「ぼくらが写真を見る時、何をまず一番気にするだろうって考えた。それは誰が写っているかじゃないかって思いついた」 フェイスブックの写真には、そのなかに写っている人間の名前をタグ付けできることになった。写真チームはさらに二つの重要な機能追加を決めた。次の写真を見るには、単に現在表示されている写真のどこかをクリックするだけでよい。他のサービスのように「次へ」ボタンを押さなくともいいようにした。もう一つの決定は一種の賭けだったが、フェイスブックに保存される写真の圧縮度を思い切ってあげたので、表示される写真の解像度がはっきりわかるほど落ちた。これは写真のアップロード速度を上げるためだった。ユーザーは数分で大量の写真をアップロードできた。問題はユーザーが低い解像度を受け入れるかだった。それに写真へのタグ付けはどのくらい利用されるだろうか?10月の末、チームは不安を抱きながら写真機能を公開した。巨大なモニターにはユーザーがアップロードしてくる写真がリアルタイムで表示されるようになっていた。最初の画像はネコの漫画だった。チームは顔を見合わせた。と、1分ほどで写真が現れ始めた。女子学生の写真だった。女子学生のグループ写真、パーティー写真、他の女子学生を撮っている女子学生の写真。そして写真にはタグが付けられていた!女子学生の写真が奔流のように流れ込んだ。女性の写真がモニターいっぱいに並ぶ中に、男性が写っている写真は数えるほどだった。女性たちはお互いの写真をアップロードすることで友情を確かめ合っているらしかった。
> ネコと女。僕のアカウントでもそんな感じです。