事件は2013年12月19日午前5時40分頃、京都市山科区西野山射庭ノ上町の「王将フードサービス」本社前で起きた。大東氏は通常と同じように、本社の約1.5km北東にある山科区西野大鳥井町の自宅から、黒い社有車を自ら運転して出発した。そして7分後、本社とは道路一本隔てた北側にある従業員専用の駐車場に着き、車から降りた直後に、その惨劇は起きた。突然、何者かが大東氏に駆け寄り、至近距離から拳銃を4発発射したのだ。傷の状態などから大東氏は立った状態で、ほぼ正面から撃たれたことが分かっている。発射された銃弾は大東氏の右胸に2発、左脇腹に2発とすべて命中した。駐車場に倒れている大東氏を発見したのは、早番で出勤してきた男性社員で、銃撃から1時間15分も経った午前7時頃のことであった。
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捜査本部が真っ先に調べたのが、犯行現場となった「王将」の駐車場から道路を挟んで南側にある別の梱包会社の倉庫に設置された防犯カメラであった。本社前カメラの映像解析によると、大東氏の車はいつも通り、駐車場内を時計回りに大きく旋回し、自分の”指定席”となっている南東側スペースに北側から乗り入れて停車した。そして、その数秒後には、駐車場のすぐ東側に立っている、「王将」が倉庫として使用している別棟社屋の前を東側から西側に向かって横切るように歩き、事件現場方向に接近する人影が映っていた。これは別棟倉庫の出入り口付近の上部に、人間が近付くと感知して光るセンサー付のライトが設置されていて、本社前カメラにその点灯した光が映っていたため確認できたのだ。周囲がまだ真っ暗なうえ、画像が粗くて不鮮明だったため、横切った人物の顔かたちまではわからなかったものの、あまり背が高くなくて細身とみられる体格の人物のシルエットをはっきりととらえていた。その直後、本社前カメラは発砲の際に出たと思われる複数の閃光をキャッチ。数十秒後には前出の人物と背格好がよく似た人影が、今度は別棟倉庫前を西から東に横切り、通路方面に戻っていった。