らは羨ましいと思っていたのだろうか?

孤高の創業者社長。ポルシェ欲しかったんだろw 小金手に入れて、まずポルシェ買うって発想が貧しくて嫌だねぇ

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クオ・ワディス(下) 3/6~大火のスケープゴート

> 猛獣、犬に食われるクリスト教徒
さてプラエフェクトゥスは合図をした。するとさっき格闘士を死の場に呼び出したカロンのなりをしている同じ老人がゆっくりとした足取りでアレナを横切り、重苦しい沈黙の中で又三度槌で扉を叩いた。円形競技場全体に呟きが起こった。「クリスト教徒だ。クリスト教徒だ。」鉄の格子が上がって、真っ暗な入り口からマスティゴフォルスの例の「砂場へ」という叫びが聞こえ、一瞬間にアレナには毛皮に覆われたシルヴァヌス(森の精)のような人の群が入ってきた。そのすべてのものは幾らか速く熱を帯びたように走ってきたが、円形の中心まで来ると、列んで躓き手を上に挙げた。民衆はそれが憐れみを乞うしるしだと考えたので、こんな卑怯な態度に憤激して足踏みを始め、口笛を吹き、空になった酒器や噛った後の骨を投げて、「獣を出せ、獣を出せ。」と怒鳴った。すると突然思いもかけないことが起こった。見ると毛皮を着た群の間から歌を歌う声が揚がり、まさにその時ローマの円形競技場で始めて聞く歌が鳴り響いた。「クリストゥス レグナト(クリストは支配し給う)」
そこで驚きが群集を襲った。罪人がヴェラリウムの方に目を挙げて、歌を歌っているのである。そこに見られる顔は青ざめてはいたが、霊感に充たされたようであった。この人々は憐みを求めているのではなく、円形競技場の民衆も元老院議員も皇帝も目に入らない風をしているのだと分かった。「クリストゥス レグナト」という声がますます高くなると、座席では遥か上のほうの見物人の列の間まで、何事が起こったのか、又死ぬはずになっているこれらの人々の口に王として讃えられる「クリスト」とは何者であるかと言う問いを抱くものがでてきた。その時新しい格子が開いて、アレナには荒々しく走って吠える一群の犬が出てきた

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徹底抗戦 3/4~拘置所の暮らし

検察庁ではクレジットカードやら携帯電話を押収され、そのまま逮捕。拘置所へと護送されることになった。拘置所に連れて行かれる間も同じような状況だった。でも不思議と冷静。拘置所では人定質問され、尻の穴を見せて部屋に送られる。刑務官が気を使ってくれて、官本という備え付けの本を三冊ほど入れておいてくれた。そのうちの一冊は「小説日本興業銀行」(高杉良著/講談社)。これがその後、拘置所内での高杉良の著書を読者するきっかけになった。もう一冊は、なぜかマンガ「難波金融伝ミナミの帝王」(郷力也・画、天王寺大・作/日本文芸者)。興奮してなかなか寝付けなかったので本があって助かった。次の日の朝。噂のくさい飯が登場した。最初の日だけはあの麦飯の臭いが鼻についた。でもすぐになれた。おいしい。

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神経太いなぁ。江副さんは、カンカン踊りに衝撃を受けていたようだが・・・。
2015.04.01 リクルート事件・江副浩正の真実 3/5~検察の横暴
ホリエモンは江副さんの本も読んだというようなことを言っていたので、知っていたのかもしれないが、知っていたとしても、男の人の前で全裸になったことないなぁ。あ、忘れていただけだった、あるわ。でも相手も全裸だったからなぁ。相手が服来てて、全裸で四つんばいか。「尻の穴を見せて」とたった七文字でさらっと流せないわ。臭い飯って麦飯か、麦飯なら、俺も大丈夫そうだ。今現在、実家は麦飯が混ざった飯が出てきているw

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クオ・ワディス(下) 2/6~キリスト教徒処刑。猛獣の餌@コロセウム

アフリカではティゲリヌスの要求によって、その地方の住民全体が参加しなければならない大掛かりな狩が行われた。アジアから象と虎、ナイル河から鰐や河馬、アトラス山脈から獅子、ピレネ山脈から狼と熊、ヒベルニア(今のアイルランド)から猛犬、エピルスからはモロッソイ犬、ゲルマニアからは水牛と巨大で獰猛な野牛が送られた。収監された人の数が多いので、今度の競技は大きさの面でも今まで見られた全ての競技を凌ぐ筈であった。皇帝は火災の思い出を血の中に浸しローマを血で充たそうと望んでいたのであるから、流血も今までこれ以上華々しいものは提供されたことはない。陽気になってきた民衆は、ヴィギリア(夜警)やプラエトリア兵の手筈をしてクリスト教徒を狩り出した。それが困難な仕事でなかったと言うのは、クリスト教徒の大群が尚庭園の中で他の民衆と一緒に宿営していて、公然と自分達の信仰を告白していたからである。包囲されると跪いて歌を歌いながら反抗せずに捕縛した。民衆にはクリスト教徒の落着きの源がわからないので、それを頑迷と考え罪悪を固執するものと見た。
そこで民衆はプラエトリア兵の手からクリスト教徒を奪って自分たちの手で八つ裂きにしそうな形勢になった。女の髪を捉まえて牢獄まで引き摺ったり、子供の頭の敷石に打ちつけたりした。夜になると、人々の雷のような唸声が聞かれ、それが全市に響き渡った。方々の牢獄は何千という人で満ち溢れたが、それでも毎日民衆とプラエトリア兵は新しい犠牲を引っ張ってきた。憐憫の念は消えてしまった。人間が言葉を忘れ、物凄い狂乱の中にただ「クリスト教徒を獅子に食わせろ」という一つの叫びしかおぼえていない有様であった。

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クオ・ワディス(下) 1/6~ローマの大火を見ながら歌を歌うネロ

ティゲリヌスはプラエトリア兵の全部隊を集めてから、近付いてくる皇帝に矢継ぎ早に飛脚を送り、火災がますます激しくなっているから観物の豪華さは申し分ないと報告した。しかしネロは、滅びていく都の光景を堪能するために夜になってから来たいと思っていた。その目的からアクァアルバナ(水道の名)の附近で泊まり、テントに悲劇役者のアリトゥルスを招き入れ、その助けを借りて姿や顔や目付を整え、それに応ずる動作を学び、これと激しく意見を交わして「おお、神聖なる町よ、イダ(トロヤの南方の山)よりも強固と見ゆるに。」という言葉の所で、両手を上に差し伸べたものか、それとも片手に琴を取ってその手を脇に垂れ、もう一つの手だけ挙げたものかと議論した。しかもこの問題がこの瞬間にあらゆるほかのことよりも重要だと考えていた。結局、薄暮に発足したが、尚ペトロニウスの意見を徴して、災害に捧げられる詩句の中に神々に対する非難の語をいくつ加えるか、それとも芸術の立場から考えてそういう言葉はこういう祖国を失った人の口にひとりでに出てこなければならないものかを語った。
Nero-Roman-Fire.jpg

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クオ・ワディス(中) 2/2~ローマの大火

プラエトル軍の主力は兵営に待機して都内を警戒しその秩序を保っていた。それが通り過ぎると列になったネロの虎と獅子が見えた。ネロはディオニュソスを真似る気になると直ぐこれを旅行の車につけるためである。奴隷や少年の品の良い一隊が続き、最後に皇帝自身が近づいたことは遠くから民衆の叫声で知られた。その群集の中には、一生に一度は皇帝を見たいと思っている使徒のペテロも居た。その供をしたのは厚いヴェールに顔を隠しているリギアと、慎みのない厚顔ましい群衆の真中でこの少女のために最も確かな保護をするだけの力を持つウルススとである。
そこへ皇帝がやって来た。皇帝は黄金の金具のあるイドゥマヤ(パレスチナの南部死海の西に当る山地)産の白馬6頭に牽かせたテントの格好の車に乗っていた。テントの格好をしていると云っても、その車は両側がわざと開いて、群衆に皇帝が見えるようにしてあった。そこには幾人が乗れる場所があったが、ネロは人の注意が主として自分に集まるようにしたかったので、都内を通る時は一人だけで乗り、ただ足下に奇形の異人を二人置いた。着物は白いトゥニカに紫水晶色のトガを重ね、トガはその顔に青みがかった光を投げていた。頭には月桂冠を戴いた。ネアポリスに出掛けた頃から見ると著しく肥った。顔が幅が広くなり下顎は二重になって垂れているために、元来鼻に近すぎる唇は今では鼻の孔のすぐ下についているように見えた。太い顎はいつものように絹の布で巻き、それを絶えず直している白い脂ぎった手には、関節のところに赤みがかった毛が生えて、まるで血のしみのようになっていたが、そえをエピトラル(毛を抜く人)に抜かせなかったのは、そうすると指が慄えて琴が弾けなくなると言われたからである。顔にはいつものように涯しのない虚栄心と疲労や退屈と一緒になって現れていた。一般に言うとその顔は恐ろしいと同時に道化じみていた。

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リクルート事件・江副浩正の真実 5/5~国税との攻防

私の父親は株の売買をやっていて、高校教師だったのに毎晩飲んで帰ってきていた。当時は高度経済成長期でほとんどの株式が値上がりしていた。そして父親は株式を私に生前贈与してくれていて、私は社会人になってからその株の売却益を元に株の売買を始めた。のちのことだが、リクルート本体でも日興証券から山路正徳を迎え、グループの企業年金の自主運用と余資を運用し、値上がりしそうな株を買い、値下がりしそうな株を信用売りしていた。このような取引を裁定取引(アービトラージュ)という。理屈の上では利益が上がるように見えるが、ニューヨーク株式市場のダウ平均株価(わずか30銘柄の工業株によって構成されている)が上昇すれば、値上がりしそうな株も値下がりしそうな株もそれに連動して値上がりする。ダウ平均が下がれば連動して値下がりするため、必ずしも利益が得られるわけではない。ただ、いくつかの銘柄を長期間売りと買いを建てていれば、長期的には利ざやが取れるケースが多い。私は、私個人の株売買の利ざやで、私のスキー、ゴルフ、そして家族連れの海外旅行の費用、さらにグループ企業の損失の穴埋めもしていた。立花証券の石井久さんから「兜町では”売り”が悪いこととされるんですよ。私も業界紙に”売り”と書いて同業者から批判されたことがあります」と言われた事があったが確かに証券市場にはそのような風潮があるようだ。私自身もかつて足踏みミシンのシンガーミシンが日本から撤退したので、同じ足踏みミシンメーカーであるリッカーの株を売り、電動ミシンのJUKIの株を買ったのだが、リッカー株の売却だけが朝日に報道されたということがあった。

まず空売りと言わず、信用売りと言っているのは、アマなのに感心な正しい言葉遣いだ。ただ、この戦略は単なるロング・ショートでアービトラージュとは言わない。ついた先生が悪かったのかな。それから社長として社員教育のためによくない発言、
「理屈の上では利益が上がるように見える」と「長期的には利ざやが取れるケースが多い」
は卓越した売買のセンスと実績を持つ江副さんのみが許される結果論です。

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クオ・ワディス(中) 1/2~クリスト教の斬新さ

キロンはもうすっかり安心したので立ち上り、壁にかかっているランプを一つ取った。ところがその際、頭巾が頭から外れて、光がキロンの顔に真正面からあたると、グラウクスは腰掛から飛び上がって速やかに近寄り、その前に立ち止まって訊いた。『私を覚えてないか、ケファス。』その声には何か非常に恐ろしいものが籠っていたので、居合わせた人々はみんなぞっとした。キロンは、ランプを持ちあげたが、その瞬間にこれに地面に落とし、やがて身を二つに折って溜息をついた。「私ではない…私ではない…御免なさい」しかしグラウクスは長老たちの方を向いて云った。『これが私と家族を売って破滅させた男です…』この男の話はあらゆるクリスト教徒にもヴィニキウスにも知れていた。ただヴィニキウスは包帯をされた時痛みのために絶えず失神していてグラウクスという名前を聞かなかったので、そのグラウクスが誰だか推測できずにいた。しかしウルススにとっては、グラウクスの言葉と結びついて、その瞬間暗闇の中で電光のように速やかであった。それがキロンだとわかると、一っ飛びにその前に出て腕を捕まえ、後ろに廻し、こう叫んだ。「これが私にグラウクスを殺せとそそのかした男です」「ごめんなさい」キロンは歎いた。「お返しします」と叫んで、顔をヴィニキウスのほうに向け「助けてください。ご信頼申し上げておりました。私を守ってください。…お手紙は…持ってまいります。どうぞ、どうぞ…」

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リクルート事件・江副浩正の真実 4/5~日本は共産主義か?

アメリカの裁判は戦いの文化だが、日本の裁判は謝罪の文化だよ。認めて謝れば情状が酌量される。弁護士の先生は真実に反する調書に署名をするなと言っているだろうが、その姿勢を貫くとかえってまずい結果になる。僕を弁護士と思い、僕の言うことを信じてくれよ」
総理公邸訪問の経緯
中曽根総理はご自信の発案で臨教審を設けて、教育改革に取り組んでいた。臨教審のテーマは「学歴社会の是正」だった。私は公邸訪問の1ヵ月半前、臨教審第四支部会に講師として招かれ「学歴と雇用」のテーマで、日本生産性本部の『学歴別生涯賃金表』を元に次のような要旨の話をしている。
大学の生涯賃金と高卒の生涯賃金の差は、日本生産性本部の調査では、大卒を100とすると高卒は81で、学歴による所得格差は諸外国に比べて格段に小さい。また、大学進学率が高くなったことで、大卒は高卒よりも就職が難しくなっていて、警察官や消防士などに、大卒が就職するようになった。大卒で大蔵次官になった人と、高卒で税務署に生涯努めた人の生涯賃金の差は2倍半ほど。民間でも高卒の銀行員と大卒で頭取になった人との生涯賃金の差は4~6倍ほどで欧米と比べてきわめて差が少ない
大企業はどの大学・高校にも就職の門戸を開いている。とくに関西の住友銀行、三和銀行、松下電器、三洋電機、シャープなどでは高校卒業の役員も多い。諸外国に比べて、日本は是正すべき学歴による差別は無く、これ以上均一性を求める必要はないと思う。差別があるとすれば中央官庁のキャリア組とノンキャリア組との仕事や職務権限の差別である。”学歴社会の是正”より”大学改革”が、今日の産業界、ひいては社会の要請だと思う。
私が「学歴社会の是正」の議論に否定的な話をしたためか「江副さんの話がウチの部会でも話題になりました。同じ趣旨の話で結構です。第二部会でも話してもらえませんか」と言われ、翌2月27日、私は第二部会でも同様の話をした。そのすぐあとの総理秘書官からの電話であった。

頭取と一兵卒で6倍か。ほんと、一生ヒラでも大差ない共産社会だなw さすがに今は10倍以上はつけたかな?

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