スペースシャトルのせいで、世界の宇宙事業開発は停滞したといっても過言ではない。財政崩壊の危機に瀕していたソ連、崩壊後のロシアは言うに及ばず、である。え?なぜ、スペースシャトルかって?あれは飛行機の形をした宇宙船に憧れたアメリカ国民の、(負の)意識の結晶だからだ。当時の技術では実現できないことが分かっていながらも、国民の期待の高まりの前に、完全再利用型の宇宙船の建造を目指し、ロケットブースターや外部燃料タンクをつけて、「なんちゃって」再利用型ロケットにしたのがスペースシャトルである。結局は、使い捨て型のロケットよりも滅茶苦茶割高なロケットができてしまった。二度の事故によって14名の命を奪ってしまった。このスペースシャトル、あと2年でその運命を終える予定だ。そのような国家主導の宇宙事業開発ではなく、民間主体で開発すれば、コスト面でも現実的な案が提示できるだろう。そもそもガガーリンが初めて宇宙に行ったのは1961年のことだから、もう、50年も昔のことである。現在の技術を持ってすれば、当時の技術をトレースすること自体そんな難しいことではない。少なくとも国家レベルで莫大な予算と兆優秀な技術者の頭脳を投入しなければなし得ないレベルの話ではない。