出世街道 2/2 ~役員候補生以外にもある優遇枠

私は役員候補生になったことがないので役員コースについて具体的に書けないが、優遇されていたほうだと思うのでそれについて書こう。前回述べたように優遇のポイントは3つ。

新人・もしくは2年目程度で、仕事の実績がない・もしくはほとんどない にもかかわらず、私に与えられた特権は

1.言えば何でも買ってもらえる。
2.部門横断的な仕事が多い。
3.頭越し外交、2階級上からの指示で働いている。

の3点にすぎない。給料が高いとか、役職が早く上がるなどは無かった。

これについて具体的に解説していこう。

1.買ってもらえるのは、当然仕事に使うもの。自分専用のパソコン(普通は1台だとしたら僕は2台など)・専用サーバー・自分だけが使っているソフトウェアなど。一番わがままで買ってもらったのは、「香港への片道切符」

「香港に勤めるかどうか会社と交渉してる」と当時の奥さんに話したら、「株で儲けすぎて税金払いたくないから香港行きたいなんて個人的なわがままを、あんなデカい会社が認めるわけない!英語も話せないくせに!」と言われてしまった。なぜ彼女がそう発言したかというと、私が読んでいた本が、「租税条約、タックスヘイブン、オフショア」などの言葉が並ぶ本ばかりだったからだ。もちろん、会社が許可してくれた理由は、当時アジア勃興の時代だったので、私のわがままとアジアシフトという会社の方向性が一致しているということである。

2.社内外の専門家と会わせてもらえた。同じ部門の同期や先輩方は、席について仕事をしているのが普通だが、私だけ席を長時間、外している状況が公然と認められていた。そのため席が複数あり、1社目は3つ、2社目は2つあった。聞くところによると、上司に箸の上げ下げまで指示され、監視されながら働いているような人も居たようだが、私はその逆で、目が届かない他の部門に行くことは当たり前だった。

3.入社したてのヒラなので、課長-主任-ヒラ(新人)のようになり、主任の小さなチームの一員として働くのが一般的で、主任(先輩社員)の指導を仰ぐ。しかし私が勤めた2社とも、なぜか最初から「課長特命要員」。若いけど仕事ができるからそうなったのではない。最初からだ。特に一社目は組織が大きく、課の規模も大きかったのだが、不思議なことに課長から直接指示が来た。今思えば、後ろで部長が動いていたな。

2015-02-02 サラリーマンは面白い、サラリーマンはもっと自信を持て

数か月の新人研修が終わり、配属された事務所に行くと名刺ができていたので、喜んで部長に「名刺ができました。部長に顔を覚えてもらおうと思って」と渡そうとしたところ、
「この名刺は1枚4円かかっている。うちの会社の半導体部門は1個何十銭の利益を産むために頑張っている人たちもいる。お客さんに配るのは問題ないが、社内で顔を覚えてもらうために配るモノでは無い。自分の部門の部下の名前くらいきちんと覚えていますよ、エキゾ君。」
と優しく諭されてしまった。どの会社も日本企業なら同じような構造だと思うが、部長、課長、主任、ヒラとなっているので3階級も違い、部長となれば部下は何百人もいるのに、たかが一人の新人の名前をよく覚えていたな、と感心した。でも次の会社の部長も、顔と名前だけでなく学歴、しかも最終学歴だけでなく、高校まで覚えていたので、そういう記憶力に優れた人でないと部長になれないのかもしれないw

部長は俺がどこに住んでいるかも、多分、覚えていたのだろう。当時、横浜の実家在住だったのだが、研修先幕張、事務所大井町、配属先桜木町と、どんどん実家に近づいてきて、通勤時間30分くらいだったんじゃないかな。それはおそらく部長が俺の住所を知ったうえで、近くて通いやすいところに配属してくれたのだろうと思っている。

でもね、会議の風景とか変なのよ。(課長会議)おじさんの中で、俺一人で若い
1社目課長「新しいネットワークの設計と構成について、詳細はエキゾから」
2社目課長「この商品のセカンダリーの値動きについて、詳細はエキゾから」
みたいな感じで、相手は全員おじさん(課長)。

課長特命だから、課を飛び越える仕事になるので、2の部門横断は必須になる。仕事の期間も長期的で日々具体的に何をするというのはない。実績ゼロの新人からそういう仕事ってのが、「俺、優遇されてる?」とは思ってました。ちなみに東大特権は関係ありません。他にも東大はいっぱいいるんで。銀行の行内運動会にて、東大だけ集められて、会議室から運動場を見下ろしながら「見たまえ、あれが諸君らの将来の部下たちだ」なんて訓示があったとかなかったとかジョークがあるが、さすがにそれは経験したことがないぞw

2015-02-03サラリーマンは面白い、SEのお仕事

役員候補生が特別待遇を受けていたのを思い出したのだが、俺も役員候補ほどではないものの、優遇されてるほうだったと思いかえし、上の「サラリーマンは面白い」って言い方はちょっと嘘かもなw 今後気を付けよう。

一言で言うと「新人時代から自由に仕事させてもらった」。私は日本で勤めた2社、両社ともに感謝している。役員候補生ではなかったことは辞めた理由ではない。むしろ最も優秀な奴がきっちり役員候補生に選ばれていたので、その点に関しては健全だとポジティブに評価している。俺みたいな狂犬が大会社の役員ってちょっとおかしいだろ。俺は金さえ、もらえれば、役職は要らない。ただ金が欲しいというより、俺だけ特別な給料だと確かに金は満たせるんだが、

多くは日常的に「自分よりできない人」とばかり働いています。

という状態になり、それが気に入らない。相関1とは言わないが高い相関で高給取りは、優秀な人多いから、職場として働きやすいし楽しい。会話が通じないことがない。こっちの言うことはすぐに理解してくれるし、理解できるように合理的に端的に説明してくれる。グーグルのマネジメントボードレベルは、さすがに身分不相応だけど、イノベーションエイエイオーでフィンテックとか言ってる連中は相手にしたくないなw

ちなみに、高額所得者が多い職場が、環境として良いというのと同じ理由で、今、香港やシンガポールを中心に生活している。生活コストのことだけを考えるなら、もっと物価の安い国はある。ただ、生活費の安い国に住んでいる外国人(日本人も含む)の質が悪い。例えば、香港やシンガポールで働くビジネスマン相手なら、会話の中で「デリバティブ」という言葉を説明なく使用できるが、フィリピンやタイでは非常に難しいだろう。