FXのプレイヤーの数は多く、その中でも必死にチャートを分析しながらトレードしている素人諸君が多いであろうから、為替とチャート分析というのがいかに相性が悪いか、はっきり言えば、為替のチャート分析が、いかに主観的誤解を導きやすいか ということについて言及しよう。
これはある個人投資家が、「株よりもFXの方が、チャート分析が楽だ」と発言したので、「てめー、OTC取引、為替の一物多価性を知った上での発言か?」と思ったことが、この一筆を書くに至った経緯である。素人の発言に対してこんなに根つめる必要がどこにあるのかという読者諸君らの意見もあるだろうが、そういうテクニカル信者も数の上ではかなり多いことは認識すべき事実である。プロフェッショナル諸君も株と為替の相関などを計算する時の注意すべき点が含まれているので参考になるだろう。
日本で一般的と思われるローソク足チャートは、基本四要素、Open High Low Closeでチャートが構成される。取引所集中取引、一物一価の株式であればチャート、すなわち四本足は一意に定まるが、24時間OTC取引で一物多価で取引されるFX・為替取引のチャートの難しさについて言及しようと思う。