感謝の言葉を忘れない男

主婦業に理解があるようでタチが悪い男も居る。
男は、毎日の食事に対して、妻に対して、必ず感謝の言葉を忘れない男だった。
一日も欠かす事無く!
普通そんなことはできない。
何故できたのか?
男は、女を一生面倒見る気は全く無かったから、妻の奉仕を不思議に思っていた。
だから感謝と同時に、こんなことをよく口にしていたという�
ご馳走さま、今日もおいしいご飯をありがとう。わかるよ~、毎日ご飯作るの大変だよね。うんうん。
それ・・・、辞めて良いよ。

日本では、主婦業の市場価値が明らかでない。それは労働市場の厳しい外国人規制により市場の
国際化が進んでおらず、Arbitrage-Freeでないエマージングな状態のままだからだ。
十分に効率的な市場ではGlobal Arbの効用により、そういった仕事はフィリピン人がやることになっている。
彼らの月給は6-7万円。それが主婦業の市場価値である。
ご飯も子供も作らなくていいから、主婦の市場価値以上の金を作ってくれよ。
そうすれば連結で黒字だろ?できない?やりたくない?
困ったな~、最近、独立採算制がどうのこうのとかって、赤字会社を抱えてると株主がうるさいんだよ~。
私は君に対して一度でも命令や禁止をしたことがあるかね? そう、一度も無いはずだ。
つまり、実質的な経営意思決定権があるとも言えず、資本関係も明確ではない。
加えてキャッシュフローは完全にマイナス。創立以来、一度もプラスのキャッシュフローになったことが無い
純利益は黒字というが、そもそも仕入れを連結対象内から行っているからだろう?
原価の評価方法が不当に低いのでは?と会計監査法人から疑義を突きつけられている状態なのだ。
この前の総会で大株主が、一体この会社との関係に何のメリットがあるのかわからない。
明確に説明を求む!と言われて私は言葉に窮してしまった。
株主の手前、”そういう”関連会社をこれ以上連結対象内で抱えるわけにはいかないのだよ。
残された道はSpin-Offしかない。私も可愛い関連会社が分割後すぐにつぶれる姿は見たくない。
交付金はいくら欲しいんだ?」
小説「主婦関係と連結会計」より