態度を急変させたマルサ
私が支店で小西さんの担当になったとき、最初に驚いたのは、小西さんの預金利息でした。普通、預金利息には税金が課せられ、それを差し引いた分が預金者の実入りになりますが、小西さんの利息には税金がかかっていないのです。こんなことが、あり得るのか、と驚きました。当時流行していたマル優などの話ではありません。定期預金が年利5%の時代でした。利息には本来15%の分離課税をかけなければならない。ですが、小西さんの口座は、課税されないような特別な事務処理がなされていたのです。利子コードを付け替えることによって非課税と同じ扱いにする。前任の課長によると、これは税務署も黙認しているというのです。しかし、こんな処理を続けていたらお縄になる。それで怖くなった覚えがあります。」