税金の移り変わり 土地と港
経済が未成熟な段階では、今日我々が所有している所得税、法人税あるいは付加価値税といった近代税制をすぐに施行することは不可能である。このことは今日のアジア、南米、アフリカの発展途上国を想起すれば明らかであろう。税制はその背後にある経済発展のレベルと密接不可分の関係にある。かかる視点から、税金の移り変わりつまり租税構造の発展パターンを一般化しようと試みるのは、学問的にも非常に興味深い研究テーマとなる。(この接近方法は一般に、tax structural developmentと呼ばれている) まず経済発展のごく初期の段階、まだ資本主義経済が萌芽的な時期において、政府はどのような税金で必要な財源を獲得できるのだろうか。