旧ソ連・CISの通貨ルーブルや東欧諸国の通貨は、米ドルをはじめとする基軸通貨との交換性が無く、交換性のある通貨がいわゆる「ハードカレンシー」と呼ばれるのに対して「ソフトカレンシー」と呼ばれている。ソフトカレンシーには外国通貨との交換性が無いわけでレートは自動的には決まらず、各国政府(中央銀行)が人為的に定めるところとなっている。何を基準にしてレートを定めるかという問題がまず発生するが、購買力平価説をはじめ色々な説がある。たとえば米国政府中央情報局(CIA)では、これまで長年にわたり、旧ソ連政府が毎年ルーブル建で公表するGNP(国民総生産)やGDP(国内総生産)を、購買力平価に基づいて米ドルに換算し、公表していた。CIAはこのレートはあくまで計算単位であり、日常生活で使用されるものではない。旧ソ連ではゴスバンク(国立銀行=中央銀行)が、政府の委任を受け、各国通貨との為替レートを決定していた。