民主主義と社会主義にはたった1つ共通しているものがあるという指摘も紹介されています。ド・トクヴィルのいう共通点は「平等」という言葉のことです。ただし、言葉としては同じでもその中身は違っています。民主主義は自由において平等を求めようとするのに対し、社会主義は統制と隷属において平等を達成しようとしていると、それぞれの意味の違いを上手に説明しています。別の言葉で言えば、民主主義の自由は機会を平等にする自由で、社会主義は結果の平等だということになるでしょう。ところが平等と言う言葉が出たときに、社会主義こそが「新しい自由」をもたらす約束になったとハイエクは言います。自由と平等がいつの間にか一緒になってしまったのです。このことを「自由」という言葉の意味を社会主義者たちがたくみに変えてしまったとハイエクは非難します。
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