チャンラーイの朝、ベッドから見える外の光景が霧がかっているように見える。今日は初めての曇りでとても寒い。ここは正確にはチャンラーイではなくファーヤオなのだが、ネットで調べても標高が出てこない。山岳部の標高は1500-1600mあるのだが、ここはファヤオの山岳部ではない。私の推測では1000m弱だが。チャンラーイ空港が400mとあるので、推測は誤りで、ここもおそらく同程度、意外に寒い。気温/標高=0.6として、パタヤと2.4度差では説明できないくらい寒い。ネットでは本日の気温は24度から27度となっているが、もっと寒い気がする。お世話になっている家の息子さんのジャンパーを借りているほどなので、18度くらいなのでは?と思っていたらMSNによると17-30度だそうだ。うん、感覚に合う数値だ。
午後はご家族でお出かけ。私という血縁でもなければ国籍も違う異物が入り込んでいますが。お寺詣りと滝を見に行くようです。子供たちが水着の用意をしているようだったので、私も水着とゴーグルを用意し、子供たちとトラックの荷台に自ら率先して乗りました。「えっ? 暑いのに・・・中に乗れる。」と言われましたが、「日本ではトラックの荷台に乗る行為は禁止されている」という事情が理解できないのでしょう。シンガポールではインド人労働者がやっているので、違法ではないようですが、シンガポールで、ビルとコンクリートを見つめて排気ガスを吸いながらの、オープンカーはいささかいただけないので、のどかな田園、山と自然を見ながら、フレッシュエアーを楽しむこととしましょう。トラックの荷台で風に吹かれたことのある人、少ないでしょう? 日焼けが怖いので日焼け止めクリームを塗ります。海の日差しに比べれば弱い気がしますが、何しろ1年中昼間は、パソコン画面を見つめ、暗い部屋の中に籠っている腐った体なので、急激な日差しは危険です。
お寺に着きました。家族7人が皆、座ってお祈りをしますが、お父様だけはしません。お父様は脚が悪く座れないからです。曜日占いと干支占いがありまして、またコインを入れるとお経が鳴ります。曜日占いは、「にゃーんにゃんにゃんにゃんー」(南無妙法蓮華経のような調子)で聞き慣れた音ですが、ほとんど人が寄り付いていない干支占いは、東アジア圏の私にはなじみ深いので、東アジア圏のよしみで1THBほどODAしてあげると、「のんのんのーんのん」と低く平坦な調子のお経が流れ始めました。同じお寺ですが、宗派が違うのかもしれません。お目当ての宗教グッズ、ブッダネックレスは販売しておりませんでした。次回に繰り越しです。
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合計90分くらいの道のりだったでしょうか。信号は、一つもありません。当然渋滞もありません。滝に着きました。滝は温泉になっていて温度は35度とぬるめです。源泉まで30分程度の軽いトレッキングコースが用意されていたので、それに挑みます。最初の階段だけ多少きつめの傾斜ですが、ゆっくり登っても2分弱程度の短いもので、後は平坦です。Green Forever ForestとSwamp Forestの2種類があると書いてあるのですが、素人目にはその区別はつきませんでした。源泉は深さ5mほどのようですが、35度の水温で東南アジアで生きられる生物はいないのか、なんだかあまり生命感のないよどんだ源泉でした。麓に戻って滝に。
せっかく水着を持ってきたのに、川は水深がかなり浅く泳ぐ雰囲気ではありませんでした。また川で遊んでいるのがかなり小さな子どもたちばかりだったので、長男17歳と私は気後れしてしまい、川で遊びませんでした。川沿いにござを敷いて、飯でも頂きましょう。アイスクリーム、チキンウイング、コーム・ヤーン、Minced Pork(名前をいつも忘れる)、コウニャオなどをいただきました。お父様だけがござに座れないので、トラックに腰かけ一人離れてタバコを吸っていました
良い息子。お父様にとっては孫ですが、長男17歳がコウニャオとチキンウイングを持って立ち上がり、お父様に献上していました。結局お父様は召しあがらなかったようですが、この長男、実に良い息子です。年功序列のタイ、祖母、母、姪という3人のネーさんに顎で使われても嫌な顔一つせず、忠実にこなし、下の子供たちの面倒も良く見ていて、お父様や客人である私にも気を使っています。お父様も先は長くない。貴君が真面目な嫁さんでも、もらって、3人のネーさんまでも面倒見ていくことになるのだろうか。
この家に、チャンラーイ遠征隊の席は無い。
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3人のネーさんと書いたが、ここには3人分の席は無い。現在は家の祖母の役割は、お母様、父の役割がそのままお父様、母の役割はお姉さん、そして子供たちで構成されている。農家の基本構造の3役である。おじいちゃんやセカンドワイフという席は無い。私も数日ここで過ごしているが、チャンラーイ遠征隊の娘は子供なので、席があり存在を許されているが、当の本人は完全なゴクツブシ扱い。特に役割もなく、プラプラとしている。だから海外やバンコクで働いているのか、働いているから席が無いのかは鶏と卵だと思うが、とにかく、娘が住んでいる家に居場所が無いのは確実だ。タイの農家の家庭においての主婦は、農家3役で祖母が担うものだ。家の掃除や庭のメンテ、家畜の面倒などが主たる仕事である。父と母は二人で協力して農作業だ。主婦は一人だが、二人の女がいるということで、日本の核家族にありがちな主婦の独裁による暴走を防ぐガバナンス体制ができあがっている。主婦の地位は、現在はお母様、次がお姉さん、その次は長男の嫁とこの先50年ほど先まで埋まっており、都会仕事で鈍った体のチャンラーイ遠征隊の席は無いのである。夜の店で働く嬢たちは、真の独身者・子持ちの両方含めて、これにかなり近い立場に立たされているに違いない。
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