憲法の分類 成典憲法と不成典憲法
成文憲法とは、とくに憲法典として一定の形式をもった憲法規範をいい、通常は一個の法典であるが、増補などを加えて数個の法典からなることもある。今日ではイギリスの場合を例外として、ほとんどの国が成典憲法をもっている。時として「イギリスに憲法無し」といわれるのは、このような成典憲法をもたないという意味である。不成典憲法とは憲法典として特別の形式を持たず、成典憲法がその性質上、実質的意味の憲法の全てを包含せず、その一部についてのみ存しうるのに反して、不成典憲法は、実質的意味の憲法の全部に及び、不文法のほか、特別の憲法典とされない憲法規範のすべてを包括する
硬性憲法と軟性憲法 硬性憲法とは、成典憲法の改正の場合に、普通の法律に比べて、とくに慎重な改正手続きを必要とするものをいい、軟性憲法とは、普通の法律と同じような手続きで改正することができる憲法を言う。
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天皇が「日本国の象徴」であるとは、対外的に国家としての日本の存在と性格を天皇という存在を媒介して表示することを意味する。憲法上の特別な扱いとしては、天皇の地位が世襲であること(憲法二条)、


法律上の特別な扱いとしては、(1)天皇には「陛下」の敬称が認められること、(2)天皇の誕生日は国民の祝日とされること、(3)天皇に対する名誉棄損については内閣総理大臣が告訴権をもつことなどがあげられる。天皇には国家機関としての地位が認められ、国家意思の形成に関与する者として認められている。国家機関としての天皇の地位は、国家意思の形成に関する特別の公的地位であって、憲法の定める行為のみを行い(憲法四条)、その行為は憲法六条および七条に定める国事に関する行為に限定される。
天皇国事に関する行為は、すべて内閣の助言と承認を必要とし、「内閣がその責任を負ふ」。(憲法三条後段)
小沢さんです。
近代国家の国民は、国家に所属する国民として、国家に対して次のような関係にある。国民が国民であることによって、国家の統治に服従し、当然に国法にしたがうべき義務を負う。これを「受動的関係」という。国家の権力によって、国民がその自由を侵害されない権利、すなわち、国法の定立を国民の利益のために禁止する場合である。これを「消極的受益の関係」または「自由の関係」という。言論の自由や信教の自由などのように、各国の憲法に共通に取り上げられ、保障されるようになった。これがいわゆる国民の国家権力からの解放である。国民は国家の機関として国家活動に参加する権利を有する。これを「能動的関係」という。この関係から、参政権が生じ、この権利には選挙権や被選挙権などがあり、民主主義の発展とともに国家と国民の「自同性の原理」にもとづき、次第に強化されてきている。
国家の形態
国家を統治形態にしたがって分類しようとする試みは古いものであって、アリストテレスは統治権者の数に基準をおいて、それが一人の場合を君主制、少数者の場合を貴族制、多数者の場合を民主制とした。そして、権力者が全国民共通の利益を考えず、これを自己の利益のために行使する時、それぞれの腐敗せる形態として、僭主制、寡頭制、衆愚制をあげている。マキャベリーも中世後期において、、統治権者の数により、国家権力が君主一人に帰属する場合を君主制、多数者に帰属する場合を共和制とした。さらに共和制を主権が少数者にあるか、あるいは全国民にあるかによって、貴族共和制と民主共和制とに分けた。
国務大臣以外の官吏の任免で、天皇の認証を擁する官吏として、最高裁判所判事、高等裁判所長官、検事総長、次長検事および検事長(検察庁法15条)、人事官(国家公務員法5条)、検査官(会計検査院法4条6項)、宮内庁長官および侍従長、特命全権大使および特命全権公使(外務省設置法21条)、公正取引委員会委員長(独禁法29条3項)などがある。
名誉職ですね。
大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除および復権を広く恩赦という。恩赦は内閣が決定し、天皇がこれを認証する。大赦は、政令で罪の種類を定めて行うもので、有罪の言渡しを受けたものについてはその言渡しの効力を失わせ、まだ有罪の言渡しをの効力を失わせる。減刑は、刑の言渡しを受けた者に対して、政令で罪もしくは刑の種類を定めてこれを行い、刑を減軽し、また刑の執行を減軽する。刑の執行の免除は、刑の言渡しを受けた特定の者に対して、刑の執行を免除する。復権は、有罪の言渡しを受けたため法令の定めるところにより資格を喪失し、または停止された者に対して、政令で要件を定めて、あるいは特定の者に対して、資格を回復させるものである。恩赦は一般に、政令による場合と、特定のものについては、中央更生保護審査会の申し出にもとづいて、恩赦状の下付による場合があるが、いずれも内閣によって決定される。
死刑囚棟では恩赦期待をしている人もいるらしいな。
人権の制約
フランス人権宣言は、「自由とは、他人を害しないすべてのことをなしうることにある」と規定し、当初から人権が絶対無制約なものであるとはいわなかった。しかしさらに、「法律は、社会に有害な行為しか禁止する権利を持たない」と規定し、法律によればなんでも制約できるわけではないことも合わせ示している。日本国憲法では、公共の福祉のための利用責任、自由及び幸福追求に対する国民の権利を国家権力は最大限尊重すべきことを規定する。「公共の福祉」による人権への制約がありうることを示唆したものとみることができる。実際、最高裁の判例では、全逓東京中郵事件判決以前は、公共の福祉を人権の一般的制約原理ととらえ、故郷の福祉に反するから人権は制限ないし剥奪されるとしてきた。これは法律によりさえすれば、なんでも制限できるとする立場であり、明治憲法における「法律の留保」となんらかわりがない。
憲法は「日本国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない」としているので日本国民は人権の享有主体である。日本国民たる要件は、法律でこれを定めるとし、国籍法によれば、国籍の取得には、出生、準正、帰化がある。出生による国籍取得について、日本では原則として血統主義を取り、例外として出生地主義が採用されている。昭和59年改正前の国籍法は「出生時に父が日本国民」でなければならないとする父系優先血統主義であった。しかし平等原則の観点から批判があり、「出生の時に父または母が日本国民である時」として父母両系血統主義に改められた。
アメラジアン問題ですね。
学問の自由、学問研究の自由、研究成果発表の自由、教授の自由、大学の自治を内容とする。大学の自治とは、大学内部の組織・運営について外部勢力の干渉を排除し、大学の自主的な決定に委ねることである。具体的には教員の人事、施設・学生の管理は、教授会の自主的決定によって行わなければならない。したあって、大学の学内秩序の維持は第一次的には大学の責務であり、警察権の介入は大学からの要請があった場合にはじめて認められるべきである。
これが日本国内にある治外法権領域、警察権が及ばない領域が存在するわけだ。
居住・移転の自由 何人も公共の福祉に反しない限り、居住、移転・・・の自由を有する 22条1項
外国移住・国籍離脱の自由 何人も、外国に移住し、または国籍を離脱する自由を侵されない 22条2項
著しく且つ直接に日本国の利益又は公安を害する行為を行う虞があると認めるに足りる相当の理由がある者に対して、外務大臣は旅券の発給を拒否できる旨を定めている。国籍離脱の自由は、単なる「世界市民」として、無国籍になる自由を含まない。国籍を離脱するには外国の国籍を取得することが必要である。
移住の自由はありがたいけど、国籍は維持が良いですね。
国政調査権 両議院は、国政に関する調査を行うことができる。調査にあたって証人の出頭および証言ならびに記憶の提出を要求することができる。国政の全般が対象とされることから、四方の領域にまで及ぶことになる。国政調査権は、立法に関する権限を中心として、予算審議、行政に対する監督、議員の自律的権限に関することがらなど、議員の機能を行使するために必要と認められるものでなくてはならない。
内閣総理大臣その他の国務大臣は、文民でなければならない。シビリアンの訳語であるが、「文民」の意味をめぐっては学説上の論争がある。文民とは、現役軍人でない者と解する説、職業軍人の経歴を有しない者と解する説、職業軍人の経歴を有し軍国主義思想に深く染まった者以外と解する説があった。しかし憲法9条、軍隊の保持を禁止していることから、自衛隊の武官も「文民」の視野に入れなければならなくなる。
司法とは、具体的な争訟について、法を適用し、宣言することによって、これを裁定する国家の作用を言う。しかし、司法の概念は、歴史の中で生成し、たえず流動し発展しているものである。したがって、実質的な司法の観念は、準理論的に定立することはできず、歴史的にのみ可能ということになる。換言するならば、司法の観念は固定的に把握することができないことを意味する。
そうですね。気紛れな偶発的要素が多すぎて信用ならないものだし、ましてや法学って学問として位置づけられているのも理解に苦しむ。
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