経営者として心がけたことの一面を抜粋すると、きわめて真っ当なことをおっしゃっており、非論理性=感情が支配する日本のビジネスの現場で苦労なさっているのが分かるw
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「大王製紙は過重労働がひどすぎる」 業界の中にはそう揶揄する人もいるが、確かに大王製紙従業員の物理的な労働時間はそれなりに長かった。そのためか新卒採用者のうち、3年のうちに辞めてしまう者がずいぶんいた。だが、花王だろうがユニ・チャームだろうが、優良な企業は適当に働いて利益を出しているわけではない。現在で言えば、好調といわれるユニクロにしてもDeNAにしても、社員はみな必死になって働いていることだろう。労働時間が長かったり、仕事内容がハードだからといって、単純に「ブラック企業」と言う一部の論調には違和感を覚える。ラクをして利益を出せるほど、ビジネスは甘くない。
長時間会社にいたからといって、労働時間に見合った成果を挙げているとは限らない。現に就業時間内に仕事をピシッと終わらせた上で、人よりも高い成果を上げている社員はいる。ビジネスは根性論で語っていても仕方ない。数字を冷静に分析し、正しい戦略と方法論を実行できれば収益を上げられるのだ。
大王製紙の経営者として、私は空虚な言葉だけの議論を徹底的に排除することにこだわった。会議の席上、こんなことを言う人間がたまにいる。
「コストを徹底的に削減し、営業部員との意思疎通、コミュニケーションを密にします」
こういう抽象的な言葉が飛び出したときには、私はすかさず具体性を問うようにしていた。「『コストを徹底的に削減』ってどこのコストをいつまでにいくら削減するの? 『営業部員との意思疎通、コミュニケーションを密にする』ってメールを毎日1通は必ず送ると言う意味?それとも週に1回は必ず直接あって話をする?」 美麗な言葉を口にしてその場をごまかそうとする人間は、このような指摘をされると、とたんに言葉が詰まってしまう。「コミュニケーションを密にする」など、何も言ってないに等しい。「テレビ会議でもかまわないから、週に2回は必ず開発部と営業部の会議を開く」といったように具体論を述べなければ仕事は先へは進まないのだ。日本人が使いがちな「徹底的に」「とことん」といった情緒的な言葉も要注意だった。

井川さんの言ってることはまともなんだけど、日本人は感情の生き物だから「コイツ嫌い」とか思うと言うこと聞かなくなっちゃうんだよねw 俺も「えっ仕事でしょ?嫌いって何?」と思うんだけど、その民族性は変えられないね。都構想がどうのじゃないの。橋下なんか嫌だで民は反応するものなのだ。

なぜこんなに大勢のグラビアアイドルや女優を知っているのかというと、私が常連客になっていた西麻布のバーには、芸能人がしょっちゅう出入りしていたからだ。その店は、女性はお金を払わずに酒を飲むことができた。タダでお酒を飲める上に、そこにいけば人脈がどんどん広がる。必然的に、売り出し中のグラビアアイドルやタレント、女優が大勢集まるようになったのだ。今や絶大な人気を誇る国民的女性アイドルグループのメンバー2人(当時、現在は2人ともグループを卒業されている)が合流したことがある。当時はまだグループの人気も今ほどではなく、ごく一部にしか知られていない頃だっただけに、私自身もよくわかっていなかった。ファンから叱られてしまいそうだが、まだ幼い彼女たちと話が弾むはずも無く、これといった印象も残らなかった。「キミたち何歳なの?」と尋ねると平気な顔をして、「高1です」と言う。私がたまたま個室で飲んでいたからいいようなものの、誰かに見つかって警察にでも通報されたら大問題になるところだ。ソフトドリンクを飲ませて適当に話を切り上げ、彼女たちには1万円ずつタクシー代を渡してすぐに帰ってもらった。1万円をポンと渡されて味を占めたのだろう。それから数ヶ月、2人からは毎日のように「今日は何をやってるんですか?」と電話やメールで連絡が続いた。さすがの私も18歳未満の人間と酒を飲むほど悪趣味ではない。2人からの電話やメールは無視するようにしていた。その後、彼女たちが所属するグループは大ブレイクし、2人とも一気にスターダムへの階段を駆け上がった。昔から彼女たちを知る者として、さらなる活躍を期待したい。
ホリエモンから東京拘置所に届いた真心の座布団
実は「ホリエモン」こと元ライブドア社長・堀江貴文氏の第一印象はすこぶる悪かった。私が初めて会ったのは、彼が証券取引法違反容疑で東京地検特捜部に逮捕される前年の05年、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いだった頃の話だ。当時、ライブドアがセシールを買収するかもしれないと言う噂が飛び交っていた。セシールは大王製紙の顧客だったため、初めて会った際には今後のことを考えて丁寧に対応しておこうと思った。ところがTシャツ姿で酒席に加わった堀江氏は、名刺交換した後、挨拶もそこそこにデーン!と真ん中の席に座るのだ。

ヤバイ…、これ印象悪くする行為なの? 井川さんがなぜ印象悪くしたのか分からない…。

2回目に会ったときは、もっと印象が悪かった。六本木にある会員制カラオケバーで待ち合わせると、彼は当時から交際していたファッションモデル太田在さんを連れてやってきて「ああ、どうも」と適当に挨拶をして一番良い席に座る。まわりには同年代の外資系企業の連中が群がっていた。「お前ら飲め!」 若い彼らは飲めや歌えやのドンチャン騒ぎを始めた。その場のノリに辟易した私は頃合を見てそっと抜け出して帰った。

一番良い席って? 取り巻きの連中がいたのなら、中心に座るのは当然のような…。会員制とはいえ、カラオケだったらこんなものなのでは? 世代がちょっと違う連中とカラオケ行ったら、入り込めないのは当然。だから私はいつも一人。「大王製紙の御曹司の井川さん、お前ら仲良くしておけよ」くらいはあっても良いような気がするが、ホリエモンってペーパーレス推進派だから、どういうアレンジで誘われたんだろう?と疑問に思う。

11年11月22日、私は会社法違反(特別背任)の容疑で東京地検特捜部に逮捕された。いの一番に東京拘置所に差し入れをしてくれたのは、ほかならぬホリエモンだ。東京拘置所の床が固いため、長時間座っているとお尻が痛くなってしまう。しかも私が収監されたのは冬の寒い時期だ。東京拘置所での長期拘留経験者である堀江氏は、誰よりも真っ先に分厚い座布団を差し入れしてくれた。この心遣いには心底感謝した。11年4月に最高裁で懲役2年6ヶ月の実刑判決が確定した堀江氏は、6月20日にふたたび獄中の人となったが、13年3月、長野刑務所からおよそ2年ぶりにシャバにもどってきた。彼が出所した日に私からお祝いの電話を入れた。その後まもなく再開を果たし、やっと座布団の御礼を直接伝えることができた。その後も数度にわたり食事をともにしている。「井川さん、行くなら長野がいいですよ。僕がしっかり”後輩”たちに伝えておきましたから」 私がもし長野刑務所に収監された場合、悪くしないように周囲の受刑者に話しておいてくれていたようだ。寒いところが苦手な私は、長野刑務所は勘弁して欲しい気持ちもあったのだが…。以前のぶっきらぼうなイメージのまま、堀江氏を酷評する者もいる。だがここに記したように、実際付き合ってみると他者への深い情を持っている男だ。きっと彼は普通の人よりずっと正直であるがゆえ、いろいろと誤解されてしまうのだろう。ホリエモンからの座布団と温かい真心は今も忘れられない。

ムショの経験が無いので、温かい気遣いはできないが、接見なら喜んでいこう。情からの行為ではない。困っている時の恩が最も高値をつけるものだから、そこで恩は売るべきだという投資家的な観点からだ。
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