利回り20%超を目指すファンド
例えば、ライブドアによるニッポン放送の買収劇では「村上ファンド」の動向が・・・、官製の「企業再生ファンド」とも言える産業再生機構がカネボウやダイエーの・・・、さらに新生銀行や宮崎シーガイアを買収したリップルウッドも「投資ファンド」だし・・・、「投資ファンド」を運用する日本人のサラリーマン・ファンド・マネージャーが100億円の給与所得で、2004年度の長者番付トップになり世間を驚かせた。
村上ファンドは利回りで記述されるファンドなんだ・・・。そもそもファンドで利回りってのが、不思議な言葉遣いですよねぇ。年率リターンって言わないか? 普通。
「投資ファンド」の4類型
企業に投資するタイプのファンド。村上ファンドのようにM&Aの手法を取り入れながら企業価値の向上を目指す「企業買収ファンド」や、経営が思わしくない企業に資金や経営資源を投入して再生することで投資リターンを狙う「企業再生ファンド」などがある。
不動産投資ファンド、幅広い資産(株、債券、為替、商品等)を対象にデリバティブなどを用いて絶対リターンを追及するヘッジファンドと呼ばれるタイプもある。
ぇぇっ? なんすか? この分類方法。投資信託、国内・国外、ミューチュアルファンド、私募、こういう観点での分類は一般読者にはあまり関心ないだろうから良いだろうが、普通、分類って言ったら アセットクラス(株、債券、商品、それに付随するデリバティブ含む等)×地域×戦略名 だと思う。
市場の歪み
「ニッポン放送とフジテレビ」に見られたような親子逆転により、親会社の「市場価値」が「解散価値」を下回る例は他にもある。これらの会社については、「投資ファンド」の投資対象となったり、敵対的買収のターゲットとなったりする可能性が高いとも考えられるが、こうした状況は日本特有の現象で、アメリカなど主要先進国では起こりえないことなのだ。つまり、フジテレビと、その連結子会社である日本放送の両方が上場する、あるいは非上場会社の国土計画の連結子会社である西武鉄道が上場する、といったようなことは、アメリカなどでは許されておらず、こうした「歪み」が生じる可能性は、そもそもないのだ。
親子上場はライブドア事件後も残る市場の「問題点」だとは思うね。
今となっては信じられないかもしれないが、わが国では1980年代まで「不動産は必ず上がる」という”土地神話”があった。不動産投資も何もしなくても上昇を続ける地価をベースに、キャピタルゲインのみに目が向き、「不動産はまさかの時の担保になる」、「不動産投資には節税効果がある」といった点が重視されていた。1980年代後半、プラザ合意後の資金余剰を背景に日本企業は土地神話を海外不動産にまで持ち込み、アメリカなどの不動産を買いあさっていた。筆者がニューヨークで米国の投資銀行の同僚から日本の不動産の価格形成について説明を求められたのは三菱地所によるロックフェラーセンター買収の頃である。彼らの関心事は「日本企業はどうしてあのような高値で不動産を買うことができるのか」「日本では不動産価格はどうやって決まっているのか」ということだった。筆者は、日本における不動産価格の鑑定方法を説明した。当時日本で一般的だったのは、「取引事例比較法」。近隣で売買された条件の近い不動産の取引事例から価格を導き出すというものだった。さらに国が毎年1月1日に土地の価格を公示価格という形で公表していること、これが土地取引の際の価格目安とされたり、鑑定評価や公共用地の取得価格などを決める際のよりどころとなったりしていること、さらには相続税、贈与税の評価の基準になる路線価という別の不動産の”公定価格”があり、それは公示価格のおおよそ8割であることなど、筆者は日本人には当たり前の説明を行ったが、彼らは理解不能と言わんばかりにかぶりを振り、まるで”違う天体の上の陸地の価値”の話を聞くような表情で聞いていた
旧大蔵省広報誌「ファイナンス」1999年7月号「ヘッジファンドと国際金融市場」という論文に「ヘッジファンドを正確に定義することは困難である。通常、この言葉は、証券、通貨、商品等に対する積極的な投資・裁定取引を行っている私的な投資会社・パートナーシップの総称として使われている。」
まー、そうだね。だが、よく言われている、「相場の上げ下げに関係ない絶対リターンを目指す」はないね。完全なるロングバイアスだ。さらに裁定取引をやっているヘッジファンドは見たことがない。ま、本人達がArbitrageだと思い込んでやってるのは自由だがね。
現在、中国は世界最大の対米貿易黒字国であり、中長期的には少なくとも30%程度の人民元の切り上げが必要というのがマーケットコンセンサスである。さらに1ドル=3.9人民元、すなわり現状比100%以上の切り上げが金融理論から導き出される「理論価格」であるという試算(野村證券金融経済研究所)すらある。
どんな理論だよ(笑
そもそも企業は何のために株式を一般に公開し、上場しているのであろうか? 一般的には「株式市場からの資金調達のため」、「知名度向上による採用面、営業面でのメリットを期待して」などという答えが考えられる。しかしこのような教科書的な回答とは別に「上場してこそ一人前」、「上場企業というステイタス確保のため」といった理由で株式を上場している企業も多い。つまり、日本には”上場神話”が根強くあるのだ。わが国ではこれまで、企業間や銀行との株式持合いが盛んで、いわゆる安定株主比率が高く、企業が一般株主のことを意識する必要性に乏しかった。
いやー、これ、ホント、困ったもんで、経済合理性や市場原理を阻む主要因ね。日本人お得意の「本音と建前」を株式市場に持ち込んじゃって、持ち合い仲良しクラブ=狭い村社会を形成し、資本市場のルールを無効化してきたわけなんだが、市場がグローバル化しちゃってるもんだから、外から「なんだあれは?」って思われてる。外圧には弱いけど、内弁慶だぞー。逮捕しちゃうからね。
我々日本人は自分達の知らないことに出くわすと、急にその壁を自分の周りに立て始める。特に英語やカタカナ語に出会った時にその拒否反応が強く表れる。「欧米ではともかく日本には日本のやり方がある」「理屈はそうかもしれないが現実は違う」こうした物言いで議論を打ち切ろうとする人も多い。
おっさんだけだろ。若い人でこれはないと思うけどね。さすがに。じいさんだけじゃなくて現役のおっさんがまだこの考えだから企業成長が難しいんだがな。

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